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第二十一章 行進の終焉、微笑む勝者
せいちでのひび
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「リーダ様みてください! 早いです!」
「船は素晴らしいですね。水の上を歩かなくてもいい」
タイワァス神の神官達が笑顔ではしゃいでいる。
聖地を盛り上げるアイデアをくださいという話についての答えがコレだ。
船。
前々から疑問に思っていたことについて話をしてみた。
「え? 船……ですか?」
「えぇ。歩くよりも水上では、船の方が便利なのでは? 重い荷物を担いで歩くのは大変でしょう?」
重い荷物を持ってヨタヨタ歩く人を、聖地でやたらみかけるのだ。
歩くのが辛いと言っても、水辺と通路には若干の段差があり、馬車での移動はめんどくさい。
加えて馬車は、タイワァス神の加護で水の上が立てると言っても、まるでゼリーのような感触で、馬が荷台を引くのが難しく、スピードが出ないという難点があった。
ということで、これはまずいだろうと思ったのが本音だ。
対策として、船を提案した。
元の世界にあった観光名所、水の都ヴェネツィアにならってカヌー型の船を提案し、さらに簡単なものを作った。
神の加護で船は適当に造っても浮くので、船を造るのはとっても楽だった。
軽い気持ちで3隻ほど作り、船の便利さをアピールしたところ、瞬く間に10隻20隻と、どんどんと船は増えていった。
交通ルールや、船をどこに置くのか等々、細かいことは神殿まかせだ。
「今だけですよ! 聖女様プラン! なんと2年契約で、聖女の紋章付き聖印プレゼント!」
「なんか便乗サービス始めてるっスね」
「聖女の紋章?」
「ほら、前にノアノアが作った豆判の図柄、チューリップの。あれのこと」
「ふーん」
オレ達のもともとの仕事、マークシートを作ったり、配ったりしている間、神官達はマイペースだった。
タイワァス神官は、民衆と一緒に船を造り、いろいろとルールを決めたりしていた。
他の神官達も、それぞれ自由にしていた。
「魔王が復活したと世の中騒いでいるのに、神官は平和っスね」
「最初にあの巨人を出現させて以来、気がついたらいつものノリだからな」
「ですが、神官が普段通りなので、町の人も安心しているようです」
「そういえば、私達は人々の心を守る砦。取り乱さないことが求められているト……ってエテーリウさん言ってたっスね」
確かに、神官が大騒ぎしていたら、オレ達もそれにあてられて心穏やかじゃなかったかもしれない。エテーリウの言うことは一理ある。
でもなぁ。
いつ見かけても何かを食べているブロンニとか。
いつ見かけても食い歩きしているエテーリウとか。
いつ見ても日向ぼっこしているサイルマーヤとか。
神官達を見ていると素でやっているとしか思えない。
そんな穏やかに過ごしていたある日のこと。
「ついに届いたトヨ!」
エテーリウが、ノアに受け取って欲しいと、大きな宝石がついた杖を持ってきた。
石造りで、まるで布で包まれているかに見える造形的な彫り込みがされた物だ。
黄色い宝石が、控えめに煌めき、反射した光が手元を照らす。
「これは?」
「ルタメェン神の神具トヨ。ついに届いたト。ぜひ、ノアサリーナ様に持っていただきルタメェン神の信徒を増や……平和を願って欲しいト」
一瞬、本音が出ていたが、これが神具か。
そうだよ。
こういうのを待っていたのだ。
いままでロクな神具がなかったからな。
こういうのでいいんだよ。こういうので。
シンプルな錫杖。
だけど、受け取る気が起きない。
「行進は終わりを迎えると思うのですが……」
イブーリサウトとか言うのが来るしな。
「でも、何かがあったときのため、神具は是非とも持っていて欲しいト」
どこの神殿も、行進が終わっても、是非預かっていてくださいと譲らない。
しょうがないか。
「そうですか。でも、返却希望の時はいつでも言ってください」
「わかったトヨ」
「それにしても見事な錫杖です。特に、先端の宝石が神秘的に感じると思います」
「そう思うト?」
カガミのコメントに、エテーリウが勝ち誇ったように笑い、問いかける。
「何かあるのですか?」
「これこそが神具の力。とくと見るトヨ!」
エテーリウが、先頭の宝石をつまみ、クルクルと回す。
それから柄の部分を持って大きく振りぬく。
『カッ、カカカ』
軽快な音をたてて棒の部分が伸びた。
先端の宝石はポロリとはずれ、ポチャンと音をたてて、地面に落ちて沈む。
地面をまるで水のようにすり抜けて落ちたのだ。
さらに、棒の先端から糸が垂れていた。
まるで釣り竿のように。
「もしかして……」
「そうトヨ。釣り竿になるト! しかもただの釣り竿じゃないトヨ。地中に潜り、地に埋まる鉱物ですら釣りあげることができる! 使わない時は折りたためるト。これぞ神具!」
携帯できる釣り竿……深夜の通販グッズかよ!
