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第一部 サークルポリス襲撃編
元転移転生魔術師、辟易する 後編
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「む、無理やり頷かせてきたのは教皇の方だろうが……!」
その矛先は、ルイスロールに向かって。
「この際言わせてもらう! 前から思っていたが、キサマ王に対する態度がなっておらんではないか、少しは敬ったらどうだ!」
王様が怒りをあらわにする。
ルイスロールも反論してきた。
「人聞きの悪い事、言わないでもらえますか? 聖地の管理が行き届くようになったら、王様の威光に繋がるんですよ? これは国のためでもあったんです!」
「ウソをつくな! 聖地の管理をそうやって外様にいい顔を向けておいて、実際は教団で独占するつもりだったんだろ! そうやって信者を得て私腹を肥やそうとしたんだ!」
「ちょ、ちょっと! 王様と教団の関係とか知らないけどケンカするのやめてくれない!? 被害者は私なんだけど!」
ルイスロールと王様が睨み合い、激しく口論していく。そこへミミティが止めようとするが、さらに激しくヒートアップしてしまう。
「何が被害者だ……調子に乗りおって。そもそも何でモンスターをけしかけ続ける必要があった。どれだけ近隣の村や町に被害が出たと思っておる!」
「人的被害は出てないでしょ! けど兵士はしょうがないじゃん! 戦わないとこっちが危ないし!」
「屁理屈を!」
「おやめなさい! デウディーン様の前で!」
「アンタこそ見栄はってくんな!」
「そうだそうだ!」
「王様は黙って下さい!」
「ワシを敬わんか!」
「うっさいわバカ共!」
「何ですって!」
「……………………」
三人がお互いを罵倒し、罵り合っていく。
もはや収集がつかない状況じゃ。ここはワシが止めねばならんのじゃろうが……。
「あー、お主ら……」
「こうなったら、デウディーン様に決めてもらおうよ!」
「はぁ!?」
ワシが声をかけ、この場を収めようとした時じゃった。
ミミティのヤツ、とんでもない事を抜かしてきおったのだ。
「いや、ちょ、お主……」
「だってデウディーン様だよ? この中で一番偉いんでしょ? だったらこの中で誰の主張が一番正しいかはっきりさせてもらおうよ!」
「いやちょっと待て、何勝手な事を……」
「同感です。デウディーン様のお言葉でしたら私たち心から納得できるでしょう」
「そうだな。偉大な方にまとめてもらうのがいい」
何と、ミミティの提案にルイスロールと王様まで乗っかってきおった。
何なんじゃこの流れは……。これ、ただの責任転嫁ではないか。ワシに全て決めさせて己の責任を有耶無耶にしようとしてないか……?
「デウディーン様、お聞き下さい」
ワシの同意を得ようとせず、ルイスロールから切り込んできた。
続いて王様、ミミティまでワシに選ばせようとする。
「我ら教団は千年、偉大なるデウディーン様のため崇拝し続けてきました。であれば、我が主張の正しさを理解していただけますよね……?」
「お、おお……?」
「デウディーン様! 我が国は千年、竜人族と交流を続けてまいりました! トラブルこそ起きましたが、友好関係を続けた我らの主張を認めていただけませんか……!」
「え、えーと……」
「そんな二人より私ですよね!? ご先祖様の孫だし! デウディーン様の歴史にある意味関わってるし! こんな自分勝手な二人より私を選んでくれますよね!」
「ちょ、ちょっ……」
三人が一斉にワシに迫ってきた。ワシの戸惑いに構う事なく。
そして、三人が声を合わせて張り上げてきた。
「「「デウディーン様! どうぞご采配を!」」」
三人が息を合わせてきた。
ワシは思わず驚いてしまう。
そして――
「――何でやねん!!!」
勢いで叫んでしまうのじゃった。
************************
【サージャ】≪『第二十三話をお読みいただき、ありがとうございます』
【サージャ】≪『マスター、とうキレてしまいましたね』
【サージャ】≪『ルイスロールも、王様も、ミミティも皆身勝手な自己主張ばかり繰り返し、決着をマスターに委ねようとし、誰も疑問に思う者がいなかったのですから、無理もないのかもしれません』
【サージャ】≪『マスターの一喝によって、彼らは心を改めてくれるのでしょうか』
【サージャ】≪『ちなみにマスターのあの一喝、田中たかしから初めて怒鳴られた時に聞いた言葉でした』
【サージャ】≪『この世界に無い訛りが面白かったのか、唖然とする田中たかしをよそに一晩中笑い転げていたそうです』
