113 / 396
幕間 1→2
104 特異思念集積体と成長する器
しおりを挟む
「イサク、サユキ、イリュファ、リクル、フェリト……そして貴方はテア」
ホウゲツ学園職員寮の自室。
ゴスロリ系ワンピースのスカートを畳に広げながらペタンと座るテアに、サユキが人差し指の示す方向を一つ一つ変えながら言う。
一応、テアはそれに合わせて視線を動かしているが、それ以上の反応はない。
まあ、彼女は赤子のようなもの。そう簡単に進展はないだろう。
それでも、サユキを筆頭にリクルもフェリトも進んで教育を施そうとしている。
成果が乏しくとも投げ出すことなく。どことなく楽しそうに。
対照的に、ガラテアに強い敵意を抱いているイリュファは、複雑な顔をしながら少し離れたところでその様子を眺めるばかりだ。
外出の際、影の中にいる時も基本こんな感じらしい。
「これが鉛筆、消しゴム、紙。それから……この絵が犬、猫、鳥、魚」
実物と子供用の教材を使いながら続けるサユキだが、やはりテアは目線を動かすのみ。
ガラテアの肉体であるはずのテアだが、やはり邪気のようなものは全く感じられない。
ぼんやりとしている姿を見ていると、彼女の出自を忘れてしまいそうになる。
服を脱がして球体関節を見れば、否が応でも思い出さざるを得ないが。
そんなテアを見詰めながら、俺は自分自身とガラテアについて考えていた。
「なあ、イリュファ。ライムさんは、強かったな」
そして、若干手持無沙汰になっているイリュファに話しかける。
「…………そうですね。正直、想像を超えていました」
イリュファからすれば脈絡がなく、俺が何を言いたいのか今一分からないだろう。
それでも彼女は、表情に疑問の色を微かに浮かべながら一先ず同意を示した。
配慮ができるメイドさんである以上に、ライムさんの実力はイリュファ自身も認めざるを得ないものだったからに違いない
「そのライムさんをして決して敵わないとさえ言わしめたガラテア。そんな相手に、俺は本当に勝てるのか?」
認識操作というチート染みた能力を、少女化魔物の意思を完全に無視して使用すれば彼の実力に限界はないと言っても過言ではないはず。
それを実行するしないはともかくとして、その辺りを全く考慮に入れることなく、決して敵わないなどと言うことはないだろう。
彼はそうした可能性も含めた上でそう断言したはずだ。
「弱気になっているのですか?」
「いや、そういう訳じゃない。ライムさんにも後は任せろって言ったしな。ただ、今一勝利への見通しが立たなくてさ」
最大レベルのライムさんより上と想定すると、まるで勝ち目がないように思える。
正直、それでは困る。
救世の転生者の敗北は、世界の終わりだと言うのに。
「大丈夫です。勝ち目はあります。ただし、イサク様でなければ、救世の転生者でなければ決して生じ得ない勝ち目ですが」
「ライムさんもそんなようなことを言ってたけど、救世の転生者であるアドバンテージって前世に裏打ちされたイメージ力ぐらいのもんだぞ? 少なくとも俺の場合は」
客観的に見て、人間が出せる最高出力(この世界基準)に簡単に近づけるだけで、人外レベルの強さに至れる訳ではない、というのが正しい評価だろう。
勿論、それだけでも十分に優遇されている訳だが。
「そんな俺で倒せるってことなら、優秀な複合発露を持つ少女化魔物や少女征服者を集めて物量で押せば何とかなりそうなもんだけど……」
「強さの問題ではないのです。いえ、勿論、最低限の力は必要ですが」
「……強さの問題じゃない?」
イリュファの返答に、どういうことだと問うように繰り返す。
「特異思念集積体はご存知ですよね?」
「そりゃイリュファに教わったし。まあ、俺には余り関係ないって聞いてたけど」
特異思念集積体とは、ある特定の魔物の呼び名だ。
この世界の魔物は人間の思念の集積体であり、それ故に神話や伝説、伝承等々に登場する本来架空の存在だったものが形を伴って現れてくる。
その中には当然ながら特に有名な個体が存在したりもする。
ある種族の中で際立った強さを持ち、特別に名を持つに至った魔物。
あるいは、そもそも同時期に一体しか存在し得ない魔物。
言うなればネームドモンスター、あるいはユニークモンスターだ。
