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幼児期
遙(仮)脱出する。No.5
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「…………」
タクシーというものに乗り込み、目的地に着く少し前にワタクシの話が終わりました。
始めこそバカにしたように聞いていたフライツ様も今はワタクシの横顔を食い入るように見つめています。
信じろという方が難しいですわね。
むしろ、あの親たちが おかしいのですわ。
コンコン。
沈黙を破るように窓ガラスが叩かれる。
「金はらったから早く降りろ」
そこにはフライツさまを だいぶ年上にしたような方が立っていました。
「俺は お前の召し使いじゃねぇぞ?しかもなに?女なんか連れてきて。生意気にデートかよ」
「ちがうし」
同じ遺伝子を持つ二人が面倒くさそうに話し合っています。
それを横目に見ながら出されたお茶を飲みます。
「あら、美味しい……」
ほんのりフルーティな甘さの優しい味。
「俺ブレンドだからな」
ワタクシの言葉に気を良くしたのかパソコンと呼ばれるものの前に座りだした。
「本社に入り込む」
「まじで?」
「あそこの客なら、それが一番 てっとり早い」
カタカタカタと慣れた手つきで操作する姿をフライツさまと二人で見つめます。
「……次はないって言われてなかったっけ?」
「毎回な」
「……」
「お前だって、それ見越して俺んとこ来たんだろ?」
「まぁね」
「と、出てきた」
二人が食い入るように画面を見ています。
ワタクシも見た方が良いのでしょうか?
少し腰を浮かしたところで二人がワタクシを見ていることに気づきました。
「「まじか……」」
パソコンの画面には黒地に金糸で書かれたような神々しい文字が並んでいました。
竜王崎グループ。
世界各地に支店をもち、経済を回している大企業の一つ。
その華々しい経歴や実績などが細やかに書かれています。
そして画面が切り替わり、その影の支配者として まことしやかに噂されている龍巻家の屋敷が写し出されました。
竜、龍、と その名が刻まれているには訳があり、遠い昔 先祖が龍を倒し配下に置いたことからだと記されています。
その恩恵は本家の長子に色濃く出、たぐいまれなる能力を発揮するとの噂も。
「が、しょせん噂は噂。どこまでホントで どこまで……」
「ほぼホントなんじゃない?」
「おいおい。いつも竜が出てきてる時点で作り話でしょ?て言ってる お前が どうしたんだよ」
フライツ様の言葉に苦笑する妙齢のフライツ様。
「まぁ色々思い当たることがあったからね」
「ふぅん」
「で、なにか分かったの?」
「そのチビと関係あるか分からんが、その龍巻家で今日 後継者が決まるらしい」
「「え!?」」
思わずワタクシも声を出してしまいました。
「後継者が決まるって おかしくね?代々長子に決まるんでしょ?」
「それは家督の話だ。今日決まるのは龍巻家 当主」
「違いがよく分からないけど、ようは話し合いで子供を放っといたら迷子が一匹出たってことだね」
「迷子ではありませんわ!!ワタクシは本当に!!」
「分かってるよ。元服の義に参加してたんでしょ?」
え!?
