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最終話 真の価値に気づいたのは
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side:ディゼ
「……養子の申し出、感謝する」
「いえいえ、こちらとしてもメリットがあるので」
「養子だけでなく経済的な支援まで……ウチとしては是非とも受け入れたい」
「慌てないでください。契約は始まってすらいませんよ?」
ガロン辺境伯を屋敷に招いて会談が始まる。
ウワサに聞いてた通りだ。
結果を焦るばかりで物事の核心について何も考えていない。
作法も礼儀もぐちゃぐちゃ。
これで当主が務まるとはな。
「それで? 条件というのは……」
「単刀直入に言います。貴方には当主を引退して頂きたい」
「なっ!?」
私の提案にガロンは声を荒らげる。
「ふざけているのか!! 私が当主を辞めたら、誰がヴァーレイン家を引き継ぐというのだ!!」
「いるじゃないですか。貴方が嫌っていた一人娘が」
「ノエルだと……!? あの傷あり女に当主が務まるわけがない!!」
やはり彼女を……
昔から傷アリだと見下してきたのだろう。
不快だ。本当に不快で仕方ない。
「傷つけてばかりの貴方よりも多くの傷を知っている彼女の方が当主に相応しいと思いますけどね」
「なんだと……?」
「当主の使命は領民を豊かにすること。誰かの傷に寄り添えなければ、到底成し遂げることができない重大な責務だ」
「私にその資格がないと!?」
「えぇ」
強く睨みつける。
圧と敵対心も含めて。
「このディゼ・ファニングの目に狂いはない。彼女こそ今のヴァーレイン家に必要な存在だ」
ヴァーレイン家はノエルが継ぐべき。
それを強く主張した。
「貴様も私を見下すのか……」
「見下していません。貴方には貴族社会より戦場の方がお似合いだ」
「この小僧がぁ!!」
完全にプツンといったのか、ガロン辺境伯は近くに置いていた剣を抜いて、私の方へと振り下ろす。
「太刀筋が単純……それで当主まで上がれるのですね」
「なんだと……? さっきから何が言いたい!!」
振り下ろされた剣を既に抜いていた剣で受け止める。
野蛮だな。気に食わない相手にはいつもこうしてきたのか? 戦場上がりの貴族の気持ちが理解できない。
「力だけで全てを変えることはできませんよ」
「ガッ……!?」
そしてお返しにガロン辺境伯の腹部を斬った。
「手を出すのは本当に最後の手段。交渉という考えすら浮かばない時点で……貴方に資格は無い」
「おのれ……この私が……」
「侯爵家に手を出した件については、後日償ってもらいますので」
やはり力技になってしまったか。
交渉というより勝負になる事はある程度予想していた。
けど、これでノエルは当主になれる。
私が思い描いていた事も……ふふっ。
◇◇◇
「……」
窓から差し込む朝日。
未だに現実が信じられない。
お父様が衛兵に連れていかれて、私はヴァーレイン家の当主になってしまった。
たった数日の出来事。
あまりにも急展開すぎる。
「ノ、ノエル様……おはようございます……」
「えぇ、おはよう」
従者達も萎縮して私に陰口を叩かなくなったのはよかった。後ろにファニング家が付いてるのも大きいと思うけど。
(私に何ができるかはわからない。けど、お母様の大好きな領を取り戻せるよう足掻いてみよう)
当主になったからにはできることをしたい。
立派な事を成し遂げられなくても、お母様に誇れるような自分でありたい。
「それとお客様がいらしてます」
「客? こんな朝早くから誰よ……」
ドアから出て、お客様がいる場所まで移動する。
「やぁ」
「ディゼ様!?」
私を当主にした張本人の登場。
何故貴方が!? いつも以上に笑顔なのが怖い。
「こんな所まで……私の方から行きましたのに」
「今日しか暇がなくてね。できることは早めにしておきたいのさ」
「できること?」
今度は何を企んでいるのだろう……
身構えながら彼の言葉を待っていた。
「ノエル、私と結婚してくれないか?」
「へっ……?」