そうした魔物は人間の思念が集中するため、複合発露という訳ではないものの、時に第六位階と同等の力を放つことがあると言う。
このような魔物が特異思念集積体と呼ばれる。
並の人間にとっては、暴走した少女化魔物並の脅威だ。
とは言え、攻撃系の真・複合発露を使用できる真性少女征服者にとっては、余程特殊な逸話を持つ魔物でもない限りは敵ではない。
何故なら、あくまでも相手は魔物。少女化魔物ではないからだ。
有無を言わさず討伐しても何ら問題ない。
有効な複合発露で先制攻撃して終わりだ。
救世の転生者が出張る必要はない。
むしろ俺が手を出せば、それで生活している人間の糧を奪うことになりかねない。
「けど、それが今、何の関係が?」
頭の中で軽く整理してから、首を傾げつつイリュファに問う。
まあ、わざわざ言うくらいだから関係があるんだろうけれども。
「そうした魔物も魔物の一種です。少女化魔物になる可能性があります」
対してイリュファは、あるともないとも言わずに説明を続ける。
結論をスパッと言わずに、迂遠に前提から話すのは彼女の悪い癖かもしれない。
いや、俺も割とその傾向があるけれども。
「例えば、ライムの少女化魔物は二人共そうでした。認識操作の力を持つルシネは悪魔(シャックス)。転移能力を持つパレットは悪魔(サルガタナス)が基になった魔物です」
第六位階の認識操作と転移。どちらも破格の力だ。希少性も非常に高い。
成程。特異な魔物が基になっただけのことはある。
「逆に、何の変哲もない少女化魔物がよくも悪くも有名になり、改めて思念が集積することもあります。その場合、使用する複合発露に補正が入ったり、魔物の特徴が現れた際の副次効果が強化されたりします」
順番が後になるか先になるかの違い。
まあ、十分あり得る話だろう。何せ――。
「祈望之器、特にこの印刀ホウゲツなんかも似たような仕組みで第六位階の力を得ているはずだしな。然もありなんって感じか」
と、そこまで考えて、本題との関連性に何となく気づく。
「つまりガラテアは……」
「はい。一つの例外を除き、ガラテア程に有名な存在はいません。故に、特異思念集積体やイサク様が今おっしゃった祈望之器に近い構造で特性が付加されているのです」
「一つの例外…………つまり、救世の転生者も同じ、ってことか」
「その通りです」
人類の脅威たるガラテア。
それに対抗するための存在である救世の転生者。
世界中全ての人がそう認識しているが故に――。
「五百年の蓄積。救世の転生者のみがガラテアに勝つことができた事実が転じ、ガラテアには救世の転生者以外勝てないことが一つの法則のようなものになってしまった訳か」
「はい。その共通認識により、ガラテアには救世の転生者以外の攻撃に対して強い耐性があり、反面、救世の転生者の攻撃には弱く、有効打を与えることができるのです」
「……成程な」
ようやく理解できた。ライムさんがあそこまで頑なになっていた理由も。
いよいよ以って責任重大だと感じる。
「とは言え、無為無策で勝てる訳ではありません。十分に力を蓄えなければ」
「分かってる。とにかく相性がいいってことが分かっただけで心の曇が晴れた。一つ一つ着実に強くなれるように頑張っていくさ」
「……はい」
己を鼓舞するように意識的に声を明るくした俺の言葉に頷き、しかし、イリュファは一瞬だけ目線を揺らして表情に罪悪感を過ぎらせる。
まただ。
だが、相変わらず、その反応の理由は分からない。
聞いても、いつものようにはぐらかされるだけだろう。
もっともっと。無条件に頼ることができるぐらいに強くなることができれば、彼女の真実を知ることができるのだろうか。
小さな無力感を顔には出さないまま思う。
イリュファは最初に俺の全てを知り、それから今まで共に歩んできた仲間だ。
それだけに、可能ならばその心に寄り添いたいものだ。
そんなことを考えていると……。
「イサク、サユキ、イリュファ、リクル、フェリト……そして貴方はテア」
また振出しに戻ったサユキの言葉が耳に届く。
それに釣られるように、イリュファ共々視線をそちらに向ける。
とは言え、テアはまた視線を動かすだけだろう。
そう予測しながら彼女の目を見ると、丁度視線が合い――。
