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始まりの予感
またまた近衛騎士は見た
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王宮の大広間はパーティーの準備が着々と進んでいた。
我々近衛騎士団も、全員体制で警備にあたる。
今回はシールズも皇帝自ら参加するので王宮は厳戒体制だ。
「おい、アキ様だ」
同僚に囁かれて目線の先を辿れば、確かにアキ様が…
どうやら宰相様と当日の流れを確認しているらしい。
おや?後ろにいるのはドラゴアのカイ様…何故…
氷の貴公子と呼ばれるカイ様は魔道具の国ドラゴアの皇子だ。
眉目秀麗、完全無欠の完璧皇子でありながら決して笑顔を見せることがない。
革新的な魔道具を次々と開発し、その魔力量は父親のレオ様をも凌ぐと言われている。
「もしや婚約…」
やはりそうなのか…確かにこの世界で間違いなく一番の男だ。
幼き日のアキ様に求婚した男でもある。
「あの…明日の練習をしたいので扉を開けてもらってもいいですか?」
アキ様が…アキ様が…
もちろんです!扉何回だって開けちゃいます。
同僚と二人で大広間の扉に立つ。
「アキ、ここに手を添えて…」
え~~喋った!しかも呼び捨て!
アキ様添えちゃうの?
しかも何か囁いてるし、その優しい顔は何?氷どこいった?
あ、扉開けよう…
完璧なエスコートで入場する二人の背中を見ていると、誰かが目の前を通りすぎた。
確かにアキ様に見とれてはいたが、我々はフォレストの精鋭部隊だ。
気配に気がつかない訳はないのだが、目の前にいる人物を見て納得した。
サファの太陽、ルーカス様だ。
大陸一のモテ男であり俺達騎士の憧れの人…
派手な容姿と巧みな話術で世界中の男女を虜にするルーカス様、目があったら妊娠するなんて言ってるやつもいるが、軽口も甘い言葉も全ては計算だと我々は知っている。
幼き頃からアルト様の背中を追いかけ努力を続け、今やアルト様に匹敵する実力を持つ。
「アキ様、私と踊ってくださいませんか?」
流れるような所作でダンスに誘うルーカス様に顔を赤らめるアキ様…
普段は気さくで俺達とも普通に話してくれるけど、サファ王の甥っ子だもんな…間違いなく貴公子だ。
二人は親しげに言葉を交わし、アキ様の方からルーカス様に触れる場面も…
「これは…どっちだ?」
俺にもわからん、個人的にはルーカス様を応援したいが…
火花を散らす二人の男の間で、アキ様は笑顔で何かを話している。
「アキ様鈍くないか?」
確かに…どちらからも好意を寄せられている事に気がついてないかもしれない。
ルーカス様はともかく、カイ様のあの表情だぞ、普通は気付くよな。
「でもそんなところも愛らしいな」
確かに…仲良く三人で帰っていく後ろ姿を見送りながら、心の中でルーカス様にエールを送る。
明日はいよいよ御披露目…
アキ様、今日はゆっくりお休みくださいね。
我々近衛騎士団も、全員体制で警備にあたる。
今回はシールズも皇帝自ら参加するので王宮は厳戒体制だ。
「おい、アキ様だ」
同僚に囁かれて目線の先を辿れば、確かにアキ様が…
どうやら宰相様と当日の流れを確認しているらしい。
おや?後ろにいるのはドラゴアのカイ様…何故…
氷の貴公子と呼ばれるカイ様は魔道具の国ドラゴアの皇子だ。
眉目秀麗、完全無欠の完璧皇子でありながら決して笑顔を見せることがない。
革新的な魔道具を次々と開発し、その魔力量は父親のレオ様をも凌ぐと言われている。
「もしや婚約…」
やはりそうなのか…確かにこの世界で間違いなく一番の男だ。
幼き日のアキ様に求婚した男でもある。
「あの…明日の練習をしたいので扉を開けてもらってもいいですか?」
アキ様が…アキ様が…
もちろんです!扉何回だって開けちゃいます。
同僚と二人で大広間の扉に立つ。
「アキ、ここに手を添えて…」
え~~喋った!しかも呼び捨て!
アキ様添えちゃうの?
しかも何か囁いてるし、その優しい顔は何?氷どこいった?
あ、扉開けよう…
完璧なエスコートで入場する二人の背中を見ていると、誰かが目の前を通りすぎた。
確かにアキ様に見とれてはいたが、我々はフォレストの精鋭部隊だ。
気配に気がつかない訳はないのだが、目の前にいる人物を見て納得した。
サファの太陽、ルーカス様だ。
大陸一のモテ男であり俺達騎士の憧れの人…
派手な容姿と巧みな話術で世界中の男女を虜にするルーカス様、目があったら妊娠するなんて言ってるやつもいるが、軽口も甘い言葉も全ては計算だと我々は知っている。
幼き頃からアルト様の背中を追いかけ努力を続け、今やアルト様に匹敵する実力を持つ。
「アキ様、私と踊ってくださいませんか?」
流れるような所作でダンスに誘うルーカス様に顔を赤らめるアキ様…
普段は気さくで俺達とも普通に話してくれるけど、サファ王の甥っ子だもんな…間違いなく貴公子だ。
二人は親しげに言葉を交わし、アキ様の方からルーカス様に触れる場面も…
「これは…どっちだ?」
俺にもわからん、個人的にはルーカス様を応援したいが…
火花を散らす二人の男の間で、アキ様は笑顔で何かを話している。
「アキ様鈍くないか?」
確かに…どちらからも好意を寄せられている事に気がついてないかもしれない。
ルーカス様はともかく、カイ様のあの表情だぞ、普通は気付くよな。
「でもそんなところも愛らしいな」
確かに…仲良く三人で帰っていく後ろ姿を見送りながら、心の中でルーカス様にエールを送る。
明日はいよいよ御披露目…
アキ様、今日はゆっくりお休みくださいね。
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