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動きだす
はじまりました
しおりを挟む鐘の音が響いてエーミル様とヘルガ様、クラウスが壇上に現れる。
うわ~こちらもオーラが凄いね。
ヘルマンニの進行で式典が始まる。
「女神の庇護の元異世界に預けられた愛し子が我らに戻された事を皆で喜びたい。聖女ケイよアキをこちらへ…」
え、なんかまたカッコいい話になってる。
聖女様BL天国が嫌で女神様にワガママ言って逃げたんだよ。
そんな事を思いながら母さんと一緒に壇上へ、やっと招待客の皆様のお顔が見れる…
キョロキョロできないからね、サファの王様とシールズの二人見たかったんだよ。
あっレオ様だ…ニーロ様とお揃いの紺色の礼服…麗しい…あれ?カイは?
お隣のボルドー集団がサファ国だね。最前列にカミラ様に似た厳ついおじ様がいる。隣の王妃様(男)も厳ついな…ルーカスいた、やっぱり目立つ…
今真面目な顔してるからウィンクとか止めて。
そしてお隣青の集団…
えっ…何?えっ?ちょっと待って。
母さん狸親父って、確かに狸だけど思ってたんと違いすぎます。
俺壇上でフリーズ…
この世界はさ、基本イケメンパラダイスなんだよ。皆さん本当に整ったお顔立ちなの…
目の前の二人も多分そう…
なんで?素材の良さが台無しだよ!
ん?良く見ると後ろの青い服の皆様も二人程ではないけどメイクしてる。その青いアイシャドウは服に合わせてるの?色は合ってるけど分量が多すぎだよ特に前の二人!
え、何?メイク込みの正装なの?これがシールズ流?
皆気にならないの?
隣の母さんに聞きたい。
でもだめだ、今はみんなが見てる…
ん?なんか視線を感じる…
少しだけ目を伏せて見たその先には
騎士の正装を身に纏ったカイがいた。
鼻血でそうなくらいカッコいい、紺色の騎士服に金色の装飾だよ最高か…スマホがあれば写真とりたい。カイとルーカスで…
あれ、カイの手にあるの俺のスマホじゃない?あ、持ってきてくれたんだ。
もしかして写真撮ってくれてるからそんな端っこにいるのか?
そんな事を考えていたら歓声と拍手で会場は熱気に包まれていた。
壇上にはいつのまにかエリーナがいて二人は壇上で微笑み合っていた。
あれ?終わってない?
と思ったら終わってた…エーミル様ごめんなさい、聞いてなかった。
青い服の人のせいです。
カイが素敵すぎるのも悪い…
ごめんなさい。
エーミル様達、クラウス達に続いて舞台袖に退場する。
それにしても会場盛り上がってるな…
「母さん、シールズの二人!」
「凄かったね、私笑いこらえるのに必死でお義兄様の言葉が全然入ってこなかったんだけど…」
母さんも?エーミル様重ねてごめんなさい…
「聖女様もですか?私もです」
エリーナお前もか…
「シールズはどうしてああなったんだ?」
クラウスも知らんのかい…
「ケイ、シールズのあれはどういう事だ?昼食会で至近距離で見てしまったら笑わない自信がないのだが…」
エーミル様も!あの状態でちゃんと宣言できたのが凄い、やっぱり一国の王様は格が違うな…
謎の青メイク集団は気になるけど、我々はバルコニーに移動しなければ…
「アキ、フォレストの国民は皆君の帰りをずっと待っていたんだ。実感はないだろうが君は間違いなくフォレストの至宝なんだよ」
エーミル様に言われて扉が開く…
そこには庭を埋め尽くす大勢の人達が…
「フォレストの至宝が我らに戻された」
エーミル様の言葉に歓声が響き渡る。俺が前にでて手を振ると歓声は更に大きくなった。
「ここに入れなかった人も沢山いるわ…王都は今日から三日間お祭りよ」
ヘルガ様に言われ、目の前の人達の熱気を肌で感じて、俺は初めて母さんにこの世界の話を聞いた時を思い出す。
ばあちゃん、俺が生まれたこの世界はずっと待っててくれたみたい。
喜んでくれる人がいるって嬉しいね。
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皆様ありがとうございます😘
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