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第一話 始まり。
しおりを挟む「ホントだよ!!ホントにおれ強いんだからね」
「はいはい、そのピンクのリングのせいで力が発揮できないんだったよな。じゃ、1万貰っとくぜ」
「え、だめ!!ーー返してよ!!」
まぁた、始まった
毎日毎日、よく飽きないわね
あたしは、湊崎 かおり
ピチピチの18歳、高校3年生。
「幸也!あんた、いい加減にしなさいよ!」
あたしは、幸也の手から1万を取り返す。
「女王様の登場か」
「うわん、ありがとう。かおりちゃん」
泣きそうな顔で、あたしにお礼を言ってくるのは、野亜池 真久。あたしの想い人だ。
マクは、美男子だ。
転校してきた時、あたしはあまりの非現実的な容姿に驚いたのを覚えてる。
透き通った真っ白な肌に、白い髪。毛先だけなぜか色んな色が混じってる。
マクはオッドアイ。あたしからみて、右がエメラルド、左が金色で。何故だか、金色の方は髪で隠しているけど。たまに見える黄金の瞳は本当に綺麗なの。
ここまでいったらもう分かると思うけど、マクはまるでマンガに出てくる天使みたいな、そんな容姿。この世のものとは、思えないほど。黙ってれば、綺麗なの。
まぁ、性格はさっきみたいな、未来から来たとか、訳わかんないことを言う厨二病みたいで、幸也にいつもからかわれてるけど。あたしは嫌いじゃない。むしろ、母性本能がくすぐられるって言うか
「つか、湊崎も大変だよなぁ。こんな厨二病なんかのお守りって」
「厨二病じゃないもん!」
マクが、幸也に反論する。
「おれ、未来政府からきてーー」
「はいはい。ミライセイフね。未来からきたとか痛すぎだろ、お前」
幸也が、マクの肩を強引に組んだ。
「そのリング、俺がぶち壊してやろうか?
力が使えるようになるんだったよな?」
「そうだよ!
ーーあ、でもおれの腕ごともぎとるなんてことしないでね…おれ、繊細だから」
マクがいい終わらないうちに、幸也がマクの腕を捻った。
「いだいいだいっっ!!」
「信じられるわけないだろ、そんなくだらねえ話」
「やめなさいよ!」
いつもの流れであたしがマクを庇う。
「マクももっとシャキッとしないさい。いつもいってるでしょ?」
これじゃあ、どっちが男か分からないわ。全く
マクはこんな調子でいつも幸也にからかわれてる。遅くなったけど、幸也はあたしの小学校からの幼なじみだ。松本 幸也ーー運動部で体格もよくて身長も高い。あたしが気の合う唯一の友達。マクが転校してくるまでは、ずっとつるんでた。
「マクくん」
気がつくと、マクの周りにクラスの中心的な女子が集まっていた。
「これ、いる?」
差し出したのは、アイドルのブロマイド。
ああ、言っとくけど男のね。
マクはアイドルが好きだ。本人曰く、キラキラしてるから、だそうだ。恋愛ではなく、憧れとして見ているらしい。
それをこの前、クラスの真ん中で話してから、やたらと女子が話しかけてくるようになった。
あたしのマクなのに。
ってか、マクも断りなさいよね、横にこんな美少女がいるんだから!
と、嬉しそうに受け取っているマクを、あたしはジロっと睨みつけた。
「おーおー、気狂いみたいなこと言ってても、モテるんだなぁ」
幸也が、一人になったあたしのところに、嫌味ったらしく話しかけてきた。
「やっぱ女は顔しか見てねえのかなぁ?」
「何か用?」
あたしが睨みつけると、幸也が愉快に笑いながら言った。
「怖いねぇ。
つか、いつもそばに居るから安心と思ってねえか?
うかうかしてると他の女に取られちまうぜ?」
「は?余計なお世話よ。てか、好きなんかじゃないし。あんな女々しいやつ」
あたしは、わざと強がって言ってみせる。幸也は、勘がいいから気付いてる。だからこそ、言いたくなかった。
ーーでも内心、はらはらしてた。
近いわよ!あの女
てか、横にくっつきすぎ!あたしでさえ、マクと腕組んだことないんだから!!
悪態をつきつつも、マクが笑って楽しそうにしてたから、少しはあたしも我慢した。
でも、どんどん近くなっていく女子の距離に、あたしは、とうとう我慢できなくなって、他の女にヘラヘラしてるマクへ突進していき、その腕を乱暴に引っ張った。
「うわぁっっ?!
え??何??!ーーかおりちゃん、いたい!!」
「うるさい!!いいから!!黙ってこっち来なさいよ」
「マクくん!」
他の女子が何か言っていたが、無視して、さっき女が掴んでた腕を強引に引っ張り、廊下に出る。
ああ!腹が立つ!!
いつも幸也から庇ってやってるのは誰だと思ってるのよ?!
「かおりちゃん…?」
あたしの態度になにか勘づいたのか、マクが恐る恐る後ろから尋ねる。
「もしかして、怒ってる?」
怒ってるわよ!!
バカなの?気づきなさいよ、それくらい
あたし以外の女に、ヘラヘラしちゃって!!
でも、あたしはそんなことをマクに言えるはずもなく
「別に!!」
あたしはマクの腕を、雑に空に投げ捨てた。
「怒ってないわ!!」
そう吐き捨てると、そのまま教室とは逆の方向へ、わざと足音を立てて進んでいった。
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