仕方なく開拓者になったけど、膨大な魔力のおかげで最高の村ができそう

Miiya

文字の大きさ
26 / 27

第26話 遠征は順調に?

しおりを挟む
エルたちが遠征に行っている間、ターグスたちドッグマンが拠点の維持を任されており普段ならミニスーちゃんたちが行う作業をドッグマンたちがメインでやっていた。

「しかし、こうも畑作業が大変とは思わなかったですね」

「ああ、だがこういうのも経験しておかないとな。どれだけすごいのかというのが身にしみてわかるものだからな」

もちろん体格の違いというのもある。ドッグマンたちはかなりガタイが良く、大きな武器を使うのにも長けてはいるものの畑に使う桑や鎌は小さいため扱いに苦労していた。

その点ミニスーちゃんたちは体が小さく触手を自在に使えるために作業がかなり手早く行える上鎌に関しては自身の触手で作物を器用に刈り取れるためミニスーちゃんが担当していた。

「遠征のほうはどうなっているんでしょうね」

「どうだろうな、遠征はなにしろ問題がつきものだからな。食料問題に魔物の強襲、野営の警備にその他もろもろ。まあ魔物に関しては心配はいらないだろうが何が起こるかわからない」

ターグス率いるドッグマンたちも何度か遠征の経験はあり、その時によく苦労をしたものらしい。

「俺たちはエルさんの無事を祈りながら村の維持にいそしむだけさ」

~~~~~~~~~~~~~~~~~

一方のエルたち遠征組は、

「しかしこんなに遠出するのは久しぶりかな。スーちゃんやハッピーと会った時以来かもな」

「ピー♪」

エルは拠点ができ始めたころからなるべく拠点から離れないようにしていた。エルはあくまで人間であるため魔力以外は基本的に弱い、そのためみんなに困らせないようにしていた。

ハッピーも狩に行くとき以外はあまり遠出はしていない。そのため未知の探検がとても楽しいようでいつも以上に笑顔である。

しかしほかの者たちはあたりを警戒しながら進んでいる。先遣隊がいるとは言えいつ襲われるのかはわからない。特にエレルたちエルフは陣形の先のほうにいるため一番襲われるのが早いためより一層警戒している。

「私たちが一番に敵と相対する。いくら中心部にスーちゃんさんがいるとは言え油断は禁物だ」

エレル中心に警備の統率はなされているためスーちゃん自身も安心してエルの警護をしている。また時折水筒を渡したりしてエルに献身的だった。

順調であった遠征だったが突然前方から1匹のミニスーちゃんがやってくる。すぐにスーちゃんのもとに駆け寄り「5分後に到着する場所にてオークの集団を見つけました。数はおおよそ30です。先遣隊は隠れながら様子を観察中です」と触手を使って報告する。

「どうするのスーちゃん?」

ミニスーちゃんの報告にスーちゃんは「大丈夫です、まずは移動を中止にして私とエレルさんたちエルフで現場に向かい奇襲をかけます。ですのでエル様はこの場で待機してください」と触手で伝えると、すぐにミニスーちゃんん場所を案内してもらいスーちゃんとエルフでオークの群れに向かった。

ハッピーは待機中のエルの護衛で残り、ほかのミニスーちゃんもエルの近くで警戒と護衛で残っている。

「オークたちか、みんな大丈夫だよな」

エルはスーちゃんたちを信じてただただ待つだけだった。
しおりを挟む
感想 17

あなたにおすすめの小説

【完結】物置小屋の魔法使いの娘~父の再婚相手と義妹に家を追い出され、婚約者には捨てられた。でも、私は……

buchi
恋愛
大公爵家の父が再婚して新しくやって来たのは、義母と義妹。当たり前のようにダーナの部屋を取り上げ、義妹のマチルダのものに。そして社交界への出入りを禁止し、館の隣の物置小屋に移動するよう命じた。ダーナは亡くなった母の血を受け継いで魔法が使えた。これまでは使う必要がなかった。だけど、汚い小屋に閉じ込められた時は、使用人がいるので自粛していた魔法力を存分に使った。魔法力のことは、母と母と同じ国から嫁いできた王妃様だけが知る秘密だった。 みすぼらしい物置小屋はパラダイスに。だけど、ある晩、王太子殿下のフィルがダーナを心配になってやって来て……

友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。