「イ……」
その口が僅かに音を発した。
「あ! テアちゃん、今声を出したですよ!!」
「イサクって言おうとしたみたいね!」
対して、リクルとフェリトが二人で盛り上がる。
かく言う俺も思わず目を見開き、割と興奮してしまった。
「テアちゃん、サユキはサユキだよ」
サユキもまた少し身を乗り出し、自分を指差しながら言う。
が、今度は視線を動かすだけで、テアは声を出すことはなかった。
それでもサユキは残念な顔はせず、嬉しそうな笑みを浮かべる。
「テアちゃんもイサクのことが好き。よかった」
どうやらテアの反応からそう確信したようだ。
だから、自分の名を口にしようとしてくれなくとも喜んでいるのだろう。
好きな人を好きな人は大切な人。全く以って彼女らしい。
「一歩一歩、少しずつ頑張ろうね。テアちゃん」
そしてテアを囲み、一層教育に熱が入るサユキ達。
その光景を、イリュファはまたもや怒りとも悲哀とも取れない複雑な感情を視線に湛えながら見詰め続けていた。
世界は当たり前に少しずつ変わっていくもの。
そんな中で俺は、テアの成長が吉兆であることを願わずにはいられなかった。
ホウゲツ学園職員寮の自室。
ゴスロリ系ワンピースのスカートを畳に広げながらペタンと座るテアに、サユキが人差し指の示す方向を一つ一つ変えながら言う。
一応、テアはそれに合わせて視線を動かしているが、それ以上の反応はない。
まあ、彼女は赤子のようなもの。そう簡単に進展はないだろう。
それでも、サユキを筆頭にリクルもフェリトも進んで教育を施そうとしている。
成果が乏しくとも投げ出すことなく。どことなく楽しそうに。
対照的に、ガラテアに強い敵意を抱いているイリュファは、複雑な顔をしながら少し離れたところでその様子を眺めるばかりだ。
外出の際、影の中にいる時も基本こんな感じらしい。
「これが鉛筆、消しゴム、紙。それから……この絵が犬、猫、鳥、魚」
実物と子供用の教材を使いながら続けるサユキだが、やはりテアは目線を動かすのみ。
ガラテアの肉体であるはずのテアだが、やはり邪気のようなものは全く感じられない。
ぼんやりとしている姿を見ていると、彼女の出自を忘れてしまいそうになる。
服を脱がして球体関節を見れば、否が応でも思い出さざるを得ないが。
そんなテアを見詰めながら、俺は自分自身とガラテアについて考えていた。
「なあ、イリュファ。ライムさんは、強かったな」
そして、若干手持無沙汰になっているイリュファに話しかける。
「…………そうですね。正直、想像を超えていました」
イリュファからすれば脈絡がなく、俺が何を言いたいのか今一分からないだろう。
それでも彼女は、表情に疑問の色を微かに浮かべながら一先ず同意を示した。
配慮ができるメイドさんである以上に、ライムさんの実力はイリュファ自身も認めざるを得ないものだったからに違いない
「そのライムさんをして決して敵わないとさえ言わしめたガラテア。そんな相手に、俺は本当に勝てるのか?」
認識操作というチート染みた能力を、少女化魔物の意思を完全に無視して使用すれば彼の実力に限界はないと言っても過言ではないはず。
それを実行するしないはともかくとして、その辺りを全く考慮に入れることなく、決して敵わないなどと言うことはないだろう。
彼はそうした可能性も含めた上でそう断言したはずだ。
「弱気になっているのですか?」
「いや、そういう訳じゃない。ライムさんにも後は任せろって言ったしな。ただ、今一勝利への見通しが立たなくてさ」
最大レベルのライムさんより上と想定すると、まるで勝ち目がないように思える。
正直、それでは困る。
救世の転生者の敗北は、世界の終わりだと言うのに。
「大丈夫です。勝ち目はあります。ただし、イサク様でなければ、救世の転生者でなければ決して生じ得ない勝ち目ですが」
「ライムさんもそんなようなことを言ってたけど、救世の転生者であるアドバンテージって前世に裏打ちされたイメージ力ぐらいのもんだぞ? 少なくとも俺の場合は」
客観的に見て、人間が出せる最高出力(この世界基準)に簡単に近づけるだけで、人外レベルの強さに至れる訳ではない、というのが正しい評価だろう。
勿論、それだけでも十分に優遇されている訳だが。
