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幼児期
環、思慕する。
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「今日は あんま寒くなくて良かったなぁ」
「そうね。去年は死ぬかと思ったわ……」
凛子が遠い目をする。
どうやら、森へ捨て置かれた時のことを思い出しているようだ。
「もうすぐ公園だよ~」
悠子が駆け出す。
「あっ!待ってよ~!!」
その後を幹太が追いかける。
ちっさい頃の俺たちみたいだな……。
そんな風に思いながら少し後ろを歩く凛子を盗み見る。
凛子は今年から参加する遥の手を引いて歩いている。
黒く艶やかな髪を腰まで伸ばし、色白で日本人形のような姿は下手なアイドルなんて目じゃないくらいの美人だ。
体が弱く何年も療養していた従姉妹が親族の集まりに戻ってきたのは三年前。
一瞬で惚れた。
そんくらい凛子は綺麗だった。
今でも あの時の甘い衝撃は思い出すたびに胸を震わす。
ただ、環もバカではない。
二人の未来に先がないのは分かっていた。
だから淡い想いは、芽を出す前に摘んだ。
いとこ同士は結婚できるって聞いたことあったけど、この時代それは ありえない。
憧れの綺麗な お姉さん。
それで充分だ。
「とりあえずチビたちは中に入ってろ。ちょっと自販機 行ってくるから凛子、こいつら見といて」
「環、お金 持ってきたの?」
心底 驚いたように凛子が言う。
「そりゃ毎年 毎年おんなじ事やってりゃ悪知恵も つくだろ」
何年たっても無垢な凛子に苦笑しながら 滑り台の洞穴から出る。
自販機で温かいココアとカフェオレとレモンティを買って戻る。
「いいか?これは飲むために買ったんじゃないからな?ギリギリ冷めるまで飲んだらダメだぞ」
「「はぁぁい!!」」
洞穴の出入口に腰を降ろして、外の様子を伺う。
いったい何の試練か分からないが、子供だけで放り出された先でトラブルが起こる。
まぁたぶん、おばあさまが雇った劇団か何かだとは思うが……。
その時の対応の仕方で俺たちの何かを判断するみたいだと親から聞いた。
今年は必ず合格したい……いや、合格しなければ ならない。
この想いに終止符を打ちたい。
そっと盗み見ると凛子はチビ達の背中を擦っていた。
優しげな菩薩のような微笑み。
泣きそうに なりがら外に向き直る。
合格して来年は……。いや、来年から ここには二度と来ない。
現に合格してから来てない従兄弟がいる。
あれだけ団結力が強い親族間で それが できるのが驚きだったが、成人の義の一種なのか大人として扱われ それが許されるように なるのだ。
必ず……合格するんだ……。
俺はチクリと痛む胸を抱えながら、二度と会わなくなる従姉妹の綺麗な横顔を盗み見ていた……。
「そうね。去年は死ぬかと思ったわ……」
凛子が遠い目をする。
どうやら、森へ捨て置かれた時のことを思い出しているようだ。
「もうすぐ公園だよ~」
悠子が駆け出す。
「あっ!待ってよ~!!」
その後を幹太が追いかける。
ちっさい頃の俺たちみたいだな……。
そんな風に思いながら少し後ろを歩く凛子を盗み見る。
凛子は今年から参加する遥の手を引いて歩いている。
黒く艶やかな髪を腰まで伸ばし、色白で日本人形のような姿は下手なアイドルなんて目じゃないくらいの美人だ。
体が弱く何年も療養していた従姉妹が親族の集まりに戻ってきたのは三年前。
一瞬で惚れた。
そんくらい凛子は綺麗だった。
今でも あの時の甘い衝撃は思い出すたびに胸を震わす。
ただ、環もバカではない。
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だから淡い想いは、芽を出す前に摘んだ。
いとこ同士は結婚できるって聞いたことあったけど、この時代それは ありえない。
憧れの綺麗な お姉さん。
それで充分だ。
「とりあえずチビたちは中に入ってろ。ちょっと自販機 行ってくるから凛子、こいつら見といて」
「環、お金 持ってきたの?」
心底 驚いたように凛子が言う。
「そりゃ毎年 毎年おんなじ事やってりゃ悪知恵も つくだろ」
何年たっても無垢な凛子に苦笑しながら 滑り台の洞穴から出る。
自販機で温かいココアとカフェオレとレモンティを買って戻る。
「いいか?これは飲むために買ったんじゃないからな?ギリギリ冷めるまで飲んだらダメだぞ」
「「はぁぁい!!」」
洞穴の出入口に腰を降ろして、外の様子を伺う。
いったい何の試練か分からないが、子供だけで放り出された先でトラブルが起こる。
まぁたぶん、おばあさまが雇った劇団か何かだとは思うが……。
その時の対応の仕方で俺たちの何かを判断するみたいだと親から聞いた。
今年は必ず合格したい……いや、合格しなければ ならない。
この想いに終止符を打ちたい。
そっと盗み見ると凛子はチビ達の背中を擦っていた。
優しげな菩薩のような微笑み。
泣きそうに なりがら外に向き直る。
合格して来年は……。いや、来年から ここには二度と来ない。
現に合格してから来てない従兄弟がいる。
あれだけ団結力が強い親族間で それが できるのが驚きだったが、成人の義の一種なのか大人として扱われ それが許されるように なるのだ。
必ず……合格するんだ……。
俺はチクリと痛む胸を抱えながら、二度と会わなくなる従姉妹の綺麗な横顔を盗み見ていた……。
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