異世界召喚されて神様貴族生活

シロイイヌZ

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第五十二話

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 昨日は散々だった。
未希たちを此方の世界に連れて来るべきではなかったと思う。
あの三人に限ってこの秘密を他言するようなことは無いだろうが、色々と大きすぎるショックを与えてしまったように思えて、それを後悔しているんだ。

 そんな後悔の念を抱きながら、今日もキオトの街に向かう。
エリスたちの話では徒歩だと数時間以内で到着できそうな場所らしい。
そこから『系譜の神託』を受けた仲間やその家族と話をするなどして、屋敷に戻るのは早くても夕方になるだろうという話だった。
 今日も高機動車を出しているが、俺は運転をしていない。
今はミクにハンドルを握ってもらっているからだ。
「英樹様の魔法が凄すぎてあたしの存在意義が薄れて来てるから、あたしも運転できるようになりたいです」
朝食の席でミクがそんな志願をして来たので運転を教えることにした。
こういう向上心を持つことはとても大事だと思うから、それを尊重したい。
ただ、ミクの場合はお調子乗りの性格に一抹の不安を覚えるのもまた事実だ。
「自動車はとても便利で快適な道具だ。でも、使い方を間違えると人の命を簡単に奪うことが出来るとても危険な道具でもある」
銃と同様にとても危険な物であることをしっかりと説明した。
 転移した先で、まずはダメな運転の見本を示した。
わざとギリギリまで攻めた危険な運転をして高機動車を横転寸前までスピンさせたりだ。
それだけでも『これは危険だ』と認識を持ってくれたようだ。
念のため、高機動車にも能力を付与しておくことにした。
・物理攻撃無効
・魔法攻撃無効
・安全運転サポート←自動ブレーキや車線キープみたいなもの
・危険運転感知←危険運転をしたら俺に知らせが来る
・敵性反応自動感知←魔物や盗賊などの敵を感知して『撥ねる』等の攻撃モードに移行
基本的には日本における衝突回避支援機能のようなもんだ。
ただし、相手が敵だった場合は此方の安全を確保しつつ攻撃をすることも可能な、ワガママパッケージだ。
でも、こういう仕様にしてあることは三人には言わない。
人間だもの、そんな機能が有ることを知るとそれに甘えてしまうからな。
飽くまでも『全て自分の責任に於いて制御する』という認識で扱わないとダメだ。
 調子に乗るといけないから、運転を褒めることもしない。
実際、高機動車はオートマだし初めてにしては安定して走らせられていると思う。
あれだけ叱ったから。と言うわけでもないと思いたいが、ミクは思ったよりも慎重な性格なのかも知れない。
もう少し同行してやれば、運転に関しては安心して任せても大丈夫だろう。
並行してエリスとミク、新たに加わる仲間にも教えてあげないとな。
 午前中に運転の練習をしながら周辺を探索する。
現れた魔獣なんかを数体倒していると、エリスとミクの頭の上に緑のランプが光る。
「エリス LV:34 火器スキル45 運転スキル取得 運転スキル22」
エリスたちのレベルは30の大台に乗った。火器を使うようになってから目に見えてメキメキとレベルが上がっているな。
「ミク LV:32 火器スキル41 運転スキル取得 運転スキル30」
お、ミクの運転スキルが意外と高いな。これは見込みが有りそうだ。
ユキにも運転スキルが発生しているが、まだ20だ。運転時間が一番短いから仕方のないことだと思うから、今後に期待だな。
 キオトの街の外堀まで到着して、俺は屋敷に戻る。
エリスたちは教会に行って新しい仲間の居所を聞いてから迎えに行くらしい。
『系譜の神託を受けし者』の情報は教会が管理しているからだそうだ。
昨日襲われた旅人もキオトの街の住民、或いは立ち寄った可能性が高いと思われるので、同様に教会で情報収集をすると言っていた。
教会は役所的な役割も担っているようだな。
高機動車はまだ街中で乗らせるにはリスクが高いので、今日は俺が乗って帰る。
なので屋敷に転移魔法で送ってもらう。

 昨日と同じで三人にキスをして安全を祈り、見送る。
屋敷に入るとすぐにサナが駆け寄って来て、俺に抱き付く。
「おかえりなさいませ。お待ちしておりました」
「サナ、ただいま。会いたかったよ」
「私もすごくお会いしたかったです」
キスを交わした後、サナは俺の頬にそっと手を添えて顔をじっと見上げる。
「どうしたんだい?」
「お顔をよく見せてください…」
ん?何か付いているだろうか?今日は近接戦をしてないから返り血が顔に付着したりはしてないと思うんだが。
「はぁ…♡ いつ何度見ても凛々しくて素敵です…♡」
ウットリした顔でサナは呟く。
「そうかい?サナがそう言ってくれると嬉しいよ」
「私だけじゃないですよ?エリス姉さまたちだって、毎日言っておられます!」
サナのその謎の自信は、一体どこから湧いて来るんだろうか?
「そうかなぁ?俺はそんなにいい男じゃないと思うぞ?」
本心だ。自分で自分の顔に自信を持てるほどナルシストではない。
「いいえ。誰が何と言おうとダーリンは間違いなく、『いい男』です」
そう言ってエロくてディープな長いキスをしてくれた。