「そんな俺で倒せるってことなら、優秀な複合発露を持つ少女化魔物や少女征服者を集めて物量で押せば何とかなりそうなもんだけど……」
「強さの問題ではないのです。いえ、勿論、最低限の力は必要ですが」
「……強さの問題じゃない?」
イリュファの返答に、どういうことだと問うように繰り返す。
「特異思念集積体はご存知ですよね?」
「そりゃイリュファに教わったし。まあ、俺には余り関係ないって聞いてたけど」
特異思念集積体とは、ある特定の魔物の呼び名だ。
この世界の魔物は人間の思念の集積体であり、それ故に神話や伝説、伝承等々に登場する本来架空の存在だったものが形を伴って現れてくる。
その中には当然ながら特に有名な個体が存在したりもする。
ある種族の中で際立った強さを持ち、特別に名を持つに至った魔物。
あるいは、そもそも同時期に一体しか存在し得ない魔物。
言うなればネームドモンスター、あるいはユニークモンスターだ。
そうした魔物は人間の思念が集中するため、複合発露という訳ではないものの、時に第六位階と同等の力を放つことがあると言う。
このような魔物が特異思念集積体と呼ばれる。
並の人間にとっては、暴走した少女化魔物並の脅威だ。
とは言え、攻撃系の真・複合発露を使用できる真性少女征服者にとっては、余程特殊な逸話を持つ魔物でもない限りは敵ではない。
何故なら、あくまでも相手は魔物。少女化魔物ではないからだ。
有無を言わさず討伐しても何ら問題ない。
有効な複合発露で先制攻撃して終わりだ。
救世の転生者が出張る必要はない。
むしろ俺が手を出せば、それで生活している人間の糧を奪うことになりかねない。
「けど、それが今、何の関係が?」
頭の中で軽く整理してから、首を傾げつつイリュファに問う。
まあ、わざわざ言うくらいだから関係があるんだろうけれども。
「そうした魔物も魔物の一種です。少女化魔物になる可能性があります」
対してイリュファは、あるともないとも言わずに説明を続ける。
結論をスパッと言わずに、迂遠に前提から話すのは彼女の悪い癖かもしれない。
いや、俺も割とその傾向があるけれども。
「例えば、ライムの少女化魔物は二人共そうでした。認識操作の力を持つルシネは悪魔(シャックス)。転移能力を持つパレットは悪魔(サルガタナス)が基になった魔物です」
第六位階の認識操作と転移。どちらも破格の力だ。希少性も非常に高い。
成程。特異な魔物が基になっただけのことはある。
「逆に、何の変哲もない少女化魔物がよくも悪くも有名になり、改めて思念が集積することもあります。その場合、使用する複合発露に補正が入ったり、魔物の特徴が現れた際の副次効果が強化されたりします」
順番が後になるか先になるかの違い。
まあ、十分あり得る話だろう。何せ――。
「祈望之器、特にこの印刀ホウゲツなんかも似たような仕組みで第六位階の力を得ているはずだしな。然もありなんって感じか」
と、そこまで考えて、本題との関連性に何となく気づく。
「つまりガラテアは……」
「はい。一つの例外を除き、ガラテア程に有名な存在はいません。故に、特異思念集積体やイサク様が今おっしゃった祈望之器に近い構造で特性が付加されているのです」
「一つの例外…………つまり、救世の転生者も同じ、ってことか」
「その通りです」
人類の脅威たるガラテア。
それに対抗するための存在である救世の転生者。
世界中全ての人がそう認識しているが故に――。
「五百年の蓄積。救世の転生者のみがガラテアに勝つことができた事実が転じ、ガラテアには救世の転生者以外勝てないことが一つの法則のようなものになってしまった訳か」
「はい。その共通認識により、ガラテアには救世の転生者以外の攻撃に対して強い耐性があり、反面、救世の転生者の攻撃には弱く、有効打を与えることができるのです」
「……成程な」
ようやく理解できた。ライムさんがあそこまで頑なになっていた理由も。
いよいよ以って責任重大だと感じる。
「とは言え、無為無策で勝てる訳ではありません。十分に力を蓄えなければ」
「分かってる。とにかく相性がいいってことが分かっただけで心の曇が晴れた。一つ一つ着実に強くなれるように頑張っていくさ」
「……はい」