石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。 だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった 何故なら、彼は『転生者』だから… 今度は違う切り口からのアプローチ。 追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。 こうご期待。

三歳で婚約破棄された貧乏伯爵家の三男坊そのショックで現世の記憶が蘇る

マメシバ
ファンタジー
貧乏伯爵家の三男坊のアラン令息 三歳で婚約破棄され そのショックで前世の記憶が蘇る 前世でも貧乏だったのなんの問題なし なによりも魔法の世界 ワクワクが止まらない三歳児の 波瀾万丈

最上級のパーティで最底辺の扱いを受けていたDランク錬金術師は新パーティで成り上がるようです(完)

みかん畑
ファンタジー
最上級のパーティで『荷物持ち』と嘲笑されていた僕は、パーティからクビを宣告されて抜けることにした。 在籍中は僕が色々肩代わりしてたけど、僕を荷物持ち扱いするくらい優秀な仲間たちなので、抜けても問題はないと思ってます。

追放された俺の木工スキルが実は最強だった件 ~森で拾ったエルフ姉妹のために、今日も快適な家具を作ります~

☆ほしい
ファンタジー
ブラック企業で過労死した俺は、異世界の伯爵家の三男・ルークとして生を受けた。 しかし、五歳で授かったスキルは「創造(木工)」。戦闘にも魔法にも役立たない外れスキルだと蔑まれ、俺はあっさりと家を追い出されてしまう。 前世でDIYが趣味だった俺にとっては、むしろ願ってもない展開だ。 貴族のしがらみから解放され、自由な職人ライフを送ろうと決意した矢先、大森林の中で衰弱しきった幼いエルフの姉妹を発見し、保護することに。 言葉もおぼつかない二人、リリアとルナのために、俺はスキルを駆使して一夜で快適なログハウスを建て、温かいベッドと楽しいおもちゃを作り与える。 これは、不遇スキルとされた木工技術で最強の職人になった俺が、可愛すぎる義理の娘たちとのんびり暮らす、ほのぼの異世界ライフ。

勇者パーティーを追放されました。国から莫大な契約違反金を請求されると思いますが、払えますよね?

猿喰 森繁
ファンタジー
「パーティーを抜けてほしい」 「え?なんて?」 私がパーティーメンバーにいることが国の条件のはず。 彼らは、そんなことも忘れてしまったようだ。 私が聖女であることが、どれほど重要なことか。 聖女という存在が、どれほど多くの国にとって貴重なものか。 ―まぁ、賠償金を支払う羽目になっても、私には関係ないんだけど…。 前の話はテンポが悪かったので、全文書き直しました。

婚約破棄されたので四大精霊と国を出ます

今川幸乃
ファンタジー
公爵令嬢である私シルア・アリュシオンはアドラント王国第一王子クリストフと政略婚約していたが、私だけが精霊と会話をすることが出来るのを、あろうことか悪魔と話しているという言いがかりをつけられて婚約破棄される。 しかもクリストフはアイリスという女にデレデレしている。 王宮を追い出された私だったが、地水火風を司る四大精霊も私についてきてくれたので、精霊の力を借りた私は強力な魔法を使えるようになった。 そして隣国マナライト王国の王子アルツリヒトの招待を受けた。 一方、精霊の加護を失った王国には次々と災厄が訪れるのだった。 ※「小説家になろう」「カクヨム」から転載 ※3/8~ 改稿中

冤罪で山に追放された令嬢ですが、逞しく生きてます

里見知美
ファンタジー
王太子に呪いをかけたと断罪され、神の山と恐れられるセントポリオンに追放された公爵令嬢エリザベス。その姿は老婆のように皺だらけで、魔女のように醜い顔をしているという。 だが実は、誰にも言えない理由があり…。 ※もともとなろう様でも投稿していた作品ですが、手を加えちょっと長めの話になりました。作者としては抑えた内容になってるつもりですが、流血ありなので、ちょっとエグいかも。恋愛かファンタジーか迷ったんですがひとまず、ファンタジーにしてあります。 全28話で完結。

処理中です...