底辺から始まった俺の異世界冒険物語!

ちかっぱ雪比呂

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第3章

第20話

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第20話

 建物の中の床は大理石のような模様で、何一つ物を置いてないがとても広い。
 俺は少女を降ろそうと屈むと、少女は俺に引っ付いて離れてくれなかった。

「ねぇ、離れてくれないか?
話をするには近すぎる気がするんだけど」

【大丈夫、話はこの距離でも問題ない。
私の新しい主様】

んん?主様?何言って居るんだこの子は!

「何で俺がキミの主なんだ?」

【回答、眠っていた私を起こした】


起こした?全く心当たりがないが、どういう事だろうか。

「あのさ、この頭に響いてくる喋りはどうにかならないかな?
正直頭が痛くなってくるんだ」

「な、なあ、ミーツさん、さっきから何一人でブツブツ言って居るんだ?
 その抱き抱えている女の子と関係しているのか?」

「ああ、関係している。
 さっきからこの子が、俺の頭の中に声を響いて聞かせてくるんだ。
 しかも、何故か俺の事を主様と呼ぶんだ。
ガメニには聞こえないのか?」

「あぁ、聞こえない。ミーツさんの気がおかしくなったと思ったぜ」

【主様少し待って、声帯を確認する】

「ぁー、あ、あー、あーるーじーさーまー」

 頭に声が響いたと思ったら、声を出してきたが声が大きすぎて耳が痛い。
 抱っこしているから余計にキツイ。

「もう少し声を抑えてくれないか?
声が大き過ぎて耳が痛い」

「ぁー、ぁー、これくらいか?」

「今度は小さ過ぎるよ。俺とガメニが話すトーンの大きさでいいよ」

 そう言うと俺とガメニを見て観察しているみたいに黙ってしまった。

「えっと、ガメニ何か話せよ。
 この子が俺とお前の話し声の大きさを学ぶみたいだからさ」

「そ、そんな事を急に言われても、オレにどうしろって言うんだよ」

「理解した主様。この女と同じ声の大きさか、少し小さい声で話すのが、主様の好きな声の大きさだと理解した」

 少女は、この女って言ったが誰の事を言っているんだ?
俺とガメニと少女以外にも誰かいるのか?
 もしかしたら霊的なモノが見えるのか?そう考えると急に寒気がしてきた。

 ガメニを見るとガメニは何やら、複雑そうな顔をしているが、後で聞くとするか。

「で?何でゴーレムを斬るのを邪魔をした?
それに、何で俺がキミの主様なんだ?」

「回答、アレは私のガーディアンだからです。前の主様が私が眠っている間に守ってくれる様に与えてくれた物です」

「キミの前の主はどんな人だったんだ?」

「回答、前の主様は黒髪で魔力が強い。
1,000年前に、前の主様は世界のアチコチにダンジョンを作り、この地に置いた宝を私が認めた者に与えるまで眠るよう命じました」


 1,000年前ぇ?前の主はダンジョンを作ったってスキルか?
 眠っていたとしても、1,000年前って事はこの子はゴーレムみたいな存在なのか?
 それとも、眠っている間は本人の時間が止まったりする、タイムスリープとかいうやつか?

「でも、何で俺なんだ?
 俺以外に沢山の冒険者や兵士達が、このダンジョンに挑戦していただろ?
その中に認められる人は居なかったのか?
 それに1,000年前だと、キミの様な若い女の子はどうやって1,000年もの間その姿を維持できたんだ?そして、宝とはどんな物なんだ?」


「回答、一つずつ回答します。
沢山の人がダンジョンに挑戦した記録はありますが、認められる人間はいませんでした。

私は魔導人形ですので、1,000年経とうが1万年経とうが、今の姿を保つ事ができます。

 ただ、スリープモードにより人の言う所の睡眠に入っていました。

 今回目を覚ますキッカケとなったのは、二階層の特定の魔物討伐をされたからです。
 とある、条件の元で倒されたら私が目覚める様にと、前の主を越える魔力の持ち主が現れると予めプログラムされてました。

 ただ普通に倒すだけでは目覚めない様になっております。
 私を起こし、尚且つ宝に認められた者に付いて行けと、前の主様はおっしゃいました。
 宝は行って触れて宝に認められれば分かります。

 私が認めたと言っても、宝の場所に導く事しかできません。
宝に相応しくない実力ですと、宝に触れた途端仕掛けてあります仕掛けが作動して、電撃又は致死量の毒がフロア全体に広がります」