【サージャ】≪『決めゼリフとは別に、いつか自分がそうであったように、誰かの空気を和ませるために使いたかったとの事』
【サージャ】≪『それでは、次回をお楽しみに』
その矛先は、ルイスロールに向かって。
「この際言わせてもらう! 前から思っていたが、キサマ王に対する態度がなっておらんではないか、少しは敬ったらどうだ!」
王様が怒りをあらわにする。
ルイスロールも反論してきた。
「人聞きの悪い事、言わないでもらえますか? 聖地の管理が行き届くようになったら、王様の威光に繋がるんですよ? これは国のためでもあったんです!」
「ウソをつくな! 聖地の管理をそうやって外様にいい顔を向けておいて、実際は教団で独占するつもりだったんだろ! そうやって信者を得て私腹を肥やそうとしたんだ!」
「ちょ、ちょっと! 王様と教団の関係とか知らないけどケンカするのやめてくれない!? 被害者は私なんだけど!」
ルイスロールと王様が睨み合い、激しく口論していく。そこへミミティが止めようとするが、さらに激しくヒートアップしてしまう。
「何が被害者だ……調子に乗りおって。そもそも何でモンスターをけしかけ続ける必要があった。どれだけ近隣の村や町に被害が出たと思っておる!」
「人的被害は出てないでしょ! けど兵士はしょうがないじゃん! 戦わないとこっちが危ないし!」
「屁理屈を!」
「おやめなさい! デウディーン様の前で!」
「アンタこそ見栄はってくんな!」
「そうだそうだ!」
「王様は黙って下さい!」
「ワシを敬わんか!」
「うっさいわバカ共!」
「何ですって!」
「……………………」
三人がお互いを罵倒し、罵り合っていく。
もはや収集がつかない状況じゃ。ここはワシが止めねばならんのじゃろうが……。
「あー、お主ら……」
「こうなったら、デウディーン様に決めてもらおうよ!」
「はぁ!?」
ワシが声をかけ、この場を収めようとした時じゃった。
ミミティのヤツ、とんでもない事を抜かしてきおったのだ。
「いや、ちょ、お主……」
「だってデウディーン様だよ? この中で一番偉いんでしょ? だったらこの中で誰の主張が一番正しいかはっきりさせてもらおうよ!」
「いやちょっと待て、何勝手な事を……」
「同感です。デウディーン様のお言葉でしたら私たち心から納得できるでしょう」
「そうだな。偉大な方にまとめてもらうのがいい」
何と、ミミティの提案にルイスロールと王様まで乗っかってきおった。
何なんじゃこの流れは……。これ、ただの責任転嫁ではないか。ワシに全て決めさせて己の責任を有耶無耶にしようとしてないか……?
「デウディーン様、お聞き下さい」
ワシの同意を得ようとせず、ルイスロールから切り込んできた。
続いて王様、ミミティまでワシに選ばせようとする。
「我ら教団は千年、偉大なるデウディーン様のため崇拝し続けてきました。であれば、我が主張の正しさを理解していただけますよね……?」
「お、おお……?」
「デウディーン様! 我が国は千年、竜人族と交流を続けてまいりました! トラブルこそ起きましたが、友好関係を続けた我らの主張を認めていただけませんか……!」
「え、えーと……」
「そんな二人より私ですよね!? ご先祖様の孫だし! デウディーン様の歴史にある意味関わってるし! こんな自分勝手な二人より私を選んでくれますよね!」
「ちょ、ちょっ……」
三人が一斉にワシに迫ってきた。ワシの戸惑いに構う事なく。
そして、三人が声を合わせて張り上げてきた。
「「「デウディーン様! どうぞご采配を!」」」
三人が息を合わせてきた。
ワシは思わず驚いてしまう。
そして――
「――何でやねん!!!」
勢いで叫んでしまうのじゃった。
************************
【サージャ】≪『第二十三話をお読みいただき、ありがとうございます』
【サージャ】≪『マスター、とうキレてしまいましたね』
【サージャ】≪『ルイスロールも、王様も、ミミティも皆身勝手な自己主張ばかり繰り返し、決着をマスターに委ねようとし、誰も疑問に思う者がいなかったのですから、無理もないのかもしれません』
【サージャ】≪『マスターの一喝によって、彼らは心を改めてくれるのでしょうか』
【サージャ】≪『ちなみにマスターのあの一喝、田中たかしから初めて怒鳴られた時に聞いた言葉でした』
【サージャ】≪『この世界に無い訛りが面白かったのか、唖然とする田中たかしをよそに一晩中笑い転げていたそうです』
【サージャ】≪『決めゼリフとは別に、いつか自分がそうであったように、誰かの空気を和ませるために使いたかったとの事』
【サージャ】≪『それでは、次回をお楽しみに』
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