スライムを飼うことになりました

Miiya

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第1話 そこにいたのは

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 「じゃあな翔」

 「ああ、じゃあな。お疲れ」

補習の魔法歴史学が終わったところ、同じクラスの友達に別れを告げた。

 「さて、そろそろ帰るか」

今日は珍しく質問することも無かったから早く帰る。魔力式辞書に教科書をリュックにしまい先生にさよならとあいさつをして教室から出る。

俺の通ってる学園[志郷]高校はかなり広い。私立の中でもとりわけ大きく愛知県下では一番大きいとされている高校で1月2月ではすべて把握できないんじゃないかと思うぐらいだ。

 「ファイ、エイ、ファイ、エイ」

帰り道、部活の人たちの声が聞こえてくる。この高校は魔法学にかんして県一で部活も広大なスペースに最新の設営物もありかなり強豪高として知られている。

俺は部活には入ってない。最初魔法学部というのに仮入部したが遊び場のようなものだったから俺は入るのを止めた。俺は有名魔法大学校に入学するために1年から勉強してる。

 「楽しそうだな」

俺はスポーツは嫌いではないし中学の頃は陸上部に入ってた。ただこの学校の特別選抜に入った学生は運動部に該当する部活には入部できない。だから俺は入ってはいない。

 「なんか楽しいことないかな」

別に勉強が苦とは感じたことは無い。将来に向かってがんばることだから大丈夫なのだがいつも同じ日常であんまり楽しみに感じない。

ピロン!!

 「ん?母さんからか」

魔力スマホの画面が光った。どうやら味噌汁用の豆腐とわかめを買って来いという内容だった。

 「スーパーによるか。」

コンビ二も近くにはあるが流石に味噌汁の具材は置いてない。少し遠回りになるが買いに行こう。ついでにお菓子と飲み物も買っておくか。

 「いらっしゃいませー。あ、翔君じゃん」

 「どうも店長」

スーパー[TOUYU] の店長笹木野一志さんから声をかけられた。俺はこのスーパーにバイトしている。部活をやってないからせめてバイトはしている。

 「今日はどうしたの?非番だよね」

 「母さんからお使いを頼まれただけですよ」

 「そういうことね」

特にこれといった話題もなく少しばかり話して目的のものを買う。

 「んーとりんごジュースとビスケット買っとくか」

~~~~~~~~~~~~~

店をでて家に向かう。今歩いてる道は近道だがその代わり大通りではなくかなり狭くあたりも茂みや木が多い。

 「はあ、暑いな。はやくクーラーにあたりたい」

今は7月初旬、すでに暑いがまだまだ気温は上がりそうだ。ジュース片手に急いで歩く。

ガサガサガサ!!

 「ん?猫か?」

足元の茂みが少し揺れている。この辺には野犬とか捨て猫が集まりやすい場所だからいてもおかしくは無い。

ぴょーーん!

 「え!?」

目の前に現れたのは青く丸いフォルムにプルプルとしたゼリー体。もしかして

 「スライム...か?」

スライム、ダンジョンの最上層にてよく出没するモンスター。かつては雑魚と呼ばれていたが今では知能や魔力の高いスライム、魔法も扱うスライムもいて危ないモンスターとされている。

 「あれ?スライムってすぐに襲うはずだが」

スライムはその知能の低さから目の前のものを食らう習性があり人間も例外ではない。

 「でも...可愛いな」

プルプルと震えているそのスライムがとても可愛く見える。俺はスライムを肉眼で初めて見たけど教科書に書いてるほどの脅威は感じない。

 「触ってみても大丈夫だよな?」

そーと触ってみる。手を近づけてもまったく逃げる気配は無い。人になれてるのか?ただただその場でプルプルと震えているだけだ。

プニョン!

 「おお!!」

柔らかい!!指が吸い付くようで弾くような感触もある。こんな感じなのかスライムの体って。教科書にはこんな情報載ってなかったし感激物だ。

ニュイーーン

 「触手!?まず...い?」

俺はスライムが触手を伸ばしたことで急いで手を離してカバーする。スライムには酸性の液体を飛ばすことがありそれは人肌にも通用し高濃度になれば金属も平気で溶かす。

カバーするもどこも溶けたりしてない腕を下ろすと触手が手に当たる。温かい触手だ。てっきり冷たいとおもったのだが、夏だからゼリーが熱くなってるのか。

 「どうしようか、このまま置いていくのもなー」

人を襲うとは思えないがなんかこうして触れ合ってしまったからか人情みたいなものが俺の中で芽生えてしまった。

 「あ、これ食べるか?」

俺はリュックからさっき買ってたビスケットを取り出す。袋を破って中から1枚取り出す。

パシュン!

 「あ、食べるのか」

スライムは触手を伸ばして俺の手にあったビスケットをひったくると体の中にずぶっと入れる。しばらく経つとシュワシュワと泡になって消えてく。

スライムは食べ終わるとぴょんぴょんとその場で跳ねる。そのしぐさは『もっと頂戴』といってるようなものだった。

 「もっと欲しいのか?ほら」

パシュン!

何枚か差し出すとそれらもまとめてひったくるとかまわず体の中に入れる。先ほど同様シュワシュワと溶けて行ってる。

 「ついてくる?」

ぴょん!

 「応答したのか?いや声に反応しただけかな」

スライムが言葉を理解するのかはわからない。とりあえず了承しているっぽいし連れて行こう。

 「よいしょっと」

気温のせいで少し熱くなってるスライムをもちあげリュックの中に押し込む。暴れて欲しくない、ビスケットを裸のままリュックに入れておく。スライムが夢中になってくれることを願う。

 このとき翔は気づいてなかったが、彼の魔力にスライムの魔力がつながり流れ込んでいた。スライムは彼に従うことを決意した。
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