スライムと幸せ村づくり

Miiya

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第1話 はへ?

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「ここどこ?」

彼、速水斗真は1つそんな驚いた声を上げた。それもそのはず、彼は大学のトイレに入ったと思っていたからだ。だが彼の目の前に広がる光景はとても現代の日本から離れている。

周りには鎧を付けた兵士にドレスアップを施した女性が数名、前には玉座がありそこに座っているのはいかにもな王様である。

多分、異世界に来たのかな?いやこんなガキみたいなことはそう簡単に起こるのか?彼はそう考える。

「さて、そなたがこちらに来てもらったのはほかでもない、この世界の英雄となってほしいのじゃ」

はい来ましたー!これぞ異世界テンプレですね。そして俺はチート級の力やら武器やらを手に入れると、そんな感じですよね。

斗真はワクワクしながら近づく女性に気付く。

「さっそくで悪いのですが、少しあなたの鑑定をさせてもらいます」

「はい、よろしくお願いします」

さてさて、俺にはどんなチート能力が備わっているんだろうか。魔力か?特殊スキルなのか?

「...嘘でしょ」

鑑定士の女性は斗真を鑑定してからそんな言葉を出した。その言葉に周りの人間は何が起きたのかと騒ぎ出す。

「いったい何があったのじゃ?」

「そ、それがですね、この方には何1つスキルが備わってないのです!!」

「は!?」

斗真は素っ頓狂な声を上げた。それもそのはず、彼には何かしらが備わっているものだと思っていたからだ。そしてそう思っていた人物は斗真に限らなかった。

「嘘をつくな!!本当に何もないのか?]

「はい、確かに何度も確認しましたが本当に何も見えませんでした」

この世界では召喚するには莫大な魔力量を必要とするため、何かしらの能力が備わっているのが通説で、事実これまでに召喚された人たちは全員備わっていた。

「なんということだ、だが確かにこの者からは何も感じない。強者には全く見えない」

そう言う王様は近くの兵士たちに何かしらのサインを送る。そしてそのサインを理解した兵士たちは斗真の近くによると彼の両腕をつかむ。

「お、おい!?何しやがるんだ。放しやがれ」

「すまないが事情が変わって君には別の任務を任せようと思う。手荒な真似をすることになってすまない」

そして王様は斗真に向けて何かを唱え始める次第に斗真の足元に変な模様が光りながら浮かび上がってきた。

「さて、この魔法は対象に動かれるとなかなか面倒くさくなるからのう。ま、向こうに行ってもせいぜい頑張ってくれ」

その王様の言葉を最後に斗真は完全に王宮から姿を消してしまった。王様は玉座に座ると側近の女性に話しかける。

「はあ、こんなことなど今まであったか?」

「そうですね、残されている伝承の数々にも今みたいな異例の出来事は1つもありませんでしたね。この後はどうなされるおつもりですか?」

「まあ、今いる勇者たちの育成にひとまず時間をあてて、また時期が来た時に再度召喚の儀式を行う予定だ」

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