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第1話 最強暗殺者死す
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20XX年、ある暗殺者がいた。彼の名前は玻座間竜司。他の暗殺者からザ・アサシンと呼ばれ、暗殺業界で最も優れた男として知られていた。
彼の暗殺技術はどんな分野であっても誰一人として寄せ付けないほどの実力を兼ね備えてた。街中でも誰にも見つからずに殺したり、タイマンにおいても日本チャンピオンの空手家に一撃も食らうことなく倒したり、銃を渡せばどんな距離からでも森の中を歩くターゲットを撃ち抜くこともいとも容易く行なっていた。
暗殺技術、対人術、コミュニケーション能力、語学力を高い次元で併せ持っていた彼だったが、ある1つの脅威に脅かされていた。
「………まさか病気で死にかけるとはな。」
そう、病気だった。彼は暗殺業界に入ってからは一撃も怪我を負ったことがなかった。彼の不死身に近い体も病気には勝てるはずもなかった。
そのため彼は医療技術に関しては一切手を出してこなかった。結局傷を負わなければいい、とそんな信念があったからだ。
彼は急ぎ世界最高峰の病院、医師達に診断を仰いだ。
「……結果が出ました、『ネジハブ毒』にかかっています。」
「……ネジハブ毒?」
「はい、この毒にかかると数日間で毒が全身をめぐり、様々な器官を破壊していきます。」
彼のかかった毒はその時にはまだ治療法を確立されてなかったものだった。彼が仕事でとある島に行った時にどこかで噛まれたものだと医師達は推測する。
「本来なら噛まれて1時間で毒が回り始め、1日で体は完璧に動かなくなり、3日間で死に至る病気です。」
しかし、彼の不死身に近い体はその毒の進行を遅らせていた。3日で死ぬ病気を1週間も闘病していた。
~~~~~~~~
「……まあ、仕方ないよな。あれだけ人を殺したんだ。」
彼は数え切れないほどの人を殺して来た。恋敵から政治関係者、財閥の御曹司、時には軍人として起用されたこともある。もはや殺した方法すら数え切れないぐらいだった。
「こんなことになるんだったら、もっと早く医療を学んでおけばよかったかな。」
これは医師達の見立てではあるが、彼の現在の能力をフル活用すれば3年間の研究で血清を作れたかもしれないと予測している。実際にさまざまな病気において彼は研究のオファーを受けたことがある。
しかし、そのたびに「かからなければ問題ない」と頑なに断っていた。この結果、治すことができたかもしれない病気に彼は侵されているのだ。
「玻座間!何やってんだよ!」
「玻座間先生!しっかりしてください!」
「Mr.Hazama! Come back immediately!!」
彼が寝ているベッドの周りには友であったり弟子など現在進行形で暗殺をしている人たち、他にも各国の発明家など彼が研究に携わった結果成功した偉人達が見舞いに来ていた。
「みんな、俺はダメみたいだ。まさか俺が病気にやられちまうなんてな。ハハハ……」
「笑い事じゃねえよ!」
「そうです!先生なら絶対大丈夫です!きっと治って戻って来ますよね!!」
彼は人知れず涙を一滴流した。プロになって冷酷に勤めていた。最初のうちは殺したという罪悪感にかられ毎日が苦しかった。寝れば悪夢として殺された人が彼を襲った。しかし、冷酷になってからはそんなことを気にすることもなくなり、他人とも繋がりを感じなかった。
しかし、今自分の失態で死にかけているのにこれだけ心配して来てくれた人たちの言葉に彼の冷酷さを温める何かを感じたのだ。
この後、結局病気が回復することはなく、どんどん玻座間竜司の体を蝕んで行き、体は動かなくなり器具をつけながらでないと生きることすらできなくなった。
「くそ!なんとかできないのかよ!」
「そうよ!この人はこれからもこの世界に重要な人なの!!」
「暗殺者だからって渋ってんじゃねえぞ!!」
彼の体を見て、見舞いに来てくれる人たちは医師達に反抗的な態度を取り始めていた。
「や、やめてください!現代の医療技術では治すことは不可能なんです。」
「このまま見てろってことなのかよ。」
「う……正紀、や……め…ろ、もう俺の病気は治らない。」
「リュウジ!!お前らしくねえぞ!こんな弱音を吐いちまうなんて!」
「……なん…かわかる……んだよ。俺は人を殺しすぎたからか、殺す直前に相手の隣に死神がいるのがわかる。もう俺の近くにいるんだよ。死神が。」
「何を言ってるんですか!?先生はこれからも活躍するんです!!」
「はは、死神も困った死に方を俺に課したな。」
まさか暗殺されるんじゃなくて病気になるなんてな。それにひっそりと死ぬと思ってたのにこうして同僚や依頼主、旧友に見守られながら死ぬなんてな。
もしもう一度生きることができるなら……
彼は病院に運ばれてから1週間、苦しみながらも生きていたが、手先は壊死し、呼吸もままならなくなり、ついには脳以外の機能が停止してしまった。
彼は命日にこんなことを思った。
