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監禁、暴力、薬漬け。
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ご飯を食べ終わって、煌翔くんはいなくなった。
僕は逃げる方法を考える。
「拘束具は外せないな···そうすると、どうしたら···?」
うーん、と頭をフル回転させた。
はっ、
「お風呂だ···!お風呂のときは全部ついてない···しかも、煌翔くんは外してから少しの間部屋にいない···!もしかしたら、逃げれるかも···」
あとはどんなに考えても逃げる方法が浮かばない。
少しの可能性にかけることにした。
でも、今は体が動かないし、どうしようもない。
動くようになるまで、我慢する。
今は体力を温存したいから、寝るのが一番だ。
だけど、そろそろここからいなくなる。
今までのことを振り返ると、とても短いようにも、長いようにも思えた。優しかった煌翔くん、ときどき意地悪をしてきたりもしたけど、ご飯も美味しかった。
毎日僕と話してくれて、寝てくれて、愛情をたっぷり注いでくれて。
でも、もう煌翔くんはおかしくなってしまった。
今までのことを思い返すと、涙が止まらない。
そういえば、今日のご飯は、いつもより甘くなかったな。
そんなことが頭に浮かんだ途端、僕は強烈な睡魔に襲われ、目を閉じた。
·········夢を見る。
この人は誰だろう。
お母さんやお父さんから、罵声や暴力を振るわれている。
「ごめんなさいっ、ごめんなさいぃ···」
必死に謝っているのに、親はやめる素振りすら見せない。
面倒くさそうに見下ろす目は、とても冷たい。
助けてあげたいのに、僕は動けない。
親の顔はよく見えるのに、虐待を受けているその子の顔は霧がかかったように見えない。
しばらくして、ようやくその子は休む時間を与えられた。ひどく傷ついた身体は、痣だらけで、ところどころから血が滲んでいる。
「も······ん······う·········だ···」
捻り出すようにして喋っているその声はほとんどが聞こえない。
僕は集中してその声を聞こうとする。
「もう死んだほうが楽だ···。」
目が覚める。
目からはなぜか涙が溢れ出ていた。
「大翔···?なんで泣いてるの···?」
いつの間にか煌翔くんも部屋にいた。
「変な夢見ちゃって···大丈夫···」
「そう···」
そうだ、それどころじゃない。僕は逃げないとまた酷いことをされるんだ。
今しかない。
「あ···煌翔くん、お風呂入りたい···」
「ん···いいよ···ちょっと待って···」
だんだんと拘束具を外されていき、僕は動けるようになった。煌翔くんはそのまま部屋を後にする。
「よし···今だ···」
見つけていた窓から外に出る。薄暗くて、少し寒い。
ばいばい、煌翔くん。
僕は逃げる方法を考える。
「拘束具は外せないな···そうすると、どうしたら···?」
うーん、と頭をフル回転させた。
はっ、
「お風呂だ···!お風呂のときは全部ついてない···しかも、煌翔くんは外してから少しの間部屋にいない···!もしかしたら、逃げれるかも···」
あとはどんなに考えても逃げる方法が浮かばない。
少しの可能性にかけることにした。
でも、今は体が動かないし、どうしようもない。
動くようになるまで、我慢する。
今は体力を温存したいから、寝るのが一番だ。
だけど、そろそろここからいなくなる。
今までのことを振り返ると、とても短いようにも、長いようにも思えた。優しかった煌翔くん、ときどき意地悪をしてきたりもしたけど、ご飯も美味しかった。
毎日僕と話してくれて、寝てくれて、愛情をたっぷり注いでくれて。
でも、もう煌翔くんはおかしくなってしまった。
今までのことを思い返すと、涙が止まらない。
そういえば、今日のご飯は、いつもより甘くなかったな。
そんなことが頭に浮かんだ途端、僕は強烈な睡魔に襲われ、目を閉じた。
·········夢を見る。
この人は誰だろう。
お母さんやお父さんから、罵声や暴力を振るわれている。
「ごめんなさいっ、ごめんなさいぃ···」
必死に謝っているのに、親はやめる素振りすら見せない。
面倒くさそうに見下ろす目は、とても冷たい。
助けてあげたいのに、僕は動けない。
親の顔はよく見えるのに、虐待を受けているその子の顔は霧がかかったように見えない。
しばらくして、ようやくその子は休む時間を与えられた。ひどく傷ついた身体は、痣だらけで、ところどころから血が滲んでいる。
「も······ん······う·········だ···」
捻り出すようにして喋っているその声はほとんどが聞こえない。
僕は集中してその声を聞こうとする。
「もう死んだほうが楽だ···。」
目が覚める。
目からはなぜか涙が溢れ出ていた。
「大翔···?なんで泣いてるの···?」
いつの間にか煌翔くんも部屋にいた。
「変な夢見ちゃって···大丈夫···」
「そう···」
そうだ、それどころじゃない。僕は逃げないとまた酷いことをされるんだ。
今しかない。
「あ···煌翔くん、お風呂入りたい···」
「ん···いいよ···ちょっと待って···」
だんだんと拘束具を外されていき、僕は動けるようになった。煌翔くんはそのまま部屋を後にする。
「よし···今だ···」
見つけていた窓から外に出る。薄暗くて、少し寒い。
ばいばい、煌翔くん。
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