錫杖のままでいいだろ。なんで、無駄なギミックをつけるんだ。
そんな神具の提供があった。
ちなみに、試しにルタメェン神の神具で、地中に向かって糸を垂らしたところ、ノームが釣れた。
両手で錫杖の先についていた宝石をしっかりつかんで、クルクル回りながら釣れた。
釣れたのは……うちのノーム。
プレインが気に入ったらしく、たまに地面に向かって糸を垂らしている。
そして、必ずノームが釣れる。つまり、プレインとノームの遊び導具となっている。
「ようやくお目にかかれました。ノアサリーナ様、私も行進の末席にお加えくださいませ」
去る人もいるが、新たにやってくる人もいる。
例えば、光と狩りの神ヤクツーノ神の神官アルコルという人。
「いや、そろそろ行進は終わりを迎える予定なのです」
「え? そんな……噂を聞きつけ、南方より急ぎやってきたのに……」
見ていて気の毒になるほどうなだれていた彼女もまた有名な神官らしい。
こんな調子で、イブーリサウトとの問答が待ち構えているというのに、行進に加わりたいとやってくる人は沢山いる。
他の神殿の神官達や、民衆達だ。
もちろん、イブーリサウトとの問答が待ち構えているということを説明する。
だが、それでも行進の参加や、終わるギリギリまで行進に参加したいという人が絶えない。
「マークシートでも、ギリギリまで参加したいという項目を設けてましたし、仕方無いと思います」
「よくよく考えたら、行進自体が目的なくズルズル続いてるからな」
終了宣言が必要かもしれない。
考えてみれば、イブーリサウトからの手紙を機会に、終わりを宣言しておけばよかったな。
「今だけですよ! 聖女様プラン! なんと2年契約で、聖女の紋章付きマントプレゼント!」
たまに聞こえる便乗サービスを宣伝する声に、そんなことを思った。
「船は素晴らしいですね。水の上を歩かなくてもいい」
タイワァス神の神官達が笑顔ではしゃいでいる。
聖地を盛り上げるアイデアをくださいという話についての答えがコレだ。
船。
前々から疑問に思っていたことについて話をしてみた。
「え? 船……ですか?」
「えぇ。歩くよりも水上では、船の方が便利なのでは? 重い荷物を担いで歩くのは大変でしょう?」
重い荷物を持ってヨタヨタ歩く人を、聖地でやたらみかけるのだ。
歩くのが辛いと言っても、水辺と通路には若干の段差があり、馬車での移動はめんどくさい。
加えて馬車は、タイワァス神の加護で水の上が立てると言っても、まるでゼリーのような感触で、馬が荷台を引くのが難しく、スピードが出ないという難点があった。
ということで、これはまずいだろうと思ったのが本音だ。
対策として、船を提案した。
元の世界にあった観光名所、水の都ヴェネツィアにならってカヌー型の船を提案し、さらに簡単なものを作った。
神の加護で船は適当に造っても浮くので、船を造るのはとっても楽だった。
軽い気持ちで3隻ほど作り、船の便利さをアピールしたところ、瞬く間に10隻20隻と、どんどんと船は増えていった。
交通ルールや、船をどこに置くのか等々、細かいことは神殿まかせだ。
「今だけですよ! 聖女様プラン! なんと2年契約で、聖女の紋章付き聖印プレゼント!」
「なんか便乗サービス始めてるっスね」
「聖女の紋章?」
「ほら、前にノアノアが作った豆判の図柄、チューリップの。あれのこと」
「ふーん」
オレ達のもともとの仕事、マークシートを作ったり、配ったりしている間、神官達はマイペースだった。
タイワァス神官は、民衆と一緒に船を造り、いろいろとルールを決めたりしていた。
他の神官達も、それぞれ自由にしていた。
「魔王が復活したと世の中騒いでいるのに、神官は平和っスね」
「最初にあの巨人を出現させて以来、気がついたらいつものノリだからな」
「ですが、神官が普段通りなので、町の人も安心しているようです」
「そういえば、私達は人々の心を守る砦。取り乱さないことが求められているト……ってエテーリウさん言ってたっスね」