「え?宝を手に入れるのに実力がいるの?
しかも、その実力に見合わなかったら死ぬの?それだったら要らないよ。
宝ってダンジョンコアとかじゃないの?」

「回答、ダンジョンコアは、また別の場所に厳重に保管されています。
宝についた情報は私からは言えません」

「うーん、どうするかな。
電撃は耐えられるかもだけど、毒ガスは俺でもヤバイかもしれないしなぁ。
第一、宝を手にする事によって、ガメニも死ぬかもしれないし止めるかな」

「オ、オレの事は気にしなくていいぜ。
オレも宝がどんな物か気になるしよ」

「この女の事が気になるのでしたら、私がシールドを張って守りますが、如何でしょうか?」


 また、この女って言った。
 霊的な物が見えているんじゃなくて、この少女にはガメニが女に見えるのかも。
 どう見ても男なのに何言ってんだ?

「分かった。なら見るだけでも行くかな。
 行くにしても、ここからどうやって行くんだ?何処かに道があるのか?」

「回答、主様どちらがよろしいでしょうか?
直通で宝のある階層に向かうのと、地道に二階層から最下層に向かうのは」

「直通で行けるのは魅力的だけど、先ず最下層ってのは何階まであるんだ?」

「回答、最下層は十一階層ですが、十一階は隠し階層となります。
十階でダンジョンボスが出現します。
 そこで、条件に見合った倒し方をするか、私を連れて行くかをすると、最下層の隠し階層の十一階に辿り着きます」

「ガメニ、お前達が今現在の最高到達階層は六階だったな?」

「あ、ああ、そうだよ。このダンジョンってそんなにあったんだな。
 約半分じゃないか、オレも死ぬ迄ここにいるんだろうな」


「いや、死なせないさ。お前だけじゃなく今上で眠ってる冒険者達も、もう潜らなくて良いように、俺がダンジョンボスを倒す。

お前達が一生かかっても持って来れないくらいの黄金を俺が王に献上すれば、もう潜らなくていいんじゃないか?

まぁ、そこまでしなくても俺の特別なコネで出られる可能性があるけどな。

ってな訳だから最下層の直通は止めて、二階層から普通に向かうよ。
連れて行ってくれるか?
えーと、キミの名前は何て呼べば良い?」


「回答、了解しました。私の前の主は元々付けられた名前で呼んでくれてました。
その名前は、SKRB–NO,5でスカルブと呼ばれていました。主様が御所望でしたら黄金を出します」

「出せるのか?出せるなら普通に貰おうかな。でも、どちらにしてもダンジョンは堪能したいから二階層から普通に行きたいな。
名前は『ベサメムーチョ花子』はどうかな?
略してベサ子」

「主様がそれが良いと言うのでしたら、それで構いません。黄金については出せます。
宝に相応しくない者がこの階層に辿り着いた時の為の黄金で、私が此処を離れるとこの階層は消滅しますので、残されてる黄金も無くなります」


「ミーツさん、いくら何でも女の子にそれは可哀想だろ」

「そうか?良いと思ったんだけど、じゃあ呼び方については、また後で考えるとしようか、従来の通りのスカルブで呼ぶよ。
黄金に付いてだけど、この階層が消滅するなら貰うよ」

「了解しました。主様私を降ろして下さい」


 スカルブに言われるまま降ろすと、スカルブは床に手を付いて目を閉じて床にキスをした。すると、床全体に巨大な魔法陣が現れて魔法陣から様々な大きさが異なる黄金が出てきた。


「主様、出しましたが、これだけの物どうやって持ち出しますか?」

「それは問題ないよ。アイテムボックスって知ってる?俺はそれをI.Bって呼んでるんだけど、それにこれから入れる」

「回答、私の記憶領域にアイテムボックスとなるスキルは存在します。無限収納やインベントリといったスキルと同等か、それらの下位スキルだと記憶されております」

「まぁ、そんな所だ。
じゃあ、チャチャっと終わらせるか」


俺はI.Bに直接入る様に、掃除機を想像した魔法を使い、膨大な黄金をものの数秒で吸い取り終わらせた。
ガメニを見ると黙って呆然としている。

しまったな。ガメニはI.Bの存在は何となく感じていただろうけど、教えて無かったから目をまん丸にさせて、驚かせてしまった様だ。

しばらくは、気がつくまで放って置いて、二階層に戻るにはどうするかをスカルブに聞く事にした。
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