父親に会うために戻った異世界で、残念なイケメンたちと出会うお話【本編完結】

ぴろ

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始まりの予感

一夜明けて

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しっかり者のクラウスが二人を連れて帰ってくれたので昨夜は一人で爆睡。
朝起きたらトピアスが後片付けをしてくれてた。ありがとう…

「朝食を食べたら応接室に皆様がお集まりになります。まだ時間はありますから、ゆっくり準備で大丈夫ですよ」

良かった~昨日お風呂入ってないんだよ、寝る前に魔法で綺麗にはしたけど、やっぱりお風呂だよね。
BBQして爆睡して朝風呂って最高!

「お二人とも仲良くなれたみたいですね。カイ様とも少しはお話できましたか?」

「カイとはまだ殆ど話せてないけど、優しいのは分かった。ルーカスは油断ならないけどいい奴だと思う」

トピアス苦笑い。
ルーカスってチャラいけどそれだけじゃないんだよね、母さんが誉めるの分かる気がする。さりげない気遣いができるしモテるのも納得。

着替えて応接室に行ったら既に来ていた大人達が真剣に話し込んでた。
あれ?エーミル様もいる。
部屋の隅にはクラウスとカイがいた。

「おはよう、二人ともよく眠れた?」

「あぁぐっすりだ。楽しかったな」

「アキ、昨日はありがとう。楽しかった」

カイが喋った!え、楽しかったの?
すぐ無表情に戻ったけど、今ちょっと笑ってなかった?
思わず頬が緩む。

時間ギリギリにバタバタとルーカスが登場、期待を裏切らないな~

「カイ、ルーカス久しいな」

二人がエーミル様に騎士の礼をとる。
あれ?ルーカスがカッコいい…
今日はシンプルな白シャツだからホスト感ゼロ、完璧な騎士の所作に見惚れてしまった…

「楽にしなさい、今日は私的な集まりだ。二人はアキとは仲良くなったのか?」

「はいエーミル様、早速熱い夜を共にすごしました」

おぃルーカス…
エーミル様笑いすぎです。

「アキ、昨夜の事はクラウスから聞いているよ。二人は我が息子も同然、仲良くして欲しい」

「ルーカスは昼間限定で仲良くすることにします」

「アキ昼間でもできるよ」

ルーカス…耳元で囁くな…
エーミル様、笑ってないで助けて下さい。甥っ子貞操の危機ですよ…


「皆揃ったな、集まってくれ」

父さんの声かけでエーミル様を囲んで三か国の面々が集まる。
昨日のリラックスムードとは違う緊張感が漂っていた。

「皆に集まってもらったのは、アキの御披露目の前に情報共有をしておきたかったからだ。忙しい中の来訪、フォレスト王国を代表して礼を言う」

エーミル様挨拶で始まった話し合いは隣国シールズについて。

「今回シールズ側からは皇帝と皇太子が来る。二人揃っての来訪は初めての事、いくつか気になる事があるので、この場で確認をしたい。まずはケイから」

「シールズ国境沿いの浄化石の消耗スピードが上がっているという報告をうけてアハトと見てきました。瘴気が増えてるのは間違いなくて、シールズ側に行くほど濃くなっています」

母さん、いつのまに行ってたの?

「瘴気か…内部で何かが起こっているのは間違いないな。しかしシールズは浄化石も必要ないと言っていたのでは?」

「光属性が減っているのかも…兄上のところの第4王子に婚約の打診が来たわ。即お断りしたけどね」

レオ様とカミラ様の言葉を聞いたニーロ様の表情が曇る。

「シールズの第二皇子の母は私の一族で仲の良い友人でした…視察の名目でドラゴアに来た今の皇帝に無理やり連れ去られ側妃にされました…ドラゴアの皇帝陛下も私達一族も強く抗議しましたが、結局は二人を取り戻せなかった…彼女も光属性です」

辛そうなニーロ様をそっと抱き寄せるレオ様…辛いね…
シールズ、本当に最低だな。
何を考えてるかは知らんが、絶対に仲良くはなれないな…






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