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修羅場の舞台裏(レオン視点)

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 なにやら騒がしいな…どうしたんだろう?これはサラの声?何かあったのかも!?とにかく声のするほうに行こう。
 するとそこにはサラとオブライエン侯爵家のなんだっけ…キースとかいうのがいたんだ。

 ああああ!?

 サラとキースが手を繋いでる!?な、なんで!?

 まさかサラはキースの事が!?でもサラは僕の事好きなはずじゃ…
 あれ?そう言えばサラって僕の事好きなのかな?よく考えるとはっきりした事言われたことないような?
 もしかしてボクの一方的な片思い!?
 そ、そんなはずは…


「このような事をされては困ります。」

 って、そんな事悩んでる場合じゃなかった。どうやらサラは嫌がっているみたい。

「ん?何が困るのだ?サラ嬢は変わっているな。他の女はむしろ俺の事誘ってくるのに…」

 む…他の女の子がいるのにサラにまで付きまとっているのか。

「他のご令嬢なんかと同じだと思っている方とはお付き合いできません。私を特別に扱ってくれる方じゃないと。」

 そうだそうだ!サラはボクにとって特別なんだ。誰でもいいあいつなんかとは違うんだ。

「そ、そうか…た、確かにそうかもしれないな。将来の結婚相手は今から探せと親から言われていたがなるほど。俺の相手としてふさわしい特別な女を捜さなければいけないから今から探さなければいけなかったのか。ふむふむ。身分や顔だけの女ではない特別な女を…ではなおさら俺の女にはサラ嬢がふさわしいってことではないか!よし、今日は誕生日パーティーをと思っていたが俺とサラの婚約パーティーに変えよう!」

 な!?婚約!?大変だ!サラがあいつに取られちゃうどうしよどうしよ話の方向を変えなきゃ!
 でもどうしよ!どうすれば…

 そう思い気がつくと僕は横にあったつぼを


 ガチャン!!



 割ってしまっていた。

 あわわわわ…

 気を引こうとしてついやっちゃったけど…これあとですごい怒られるよね?師匠に怒られる…どうしよ…
 いやそれよりもサラを助けないと…

「それくらいにしてもらえませんか。オブライエン侯爵家のご子息殿…お嬢様がお困りです。」

 と、とにかく通りすがりの召使ってことにしておこう。召使ならこんなしゃべり方かな…

「ん?誰だ。君は…どこかで見たことあるが…」

 むぐ…あの女の子に変装してた時の顔覚えられている!?

「あー…サラ嬢に気がある感じだったあのご令嬢…」

 うぅ…もうダメだ…あんな格好してるところ見られた相手にサラは渡さない!とか言っても説得力がない…

「…の兄君か…妹のライバルの邪魔をしたいわけだね。」

 あれ…いや確かに僕はイリスの兄だけどあの時の子はイリスじゃなくてボクであってボクは僕の兄じゃないしボクはボクであって…あれあれ?

「妹思いなのは良いが敵に回す相手は考えた方がいい。妹君を傷つけたりはしないが同じ男である君なら多少は…」



 そんな事よりも!



 いつまでサラの手を握っているんだ!!!!



 気がつくとボクは花瓶のかけらを拾いキースの腕めがけて投げていた。


 シュッ…



 …が、まったく見当違いの方向に飛んで行きキースの頬をかすめて


 サクッ

 後ろの壁にいた蜘蛛に刺さった。


 あわわわわ…


 どうしよ…と、と、りあえず最初から蜘蛛を狙っていた事にして誤魔化しておこう。

「申し訳ありません。オブライエン侯爵家のご子息殿。虫がいたもので。」
「あ…あ…えーと…まぁ男同士でもまずは話し合いからすべきだよね。うん。」

 キースがなんか言っているけどそんなのはどうでもいいや。
 それよりもついカッとなってやっちゃったけど全然思った方向に飛ばない…
 もしこれで間違ってサラに当たってしまっていたら…そう思うと気を失いそうになる。もう二度とこんな未熟な腕で危ない事はしないようにしないと。今以上に練習してどんな時でもサラを護れるようにならないと。
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