鏡の中へ···

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鏡の中へ····[3]

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空をよく見てみるのだ。····青白い顔でよく覚えておこう····。あらゆる光景は、わたしの記憶の中にある筈なのだ。                                                  ··············································································································································································································································································································································································································広場にある白い教会は、今はもう誰も知らないだろう。見覚えのある十字架を手にした神父····。暖かな午後の日射しの中で、自転車を走らせる子
供達や白人の
女達···
·。頭の良さそうな犬が········広場を走り回っている。広場の向こう側にサロンがあるので、わたしはそこで時間を潰す事にして足を運んだ。そこは薄暗いシックなバー兼レストランだった。                                                  ····いらっしゃいませ。                                                  気前の良さそうなウェイトレスが声を掛けたので、わたしはスコッチ·バーボンと料理(メキシコ風の春巻きのグラタンやら、帆立貝と野菜炒めやら、若鶏のグリルやら····)を注文した。                                                  ····かしこまりました。                                                  ウェイレスが、丁寧にそう返事を返す。シックで落ち着いた店内は、大勢の客で賑わっている。彼らの楽しげな笑顔は、さっきまでの暗闇の空間がまるで、嘘のように思えてしょうがなかった。わたしは、ジャケットの内ポケットから半ばくしゃくしゃになった煙草を取り出し、口に加え、火をつけた····。····そしてわたしは、彼らの語る声に耳を傾ける····。彼らの会話は、わたしを驚かせる。わたしの知らない過去····。わたしの知らない未来····。そして今、わたしは未来を読み取った!  驚くほど鮮やかな蜃気楼の街を行くと、····わたしは現実の向こう側の世界<何処とも知れぬ場所>へ迷い込むのだ····! 誰も知らない時の声に混じって、まるで彼らの声がわたしの耳元で囁くように聞こえるではないか!   そして、わたしは異界への扉を開くのであった····。                                                  おお、悲しき旅人よ····その道をゆくのだ!                                                                                                                                        おお、若き旅人よ····その道をゆくのだ!                                                                                                                                          ···················································································································································································································································································································································································································································································································································································································· 
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