カフェの住人あるいは新たな時代の代弁者

大西啓太

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音楽の話はもう止めにしよう

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ネットとスマホの普及で
それまで天下を
取っていた
あらゆる
既存のメディアが
衰退していく中で
音楽も
ストリーミングが
主流になり
かつては
一大産業と
化していた
音楽産業も
衰退の一途を
辿っている

そんな状況を
目の当たりにして
おれは思った

おれが中学生時代から
短大を
卒業した後
社会人に
なってからも
おれ以外でも
音楽好きの
連中は
たくさんいたが
今は音楽よりも
ネット小説の
時代なのかな?

今はネット小説に
限って言えば
一大ムーブメントと
呼んでも
おかしくない
ぐらいに
流行っている
それはかつての
音楽産業に
迫る勢いだ

おれはそんな中
こう思った
「そう言えば
ネット小説の中でも
かつての
ビートルズのような
数十年に一度
出るか出ないか
ぐらいの
才能の持ち主は
まだ現れてないなあ」

しかしすぐに
おれは思い直した

「待てよ
このおれがいるか
おれはビートルズと
同じように
数十年に一度の
才能の持ち主と
されているんだっけ」

ネット小説が
一大ムーブメントに
なってから
まだ10年も
経っていないが
ロック産業の
黎明期に
登場した
ビートルズや
ローリング・ストーンズの
ように
おれは今では
数十年に
一度の
才能がある
ネット詩人として
認められて
いるんだ

出版社や
出版業界の
連中は
おれみたいな
クセのある
作家を
毛嫌いしているが
逆にそれで良い

おれはもう
頼まれても
出版社や
出版業界には
関わらない
つもりでいる

にも関わらず
おれは今では
立派な詩人として
認められている

これもまた
時代の流れだ

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