日常生活の狂気

沈黙のミュージシャン

おれにとって
詩を書くというのは
小説などを
執筆することとは違い
半ばギターや
ピアノを弾きながら
音楽を
作曲することと
よく似ている

おれは自分のことを
詩人だと
思っているが
半分は
ミュージシャンだと
思っている

詩を書くことは
小説などの
文章を
執筆すると
いうよりは
半ば音楽を
創作する
作業に近い

今までおれは
毎日働いている
喫茶店の
仕事が本業で
詩を書く方が
副業だと
自覚していたが
これからは
詩人の方が
本業だと
思うことにする

その方が
喫茶店の
ただの店員と
いうよりは
自分に対して
誇りが持てる

おれの本業は
詩を書くことだ
これからは
そう自覚する
ことにしよう

詩人というのは
他のあらゆる
文筆業の中で
最も音楽的だ
だからおれは
これからも
文章などを
執筆すると
いうよりは
曲作りを
するような
感覚で
詩を書いていく
ことにする

ギターの弦を
かき鳴らすように
ピアノの鍵盤を
打ち叩くように
おれはこれからも
詩を書いていく

詩を書くという
作業そのものが
おれにとっては
音楽的だ
おれは自分のことを
歌を歌ったり
楽器を演奏しない
沈黙の
ミュージシャンだと
思っている

おれの本業は
詩を書くことだ
これからは
そう自覚しよう