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1章
21話 別れ。そして強くなる
しおりを挟む女神様から聞かされた真実は、正直いって、すぐに受け入れられるような内容じゃなかった。
でも、これは仕方ない。
だって、召喚魔法スキルのレベルが上がっていないのは、フェルとラーナに女神様が頼まれて意図的に上げなかったと言われたんだから。
何故、そんなことを二人が頼んだのか。俺は聞いた。
そしたら、女神様は、やっぱり言いずらそうに答えてくれた。
どうやら、フェルとラーナが俺との契約を解除して、女神様と一緒に旅をして自分を鍛えたいって願ってきたらしい。
その時点でフリーズするのが普通だ。もちろん俺はフリーズした。
だって俺は二人が俺の元から離れるのなんて賛成できないし、何より今は弱くても俺が守ってあげるからそれでいいじゃないかと思った。
でも、二人からすればそれは自分たちの存在を否定されることに繋がる。二人は、俺を守るために生まれてきて、俺を守ることが生きる意味だと女神様はいった。
それを聞かされても、俺は受け入れることなんてできなかった。
だから、俺は女神様にお願いした。
二人と直接話させてほしいと。
でも、結果はダメだった。
二人は、俺を守るために生まれてきたのに、俺に命を守られ、俺のことは守れなかった。
二人は、俺があそこで死んでしまったことで決意してしまったのだ。
俺を守るために強くなりたいと。
そう、女神様に願ったのだ。
そして、その願いは、奇跡的に近くにいた女神様に届いてしまい、女神様は、二人の熱意に負けてそれを承諾してしまった。
そこまで聞いて、もう俺の思いではどうにもならないことがわかってしまった。そして、それと同時に納得もしてしまった。
あの二人だって、俺と同じで大切な存在を守りたくて、そしてそのために何をやってでも強くなりたいと願っているのだなと。わかってしまった。
だから、俺は女神様に、ひとつ伝言を託した。
『強くなってまた会おう。』
そう一言だけ残した。
二人からも『必ず戻ります。』と一言だけ伝言が俺に伝えられた。
それだけで充分。一言だけで伝わった。
だから、もう何も言わない。いつかまた必ず会えると信じて、お互い強くなる。生きてればいつかは絶対に会えるんだ。それまで少しだけのお別れだ。
悲しくないと言えば嘘になる。
寂しくないと言えば嘘になる。
でも、一生の別れではないから、きっと大丈夫。
「女神様。二人のこと、よろしくお願いします.......よろしくお願いします!!!」
俺は二人を強くすると言ってくれた女神様に祈るように懇願し、二人を女神様に託した。
「はい。女神アクテルの名に誓って、必ず強く育てあなたの元に返します。そして、これは最後のお詫び....というより世界の害悪を見つけてくれた報酬です。」
女神様は、そう言うのと同時に右手に真っ黒の魔石を出して、俺に手渡してくる。
「これは、先程あなたを殺した世界の害悪の魔石の欠片です。これを還元するだけでも、相当な力を得られることができます。願わくば、これを還元して自己を強化し、生きる力を身につけてくれることを祈ります。」
俺は、両手で黙って魔石を受け取る。
手に持っているだけで、その魔石が今まで見たゴブリンの魔石やオークの魔石とは比べ物にならない代物だということが感じられる。
はっきりいって、次元が違う。全くの別物だ。
「では、私があなたに伝えるべき言葉は全て伝えたので、私は天界に帰ります。この度は私たちの不手際によりご迷惑をお掛けして誠に申し訳まりませんでした。それでは、失礼致します。あなたに幸運が降り注ぎますように..........」
最後に女神様はそう言うと、神々しい光を纏ったまま、天井を突き抜けてそのまま消えていってしまった。
俺は、右手に残った魔石を見つめる。
「..............やるしかねえな。」
そう呟くと、俺は魔石還元ボックスの前に移動して、世界の害悪の魔石をセットし、ステータス強化を選択する。
「うっっっっっっっ!?」
一瞬、物凄い力が湧き上がってきたと感じた瞬間に、その力が全身に行き渡り、その一瞬にして己の身に浸透していったのが、何故か分かった。
ああ、間違いない。
俺は、先程とは、比べ物にならないほど強くなった。
スキルレベルが全てMAXになった時よりも明らかに上昇した。
フェル、ラーナ、悪いな。俺は先にもっともっと強くなっていくよ。だから、二人とも早く強くなって、必ず帰ってこいよ!
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本当に、ありがとうございます。
【これまでの主な実績】
アルファポリス ファンタジー部門 1位獲得
小説家になろう 異世界転移/転移ジャンル(日間) 5位獲得
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