その言葉はあまりにも予想外で。
私が落ち着くにはまだまだ時間がかかりそうだ。
「……養子の申し出、感謝する」
「いえいえ、こちらとしてもメリットがあるので」
「養子だけでなく経済的な支援まで……ウチとしては是非とも受け入れたい」
「慌てないでください。契約は始まってすらいませんよ?」
ガロン辺境伯を屋敷に招いて会談が始まる。
ウワサに聞いてた通りだ。
結果を焦るばかりで物事の核心について何も考えていない。
作法も礼儀もぐちゃぐちゃ。
これで当主が務まるとはな。
「それで? 条件というのは……」
「単刀直入に言います。貴方には当主を引退して頂きたい」
「なっ!?」
私の提案にガロンは声を荒らげる。
「ふざけているのか!! 私が当主を辞めたら、誰がヴァーレイン家を引き継ぐというのだ!!」
「いるじゃないですか。貴方が嫌っていた一人娘が」
「ノエルだと……!? あの傷あり女に当主が務まるわけがない!!」
やはり彼女を……
昔から傷アリだと見下してきたのだろう。
不快だ。本当に不快で仕方ない。
「傷つけてばかりの貴方よりも多くの傷を知っている彼女の方が当主に相応しいと思いますけどね」
「なんだと……?」
「当主の使命は領民を豊かにすること。誰かの傷に寄り添えなければ、到底成し遂げることができない重大な責務だ」
「私にその資格がないと!?」
「えぇ」
強く睨みつける。
圧と敵対心も含めて。
「このディゼ・ファニングの目に狂いはない。彼女こそ今のヴァーレイン家に必要な存在だ」
ヴァーレイン家はノエルが継ぐべき。
それを強く主張した。
「貴様も私を見下すのか……」
「見下していません。貴方には貴族社会より戦場の方がお似合いだ」
「この小僧がぁ!!」
完全にプツンといったのか、ガロン辺境伯は近くに置いていた剣を抜いて、私の方へと振り下ろす。
「太刀筋が単純……それで当主まで上がれるのですね」
「なんだと……? さっきから何が言いたい!!」
振り下ろされた剣を既に抜いていた剣で受け止める。
野蛮だな。気に食わない相手にはいつもこうしてきたのか? 戦場上がりの貴族の気持ちが理解できない。
「力だけで全てを変えることはできませんよ」
「ガッ……!?」
そしてお返しにガロン辺境伯の腹部を斬った。
「手を出すのは本当に最後の手段。交渉という考えすら浮かばない時点で……貴方に資格は無い」
「おのれ……この私が……」
「侯爵家に手を出した件については、後日償ってもらいますので」
やはり力技になってしまったか。
交渉というより勝負になる事はある程度予想していた。
けど、これでノエルは当主になれる。
私が思い描いていた事も……ふふっ。
◇◇◇
「……」
窓から差し込む朝日。
未だに現実が信じられない。
お父様が衛兵に連れていかれて、私はヴァーレイン家の当主になってしまった。
たった数日の出来事。
あまりにも急展開すぎる。
「ノ、ノエル様……おはようございます……」
「えぇ、おはよう」
従者達も萎縮して私に陰口を叩かなくなったのはよかった。後ろにファニング家が付いてるのも大きいと思うけど。
(私に何ができるかはわからない。けど、お母様の大好きな領を取り戻せるよう足掻いてみよう)
当主になったからにはできることをしたい。
立派な事を成し遂げられなくても、お母様に誇れるような自分でありたい。
「それとお客様がいらしてます」
「客? こんな朝早くから誰よ……」
ドアから出て、お客様がいる場所まで移動する。
「やぁ」
「ディゼ様!?」
私を当主にした張本人の登場。
何故貴方が!? いつも以上に笑顔なのが怖い。
「こんな所まで……私の方から行きましたのに」
「今日しか暇がなくてね。できることは早めにしておきたいのさ」
「できること?」
今度は何を企んでいるのだろう……
身構えながら彼の言葉を待っていた。
「ノエル、私と結婚してくれないか?」
「へっ……?」
その言葉はあまりにも予想外で。
私が落ち着くにはまだまだ時間がかかりそうだ。
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