 ちょうど昼時なので、サナと昼ご飯を食べる。
今日のランチはサンドイッチだ。俺がリクエストしたんだ♪
先日はローストビーフのだったが、今日のサンドイッチはローストチキンだ。
「美味い!美味いよ!!サナ!」
あまりの美味しさにバクバク食べてしまう。
「お口に合って良かったです♡ たくさん作ったので、いっぱい食べてくださいね♡」
サナの料理は本当に天才的だ。こんなにも料理上手な人は他には母ちゃんしか知らない。

 「あぁ~…美味かった~」
作ってくれたサンドイッチを全て平らげて、ご満悦だ。
「そんなに喜んでいただけたら、作り甲斐がありますね♡」
食器を片付けながらサナが微笑む。俺も片づけを手伝う。
「ごゆっくりなさっていただいていて、大丈夫ですよ」
と言ってくれるが、作ってくれたことに敬意を払い、せめて片付けだけでも手伝うのは男として当然のことだと思うから手伝わせてもらう。
「ダーリンがご用意してくださった食洗機が有るので、とっても早いんですよ」
食洗機に食器を並べてスイッチを押すサナは嬉しそうだ。
「サナ、今日のお仕事の進み具合はどう?」
「それこそダーリンが洗濯機や掃除機をご用意くださったから、後はお買い物に行くのと御夕食の準備くらいです」
流石、早いなぁ。
サナは俺が午前中に討伐の手伝いや日本での用事を済ませている間に、掃除や洗濯などの仕事を済ませるように決めているらしい。
洗濯機などのおかげで早くなったとは言え、重労働であることは変わらない。本当に頭が下がる思いだ。
「サナ、洗濯や掃除以外に大変な仕事はなんだい?」
サナはそう問われて、少し考えている。
「基本的にどれも楽しんでますから、特に大変というのは…。でも、強いて言うなら、お風呂掃除でしょうか?」
そう言えばブラシで床を擦って流すと言ってたな。
部屋に戻って錬成用のネックレスを取り出すと、俺が自宅で使っている電動ブラシを錬成する。
昼ご飯を食べながらサナから
「ダーリンの世界には、他にどんな便利な道具が有るんですか?」
と聞かれて色々教えていたんだが、サナは特に電子レンジに興味を示していたから店で使っていたハイパワーな業務用電子レンジも錬成した。
他にも俺が欲しかったので、業務用魚焼きグリルとマイコン炊飯器も錬成しておいた。
「これが噂の電子レンジ…。温めや調理が瞬時に終わるという…」
電子レンジを撫で回しているサナも可愛いなぁ。
錬成した調理器具を試すのは今後の食事の準備中にするとして、電動ブラシだけは少しだけ試してみるとしよう。
 サナを伴って風呂場に行き、電動ブラシを実演した後サナにも試してもらった。
「え!?これスゴイです!お風呂掃除も短時間で終わらせられますよ!」
元々サナがキレイに磨いている風呂場なので汚れなんか見られなかったが、これでサナの負担が少しでも減らせられるのなら錬成した甲斐があるってもんだ。

 大喜びしているサナを抱き締めてキスをする。
「ダーリン…。本当に愛しいです…」
「俺もサナが愛しくて仕方がないよ」
「朝のうちにお仕事…たくさん頑張ったんですよ…?」
「うん。本当によく頑張ってくれたね」
「ご褒美に…抱いていただけますか…?」
その言葉にサナをお姫様だっこで抱き上げる。
「あん♡ 自分で歩けます…」
そう言うサナの唇をキスで塞ぐ。
「んン…♡ ちゅっ♡ んっ♡ んっ♡ くちゅ♡ ちゅっぱ♡ あぁん…♡」
「逃げられちゃ困るからね。このままベッドに連行する!」
「逃げたりしませんよ♡ やん♡ ダーリンったら…♡」
抱き上げたサナのお尻を撫で回しながら廊下をズンズン歩く。
「もう我慢できない。ベッドに入るなりガンガン突きまくってやるから覚悟しろ」
口調はふざけながら、気持ちとしてはそれ位やっちゃう勢いだ。
「いいですよ♡ いっぱい突きまくってください♡」
「もう止めてくれって言っても止めないからな!」
言いながら自室のドアを開けようとしたら、玄関前に馬車が止まる音がしてドアノッカーがゴンゴンと鳴らされた。
サナと二人、顔を見合わせる。
『この野郎…邪魔しやがって!どこのどいつだ!!』
そんなことを思いながらブチギレて玄関を開けるか、そのまま無視するか考える。
よぉし、そのまま無視だ。
無視を決め込んでサナをベッドに連れ込もうとした瞬間
「サナ!サナはいますか!?」
と、サナを呼ぶ声が外からする。女性の声だな。
サナと顔を見合わせると
「あの声は…王宮魔導士のセリカ様です」
驚いているサナを仕方なく床に下ろす。
「折角いっぱい愛し合えると思ったんですが…」
残念そうに呟いた後、外の人物に向かって
「はぁい!只いま参ります!」
と返事をした。
「ダーリンは応接室でお待ちになっていてください」
そう言い残して玄関に向かって歩いて行った。
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