煽りスキルMAXのメスガキ、異世界で無双するも時々敗北する件

第一章

23話 あ……受付嬢が来た

「ねぇねぇ、この国、もう終わりじゃね？ｗｗｗ」

私は王都の広場で、高らかに笑っていた。

騎士団を煽りで崩壊
騎士長セシルを精神操作で撃破
王子アルフォンスを「頭悪いんじゃね？ｗｗｗ」で自滅させる

──もはや、この王都に私を止められる者はいない。

「私、マジで最強じゃね？」

──だが。

「……おい、メスガキ」

カインが酒を飲みながら、ボソリと呟いた。

「ん？」

「……お前、終わったな」

「は？」

──そして。

「ふぅ……騒ぎが大きくなりすぎましたね。」

「……え？」

私は背後から響いた、聞き慣れた声に、全身が凍りついた。

冷静で淡々とした女性の声
どんな煽りも無効化する最強の存在
ギルドで私をボコボコにした唯一の女

「……久しぶりですね、メスガキさん？」

私はゆっくりと振り返る。

そこにいたのは──

黒縁メガネの知的な美女
ギルドの受付嬢にして、最強の転生者対策NPC
あの時、私をボコボコにした女

「──レイナ。」

「ふぅ……さて、王都をこんなに荒らした責任、取ってもらいますよ？」

──メスガキ、異世界転生後、最大の危機。

◇ レイナの圧倒的な存在感◇
「お、おおお……落ち着け、レイナ……！！」

私は後ずさりながら、笑顔を作る。

「そ、そんなに怒ることじゃないじゃん？ いや、まぁちょっと騒ぎは起こしたけど、最終的に平和になったし？ｗｗｗ」

「平和？」

レイナが静かに眼鏡をクイッと上げる。

「騎士団は崩壊、王子は気絶、王都は混乱、国は未曾有の危機──これが“平和”ですか？」

「……ぐぬぬ……」

ヤバい、この女には言い訳が通じねぇ。

しかも、煽りも通じない。

「……なぁ、カイン」

私は小声でカインに話しかける。

「あの女、マジでやばいんだけど。一緒に戦ってくれねぇ？」

「……は？」

「いやいや、お前なら勝てるかもしれないじゃん？」

「俺が勝てるわけねぇだろバカか。」

カインが即答した。

「俺の酔拳（スロー・ドランカー）が通じる相手じゃねぇんだよ。」

「えぇ……？」

「俺も昔、レイナに絡んだことがあるが……一発も当たらなかった。」

「……」

──え？ ちょっと待って？

カインでも、勝てない？

──詰んでね？

◇ レイナ、戦闘モード◇
「さて……」

レイナがゆっくりと手袋をはめる。

「そろそろ、“お仕置き”の時間ですね。」

「ちょおおおおお！！？？」

私は全力で逃げようとする。

──が。

──バシュッ！！！！

「は？」

──気づいた時には、レイナが目の前にいた。

「……うそ、はや……」

「あなたの動きをすべて予測して、先回りしました。」

「……」

「では、お仕置きの一撃目を──」

──ドゴォォォン！！！！

「ぎゃああああああああ！！！！！」

──メスガキ、異世界転生後、最大の一撃を喰らう。

◇ メスガキ、完全敗北◇
「がっ……がはっ……！！」

私は地面に転がる。

「おかしい……私……最強のはずなのに……」

「あなたが強いのではなく、あなたの相手が煽りに弱かっただけです。」

レイナが冷静に言い放つ。

「ですが──私には、煽りは一切通じません。」

「……くっ……！！」

「さて……どうします？」

レイナが手をかざす。

「観念して、処罰を受けるか、それとも──」

──その時。

「ねぇ～眼鏡女、あんたが観念するんだよｗ」