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1章
32話 昨夜の行いは奇想天外
しおりを挟むダイニングルームに辿り着くと、べルート公爵夫妻と娘のエリシャさんは既に自分の席に座りながら、軽い談笑を行っていた。
俺が姿を現したのに気づくとそれぞれ挨拶をしてくる。
「おお、レイ。起きたか、おはよう!」
「レイ君、おはよう。」
「レイ様!!! おはようございます!!」
三者三様のテンションで、全員俺の呼び方が違う....特に何故エリシャさんは様付けなのかが非常に気になったが、今は考えないでおく。考えたら昨日何があったのかわかってしまいかねない。俺の精神力が耐えられないようなことが起こっていたら怖いからね。
「お、おはようございます、昨夜は色々とお世話していただいたみたいで本当にすいませんでした。それと、ありがとうございます。」
心の中の動揺を隠しきれず、思わず吃ってしまったが、昨日何があったかは分からないが、お世話になったことは絶対なのでお礼と謝罪を同時に行う。
「ハッハッハ。レイがあんなに酒に弱いとは思わなくてな。つい呑ませすぎてしまったわ。すまんな!」
「あなた、レイ君ではなくてもあれだけ大量に呑ませれば誰でも酔って潰れてしまいますわ。今後は気をつけてくださいね。」
「レイ様!! 昨日もらった指輪、一生大切しますわね!!!」
またも三者三様の違うテンション............ってえ? 何だよ昨日もらった指輪って? 俺エリシャさんに指輪なんて渡したのか?
てか、そもそも俺指輪なんて持ってなかったよな? どうやって指輪なんて出したんだよ?
俺の記憶にない行動がいきなり発覚して、混乱している間も会話は進んでいく。
「それにしても、昨日のあれは凄かったな!!」
「ええ、そうですね。いきなり銀のインゴットを出したと思ったら、その場でいきなり錬金術で美しい指輪を作って、更にはかなり希少そうな宝石を取り出したと思ったら指輪に装飾して、そしてそれをエリシャに渡すんですもの、今まで生きてきた中でも一番驚いたと言っても過言ではないわ。それにしても、エリシャだけ羨ましいわ..........。」
「.........................」
「はっ!!! い、いくらお母様と言えど、これは絶対にあげませんからね! 欲しいならお父様に頼んでください!!!」
「ふふっ、そんなに警戒しなくても、娘の大切なものを奪わないわ。それと、あなた? 待ってますわよ?」
「うぐっ..........そ、そうだ! レイが来たことだし早く食事を始めようじゃないか!」
「......................」
え? 今の実話? 三人の夢での出来事だよね? 実話なわけないよね?
うん、ありえないありえない。そんなことあるわけない。
.......いや、現実逃避したって無駄か。
ふっ、認めたくないものだな.....若さ故の.......過ちというものを......
って言ってる場合か!!!
何やってんだよ昨日の俺!!
キャルアさんの言う通りのことをしていると言うなら、確実に俺は昨日のうちにレベルアップを行って、酔った状態で知らず知らずのうちに勝手にスキルを取ったんだろう。
てか、ほとんど初対面の女の子に自作の指輪渡すとか、酒飲んだ俺どんだけ女の扱いに長けてんだよ! ギャルゲーでの経験酔っ払った状態で発揮してんじゃねえよ!!
あーーもー! 昨日の俺のバカ!!! あーもうやめだ。
考えたって意味無いって最初から分かってたじゃないか。
昨日の酔っ払った俺だって、俺なんだ。だったら昨日の俺の行いの責任は俺が持つものだろう。
もういい! 来いよ! なんでも来いよ!! 今の俺なら何でも受け止めてやるよ!!
バッチコーーーーイ!! ピッチャービビってるー!!!
「おっと、そうだ。忘れないうちにレイに言っておかないとな」
うそ!!! ほんとにまだあったの?? やめてーーー! もうやめてー!!!! レイのライフはもうゼロよっ!!
「昨日言っていたレイを商業ギルドに推薦してほしいという件なんだがな、指輪の件とかその他にも色々とレイのことをこの街にある商業ギルドのギルドマスターに朝のうちに伝えたら、すぐに連絡をくれてな。私の熱弁も相まって即了承してくれたぞ。後で通商手形を一緒に受け取りに行くから朝食が終わった後、準備をして部屋で待っていてくれな。あ、それと急で悪いんだが、商業ギルドのギルドマスターに見せるように1つ指輪を作っておいて貰えると助かる。まあ、無理そうならキャルアのを少しだけ借りるから無理はしないでくれよ?」
うん、もう意味がわからなすぎてキャパオーバーです。
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