もし、もしもう一度人生を歩めるのならその時は暗殺技術と医療を極めよう。
そう彼が心の中で誓い、彼はこの世を去った。
彼の暗殺技術はどんな分野であっても誰一人として寄せ付けないほどの実力を兼ね備えてた。街中でも誰にも見つからずに殺したり、タイマンにおいても日本チャンピオンの空手家に一撃も食らうことなく倒したり、銃を渡せばどんな距離からでも森の中を歩くターゲットを撃ち抜くこともいとも容易く行なっていた。
暗殺技術、対人術、コミュニケーション能力、語学力を高い次元で併せ持っていた彼だったが、ある1つの脅威に脅かされていた。
「………まさか病気で死にかけるとはな。」
そう、病気だった。彼は暗殺業界に入ってからは一撃も怪我を負ったことがなかった。彼の不死身に近い体も病気には勝てるはずもなかった。
そのため彼は医療技術に関しては一切手を出してこなかった。結局傷を負わなければいい、とそんな信念があったからだ。
彼は急ぎ世界最高峰の病院、医師達に診断を仰いだ。
「……結果が出ました、『ネジハブ毒』にかかっています。」
「……ネジハブ毒?」
「はい、この毒にかかると数日間で毒が全身をめぐり、様々な器官を破壊していきます。」
彼のかかった毒はその時にはまだ治療法を確立されてなかったものだった。彼が仕事でとある島に行った時にどこかで噛まれたものだと医師達は推測する。
「本来なら噛まれて1時間で毒が回り始め、1日で体は完璧に動かなくなり、3日間で死に至る病気です。」
しかし、彼の不死身に近い体はその毒の進行を遅らせていた。3日で死ぬ病気を1週間も闘病していた。
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「……まあ、仕方ないよな。あれだけ人を殺したんだ。」
彼は数え切れないほどの人を殺して来た。恋敵から政治関係者、財閥の御曹司、時には軍人として起用されたこともある。もはや殺した方法すら数え切れないぐらいだった。
「こんなことになるんだったら、もっと早く医療を学んでおけばよかったかな。」
これは医師達の見立てではあるが、彼の現在の能力をフル活用すれば3年間の研究で血清を作れたかもしれないと予測している。実際にさまざまな病気において彼は研究のオファーを受けたことがある。
しかし、そのたびに「かからなければ問題ない」と頑なに断っていた。この結果、治すことができたかもしれない病気に彼は侵されているのだ。
「玻座間!何やってんだよ!」
「玻座間先生!しっかりしてください!」
「Mr.Hazama! Come back immediately!!」
彼が寝ているベッドの周りには友であったり弟子など現在進行形で暗殺をしている人たち、他にも各国の発明家など彼が研究に携わった結果成功した偉人達が見舞いに来ていた。
「みんな、俺はダメみたいだ。まさか俺が病気にやられちまうなんてな。ハハハ……」
「笑い事じゃねえよ!」
「そうです!先生なら絶対大丈夫です!きっと治って戻って来ますよね!!」
彼は人知れず涙を一滴流した。プロになって冷酷に勤めていた。最初のうちは殺したという罪悪感にかられ毎日が苦しかった。寝れば悪夢として殺された人が彼を襲った。しかし、冷酷になってからはそんなことを気にすることもなくなり、他人とも繋がりを感じなかった。
しかし、今自分の失態で死にかけているのにこれだけ心配して来てくれた人たちの言葉に彼の冷酷さを温める何かを感じたのだ。
この後、結局病気が回復することはなく、どんどん玻座間竜司の体を蝕んで行き、体は動かなくなり器具をつけながらでないと生きることすらできなくなった。
「くそ!なんとかできないのかよ!」
「そうよ!この人はこれからもこの世界に重要な人なの!!」
「暗殺者だからって渋ってんじゃねえぞ!!」
彼の体を見て、見舞いに来てくれる人たちは医師達に反抗的な態度を取り始めていた。
「や、やめてください!現代の医療技術では治すことは不可能なんです。」
「このまま見てろってことなのかよ。」
「う……正紀、や……め…ろ、もう俺の病気は治らない。」
「リュウジ!!お前らしくねえぞ!こんな弱音を吐いちまうなんて!」
「……なん…かわかる……んだよ。俺は人を殺しすぎたからか、殺す直前に相手の隣に死神がいるのがわかる。もう俺の近くにいるんだよ。死神が。」
「何を言ってるんですか!?先生はこれからも活躍するんです!!」
「はは、死神も困った死に方を俺に課したな。」
まさか暗殺されるんじゃなくて病気になるなんてな。それにひっそりと死ぬと思ってたのにこうして同僚や依頼主、旧友に見守られながら死ぬなんてな。
もしもう一度生きることができるなら……
彼は病院に運ばれてから1週間、苦しみながらも生きていたが、手先は壊死し、呼吸もままならなくなり、ついには脳以外の機能が停止してしまった。
彼は命日にこんなことを思った。
もし、もしもう一度人生を歩めるのならその時は暗殺技術と医療を極めよう。
そう彼が心の中で誓い、彼はこの世を去った。
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