悪役令嬢が転生してきました

冷暖房完備

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幼児期

幹太、発見する。

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大人って変な生き物だなって思う。
どっかのテレビみたいに ぼくたちの周りを隠しカメラを持った大人たちが不自然に行ったり来たりするのも毎年のこと。
去年、ピースサインを送ったら屋敷に帰ってすぐママに怒られた。
そ~ゆ~ことは してはいけません!!て。
じゃあなんで毎年 毎年こんなことをしてるの?って聞いたら なんにも教えてくれなかった。
でもパパの話だとパパも子供の時に同じことしたんだって。
テストだって言ってた。
このテストに合格しないとパパの会社は継げないらしい。
 
ぼく別にパパの会社いらないんだけどなぁ。
いっつも忙しい忙しいって家に帰れないんだもん。
ぼくは、ぼくのお嫁さんや子供が寂しくないように あんまり忙しくない仕事をするんだぁぁ。
 
そんなことを思いながらチラリと環を見る。
環お兄ちゃんは今年は絶対 合格する!!て言ってたけど、周りが見えてないのが残念ポイントだよね。
あんな あからさまに自販機に行ったらダメなんだよ。
四年前に裕介お兄ちゃんが同じことして合格できなかったの忘れちゃったのかな?
なんのためにケーケンを積んでるのか分かってないみたいだから合格できるか心配になるよ……。
 
「幹太さま」
つんつんと はるちゃんが ぼくの袖を引っ張る。
「どうしたの?」
「見知らぬ者たちが付いてくるのですが大丈夫なのでしょうか?」
「…………」

ぼくだってビデオ隊に気づいたのは去年だというのに はるちゃんは幼稚園前で見つけてしまった。

「特に殺気のようなものは感じられないので危ないことはないと思いますが、どういたしましょう」
「……なんで ぼくに聞くの?」
「環さまに お伝えしようかと思ったのですが必要以上に騒がれても危ないですし、幹太さまが一番 落ち着いてらっしゃるので伺ってみたのです」
 
へぇぇ。
 
幼さの欠片もない口調に引っかかるものが あったけど、この状況で人を見る冷静さもあるとは驚く。
「……はるちゃんは、正おじちゃんの子供だったよね?」
「え?そうですけど?」
 
……ぼくとは又従兄弟の関係だな。
そのくらいの血なら、そんなに濃くはないな。
 
「あの人たちは、ぼくたちのことを守ってくれてる大人だから安心していいよ。でも気づかないふりをしてあげてね」
「なんでですの?」
「ぼくたちにバレちゃダメなお仕事なんだよ」
「わ、わかりましたわ」
よく分からないという顔をしながらも頷く。
それを じっと見つめる。
特に可愛いとか綺麗とかではない、普通の顔をした女の子。
おっとりした正おじちゃんの子供だけあって のんびりしていて、あの濃い親族たちの中では空気みたいな存在だった。
なのに、なんだろう。
この存在感は……。
 
背筋を伸ばし佇む様は、まるで高貴なお姫様のようだ。
 
そう思い付くと、ぼくの胸がドキドキと脈打つ。
おばあちゃまが言ってた。
「同じ目線でものを見、考えれる伴侶は、なにものにも変えがたい宝物なのです」と。






 
ぼくは見つけたかもしれない。
その宝物を……。
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