「子供に試練を与えて素質を問う、みたいな行事が毎年ひらかれてるね。たぶん、その時に何かトラブルがあったんじゃないかな?現に何年か前にも誘拐事件が その時に起きてる」
「そうなの?」
「ああ。まぁしかし、でもビックリだな。あの龍巻の人間に こんな のっぺりした顔が生まれるなんてな」
ニヤッと笑ってワタクシを見る。
むっ。
「これはこれで愛嬌があって可愛らしいのですわ!!」
「……自分で言う?」
フライツ様が呆れたように おっしゃいました。
「さて、身元も分かったし、お嬢様を送っていきますかな」
妙齢のフライツ様が立ち上がる。
「え?修斗が行くの!?」
フライツ様が初めて大きな声を出されました。
「こんな面白いこと、人に任せられるかよ」
妙齢のフライツ様こと修斗さまが それはそれは黒い笑顔をされました。
タクシーというものに乗り込み、目的地に着く少し前にワタクシの話が終わりました。
始めこそバカにしたように聞いていたフライツ様も今はワタクシの横顔を食い入るように見つめています。
信じろという方が難しいですわね。
むしろ、あの親たちが おかしいのですわ。
コンコン。
沈黙を破るように窓ガラスが叩かれる。
「金はらったから早く降りろ」
そこにはフライツさまを だいぶ年上にしたような方が立っていました。
「俺は お前の召し使いじゃねぇぞ?しかもなに?女なんか連れてきて。生意気にデートかよ」
「ちがうし」
同じ遺伝子を持つ二人が面倒くさそうに話し合っています。
それを横目に見ながら出されたお茶を飲みます。
「あら、美味しい……」
ほんのりフルーティな甘さの優しい味。
「俺ブレンドだからな」
ワタクシの言葉に気を良くしたのかパソコンと呼ばれるものの前に座りだした。
「本社に入り込む」
「まじで?」
「あそこの客なら、それが一番 てっとり早い」
カタカタカタと慣れた手つきで操作する姿をフライツさまと二人で見つめます。
「……次はないって言われてなかったっけ?」
「毎回な」
「……」
「お前だって、それ見越して俺んとこ来たんだろ?」
「まぁね」
「と、出てきた」
二人が食い入るように画面を見ています。
ワタクシも見た方が良いのでしょうか?
少し腰を浮かしたところで二人がワタクシを見ていることに気づきました。
「「まじか……」」
パソコンの画面には黒地に金糸で書かれたような神々しい文字が並んでいました。
竜王崎グループ。
世界各地に支店をもち、経済を回している大企業の一つ。
その華々しい経歴や実績などが細やかに書かれています。
そして画面が切り替わり、その影の支配者として まことしやかに噂されている龍巻家の屋敷が写し出されました。
竜、龍、と その名が刻まれているには訳があり、遠い昔 先祖が龍を倒し配下に置いたことからだと記されています。
その恩恵は本家の長子に色濃く出、たぐいまれなる能力を発揮するとの噂も。
「が、しょせん噂は噂。どこまでホントで どこまで……」
「ほぼホントなんじゃない?」
「おいおい。いつも竜が出てきてる時点で作り話でしょ?て言ってる お前が どうしたんだよ」
フライツ様の言葉に苦笑する妙齢のフライツ様。
「まぁ色々思い当たることがあったからね」
「ふぅん」
「で、なにか分かったの?」
「そのチビと関係あるか分からんが、その龍巻家で今日 後継者が決まるらしい」
「「え!?」」
思わずワタクシも声を出してしまいました。
「後継者が決まるって おかしくね?代々長子に決まるんでしょ?」
「それは家督の話だ。今日決まるのは龍巻家 当主」
「違いがよく分からないけど、ようは話し合いで子供を放っといたら迷子が一匹出たってことだね」
「迷子ではありませんわ!!ワタクシは本当に!!」
「分かってるよ。元服の義に参加してたんでしょ?」
え!?
「子供に試練を与えて素質を問う、みたいな行事が毎年ひらかれてるね。たぶん、その時に何かトラブルがあったんじゃないかな?現に何年か前にも誘拐事件が その時に起きてる」
「そうなの?」
「ああ。まぁしかし、でもビックリだな。あの龍巻の人間に こんな のっぺりした顔が生まれるなんてな」
ニヤッと笑ってワタクシを見る。
むっ。
「これはこれで愛嬌があって可愛らしいのですわ!!」
「……自分で言う?」
フライツ様が呆れたように おっしゃいました。
「さて、身元も分かったし、お嬢様を送っていきますかな」
妙齢のフライツ様が立ち上がる。
「え?修斗が行くの!?」
フライツ様が初めて大きな声を出されました。
「こんな面白いこと、人に任せられるかよ」
妙齢のフライツ様こと修斗さまが それはそれは黒い笑顔をされました。
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