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さようなら日本
そして桜の木の下で
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桜満開、ついにその時はきた。
日が暮れたら俺達はこの世界から消える。
荷物のなくなった自分の部屋を見渡す。
この家はばあちゃんが亡くなる前から春斗の名義になっているらしい。
俺達がこの世界から消えても、有紀の大好きな場所が守られるように…
そんなに前から二人が動いていたことに、有紀は苦笑する。
「完全に退路をたたれてるじゃん、ばあちゃんズルいよ…」
天国の祖母に恨み言を言ってみる。
春斗にもちゃんと別れは告げた。
明日の朝出発だと思ってる春斗に、朝早いから見送りは要らないって伝えてある。
絶対起きるって言ってたけど…
明日の朝起きたら、春斗は何を思うんだろう。
「アラーム止めて二度寝かな…」
春斗が幸せに生きてくれたらそれでいい。
俺は俺の場所に帰るよ。
「そろそろ行こうか」
母と二人仏壇に手を合わせる。
ばあちゃん行ってくるね。
三人でとった写真もリュックにいれる。
DVDとスマホとパソコン、いつまで使えるかわからないけど持っていく事にした。
俺がこの世界で生きた証をあちらの世界の家族にも見せてあげたい。
桜の木の下に立つ。
不思議な事に不安はなかった。
あるべき場所に戻る、その時が来たのだと思った。
「行くよ」
母さんに言われて桜の木に手を触れる。
目を閉じたら光に包まれる気配がして、浮遊感を感じた。
さよなら、春斗…
日が暮れたら俺達はこの世界から消える。
荷物のなくなった自分の部屋を見渡す。
この家はばあちゃんが亡くなる前から春斗の名義になっているらしい。
俺達がこの世界から消えても、有紀の大好きな場所が守られるように…
そんなに前から二人が動いていたことに、有紀は苦笑する。
「完全に退路をたたれてるじゃん、ばあちゃんズルいよ…」
天国の祖母に恨み言を言ってみる。
春斗にもちゃんと別れは告げた。
明日の朝出発だと思ってる春斗に、朝早いから見送りは要らないって伝えてある。
絶対起きるって言ってたけど…
明日の朝起きたら、春斗は何を思うんだろう。
「アラーム止めて二度寝かな…」
春斗が幸せに生きてくれたらそれでいい。
俺は俺の場所に帰るよ。
「そろそろ行こうか」
母と二人仏壇に手を合わせる。
ばあちゃん行ってくるね。
三人でとった写真もリュックにいれる。
DVDとスマホとパソコン、いつまで使えるかわからないけど持っていく事にした。
俺がこの世界で生きた証をあちらの世界の家族にも見せてあげたい。
桜の木の下に立つ。
不思議な事に不安はなかった。
あるべき場所に戻る、その時が来たのだと思った。
「行くよ」
母さんに言われて桜の木に手を触れる。
目を閉じたら光に包まれる気配がして、浮遊感を感じた。
さよなら、春斗…
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