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続きと、思い出と〜の回想 檻
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離れたくない
頭ではそう鳴り響いていた。
だが━━━━━━━
裕介………の、ため?
裕介にそう言って、鼻で笑われたのを覚えている。
今考えても脳が怒りで染まった。
『違う。自分のためでしょ?ソラ』
微かに色っぽく言われる。
相変わらず綺麗な顔。
その表情は、歪んでいた。
そう。
自分を押し殺し、会社の言うことを聞いた。
自分のせいだと後で責められたくなくて、裕介に別れを切り出した。
そしてこの現状だ。
「ゆうすけ…」
絞り出すような声。
車が動いている。
黒いとはいえ、こんなに大きな車で気づかれないか…?
とも思った。
「なんで…連れ去りなんか…」
恐る恐る前に乗り出し、顔色をうかがいながら言う。
裕介の、水色の髪が横に傾く。
「強引な手をさせたのはソラだとは思わない?」
「…え?」
「俺も大人になった、ソラも。
だから離れていても、冷静に話し合いができると思った。
けど……」
ミラー越しに視線が合う。
ぼくは固まる。
「到底無理な話だったんだよね。
自分の気持ちに正面から向き合わない奴となんてさ」
軽く投げ捨てるように言う裕介。
ぼくは裕介を見た。
なにが始まるのか、不穏な空気が流れる。
前の黒い椅子を無意識に抱きしめた。
……
裕介ほどはない大きさの瞳を開ける。
近くにいたのは、裕介の寝顔だった。
車のまま寝て………
どんなに遠くに連れて行かれたのだろう?
自分の身体に絡みつき、前より少し大きくなった身体に、逃れようと腕を離させようとするも、時間の無駄に終わる。
裕介…わざとじゃないか?
起きている可能性を残す。
疑うような瞳で裕介の綺麗すぎる寝顔を見た。
目が、ゆっくり開く。
………
涙を流し求められたとき、一旦…許してやろうかと思った。
一緒にいる選択肢を、放棄したことを。
静かにほほえむゆうすけ。
嫌な予感はまだしている。
緊張状態の中、疲れた頭を一生懸命動かす。
再び頭を背もたれに置く裕介に、話しかける。
「…ゆう」
「ん…?」
「起きろ」
静かに言う。
抱きつかれ、裕介の上で起きた。
大きなとろけた目。
「家は……」
「入ったら監禁するけど」
寝起きの甘い声に、びびる。
こんなにいい声だったか…?と思った。
ふ、と笑う裕介。
その暗い空間の中でもイケメンなのがわかった。
「檻にでも入れようか」
逃げようと無意識に動くソラ。
背中に巻きついた腕はグッと力を入れられ、逃げられない。
「ゆ、ゆう…」
目を白黒させるソラ。
辺りを見まわし、罠にかかった小動物を彷彿させた。
明らかに軽いパニックになっている。
「……ふ、冗談だよ。
閉じ込めるだけ、広い空間に。
だけど逃げようとしたら、どうなるかわかんない」
その「わかんない」に本当の軽さを感じ、頭にブレーキがかかる。
「久しぶりだね。車中泊なんて」
寝起きだからか、ずっと甘い声と雰囲気。
思い出してしまう。
身体に一気に熱を帯びた。
昔、車の中でヤったことがあるからだ。
頭ではそう鳴り響いていた。
だが━━━━━━━
裕介………の、ため?
裕介にそう言って、鼻で笑われたのを覚えている。
今考えても脳が怒りで染まった。
『違う。自分のためでしょ?ソラ』
微かに色っぽく言われる。
相変わらず綺麗な顔。
その表情は、歪んでいた。
そう。
自分を押し殺し、会社の言うことを聞いた。
自分のせいだと後で責められたくなくて、裕介に別れを切り出した。
そしてこの現状だ。
「ゆうすけ…」
絞り出すような声。
車が動いている。
黒いとはいえ、こんなに大きな車で気づかれないか…?
とも思った。
「なんで…連れ去りなんか…」
恐る恐る前に乗り出し、顔色をうかがいながら言う。
裕介の、水色の髪が横に傾く。
「強引な手をさせたのはソラだとは思わない?」
「…え?」
「俺も大人になった、ソラも。
だから離れていても、冷静に話し合いができると思った。
けど……」
ミラー越しに視線が合う。
ぼくは固まる。
「到底無理な話だったんだよね。
自分の気持ちに正面から向き合わない奴となんてさ」
軽く投げ捨てるように言う裕介。
ぼくは裕介を見た。
なにが始まるのか、不穏な空気が流れる。
前の黒い椅子を無意識に抱きしめた。
……
裕介ほどはない大きさの瞳を開ける。
近くにいたのは、裕介の寝顔だった。
車のまま寝て………
どんなに遠くに連れて行かれたのだろう?
自分の身体に絡みつき、前より少し大きくなった身体に、逃れようと腕を離させようとするも、時間の無駄に終わる。
裕介…わざとじゃないか?
起きている可能性を残す。
疑うような瞳で裕介の綺麗すぎる寝顔を見た。
目が、ゆっくり開く。
………
涙を流し求められたとき、一旦…許してやろうかと思った。
一緒にいる選択肢を、放棄したことを。
静かにほほえむゆうすけ。
嫌な予感はまだしている。
緊張状態の中、疲れた頭を一生懸命動かす。
再び頭を背もたれに置く裕介に、話しかける。
「…ゆう」
「ん…?」
「起きろ」
静かに言う。
抱きつかれ、裕介の上で起きた。
大きなとろけた目。
「家は……」
「入ったら監禁するけど」
寝起きの甘い声に、びびる。
こんなにいい声だったか…?と思った。
ふ、と笑う裕介。
その暗い空間の中でもイケメンなのがわかった。
「檻にでも入れようか」
逃げようと無意識に動くソラ。
背中に巻きついた腕はグッと力を入れられ、逃げられない。
「ゆ、ゆう…」
目を白黒させるソラ。
辺りを見まわし、罠にかかった小動物を彷彿させた。
明らかに軽いパニックになっている。
「……ふ、冗談だよ。
閉じ込めるだけ、広い空間に。
だけど逃げようとしたら、どうなるかわかんない」
その「わかんない」に本当の軽さを感じ、頭にブレーキがかかる。
「久しぶりだね。車中泊なんて」
寝起きだからか、ずっと甘い声と雰囲気。
思い出してしまう。
身体に一気に熱を帯びた。
昔、車の中でヤったことがあるからだ。
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