確かに、神官が大騒ぎしていたら、オレ達もそれにあてられて心穏やかじゃなかったかもしれない。エテーリウの言うことは一理ある。
でもなぁ。
いつ見かけても何かを食べているブロンニとか。
いつ見かけても食い歩きしているエテーリウとか。
いつ見ても日向ぼっこしているサイルマーヤとか。
神官達を見ていると素でやっているとしか思えない。
そんな穏やかに過ごしていたある日のこと。
「ついに届いたトヨ!」
エテーリウが、ノアに受け取って欲しいと、大きな宝石がついた杖を持ってきた。
石造りで、まるで布で包まれているかに見える造形的な彫り込みがされた物だ。
黄色い宝石が、控えめに煌めき、反射した光が手元を照らす。
「これは?」
「ルタメェン神の神具トヨ。ついに届いたト。ぜひ、ノアサリーナ様に持っていただきルタメェン神の信徒を増や……平和を願って欲しいト」
一瞬、本音が出ていたが、これが神具か。
そうだよ。
こういうのを待っていたのだ。
いままでロクな神具がなかったからな。
こういうのでいいんだよ。こういうので。
シンプルな錫杖。
だけど、受け取る気が起きない。
「行進は終わりを迎えると思うのですが……」
イブーリサウトとか言うのが来るしな。
「でも、何かがあったときのため、神具は是非とも持っていて欲しいト」
どこの神殿も、行進が終わっても、是非預かっていてくださいと譲らない。
しょうがないか。
「そうですか。でも、返却希望の時はいつでも言ってください」
「わかったトヨ」
「それにしても見事な錫杖です。特に、先端の宝石が神秘的に感じると思います」
「そう思うト?」
カガミのコメントに、エテーリウが勝ち誇ったように笑い、問いかける。
「何かあるのですか?」
「これこそが神具の力。とくと見るトヨ!」
エテーリウが、先頭の宝石をつまみ、クルクルと回す。
それから柄の部分を持って大きく振りぬく。
『カッ、カカカ』
軽快な音をたてて棒の部分が伸びた。
先端の宝石はポロリとはずれ、ポチャンと音をたてて、地面に落ちて沈む。
地面をまるで水のようにすり抜けて落ちたのだ。
さらに、棒の先端から糸が垂れていた。
まるで釣り竿のように。
「もしかして……」
「そうトヨ。釣り竿になるト! しかもただの釣り竿じゃないトヨ。地中に潜り、地に埋まる鉱物ですら釣りあげることができる! 使わない時は折りたためるト。これぞ神具!」
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そして、必ずノームが釣れる。つまり、プレインとノームの遊び導具となっている。
「ようやくお目にかかれました。ノアサリーナ様、私も行進の末席にお加えくださいませ」
去る人もいるが、新たにやってくる人もいる。
例えば、光と狩りの神ヤクツーノ神の神官アルコルという人。
「いや、そろそろ行進は終わりを迎える予定なのです」
「え? そんな……噂を聞きつけ、南方より急ぎやってきたのに……」
見ていて気の毒になるほどうなだれていた彼女もまた有名な神官らしい。
こんな調子で、イブーリサウトとの問答が待ち構えているというのに、行進に加わりたいとやってくる人は沢山いる。
他の神殿の神官達や、民衆達だ。
もちろん、イブーリサウトとの問答が待ち構えているということを説明する。
だが、それでも行進の参加や、終わるギリギリまで行進に参加したいという人が絶えない。
「マークシートでも、ギリギリまで参加したいという項目を設けてましたし、仕方無いと思います」
「よくよく考えたら、行進自体が目的なくズルズル続いてるからな」
終了宣言が必要かもしれない。
考えてみれば、イブーリサウトからの手紙を機会に、終わりを宣言しておけばよかったな。
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