己を鼓舞するように意識的に声を明るくした俺の言葉に頷き、しかし、イリュファは一瞬だけ目線を揺らして表情に罪悪感を過ぎらせる。
まただ。
だが、相変わらず、その反応の理由は分からない。
聞いても、いつものようにはぐらかされるだけだろう。
もっともっと。無条件に頼ることができるぐらいに強くなることができれば、彼女の真実を知ることができるのだろうか。
小さな無力感を顔には出さないまま思う。
イリュファは最初に俺の全てを知り、それから今まで共に歩んできた仲間だ。
それだけに、可能ならばその心に寄り添いたいものだ。
そんなことを考えていると……。
「イサク、サユキ、イリュファ、リクル、フェリト……そして貴方はテア」
また振出しに戻ったサユキの言葉が耳に届く。
それに釣られるように、イリュファ共々視線をそちらに向ける。
とは言え、テアはまた視線を動かすだけだろう。
そう予測しながら彼女の目を見ると、丁度視線が合い――。
「イ……」
その口が僅かに音を発した。
「あ! テアちゃん、今声を出したですよ!!」
「イサクって言おうとしたみたいね!」
対して、リクルとフェリトが二人で盛り上がる。
かく言う俺も思わず目を見開き、割と興奮してしまった。
「テアちゃん、サユキはサユキだよ」
サユキもまた少し身を乗り出し、自分を指差しながら言う。
が、今度は視線を動かすだけで、テアは声を出すことはなかった。
それでもサユキは残念な顔はせず、嬉しそうな笑みを浮かべる。
「テアちゃんもイサクのことが好き。よかった」
どうやらテアの反応からそう確信したようだ。
だから、自分の名を口にしようとしてくれなくとも喜んでいるのだろう。
好きな人を好きな人は大切な人。全く以って彼女らしい。
「一歩一歩、少しずつ頑張ろうね。テアちゃん」
そしてテアを囲み、一層教育に熱が入るサユキ達。
その光景を、イリュファはまたもや怒りとも悲哀とも取れない複雑な感情を視線に湛えながら見詰め続けていた。
世界は当たり前に少しずつ変わっていくもの。
そんな中で俺は、テアの成長が吉兆であることを願わずにはいられなかった。
0
あなたにおすすめの小説
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
独身貴族の異世界転生~ゲームの能力を引き継いで俺TUEEEチート生活
髙龍
ファンタジー
MMORPGで念願のアイテムを入手した次の瞬間大量の水に押し流され無念の中生涯を終えてしまう。
しかし神は彼を見捨てていなかった。
そんなにゲームが好きならと手にしたステータスとアイテムを持ったままゲームに似た世界に転生させてやろうと。
これは俺TUEEEしながら異世界に新しい風を巻き起こす一人の男の物語。
ブラック国家を制裁する方法は、性癖全開のハーレムを作ることでした。
タカハシヨウ
ファンタジー
ヴァン・スナキアはたった一人で世界を圧倒できる強さを誇り、母国ウィルクトリアを守る使命を背負っていた。
しかし国民たちはヴァンの威を借りて他国から財産を搾取し、その金でろくに働かずに暮らしている害悪ばかり。さらにはその歪んだ体制を維持するためにヴァンの魔力を受け継ぐ後継を求め、ヴァンに一夫多妻制まで用意する始末。
ヴァンは国を叩き直すため、あえてヴァンとは子どもを作れない異種族とばかり八人と結婚した。もし後継が生まれなければウィルクトリアは世界中から報復を受けて滅亡するだろう。生き残りたければ心を入れ替えてまともな国になるしかない。
激しく抵抗する国民を圧倒的な力でギャフンと言わせながら、ヴァンは愛する妻たちと甘々イチャイチャ暮らしていく。
【完結】487222760年間女神様に仕えてきた俺は、そろそろ普通の異世界転生をしてもいいと思う
こすもすさんど(元:ムメイザクラ)
ファンタジー
異世界転生の女神様に四億年近くも仕えてきた、名も無きオリ主。
億千の異世界転生を繰り返してきた彼は、女神様に"休暇"と称して『普通の異世界転生がしたい』とお願いする。
彼の願いを聞き入れた女神様は、彼を無難な異世界へと送り出す。
四億年の経験知識と共に異世界へ降り立ったオリ主――『アヤト』は、自由気ままな転生者生活を満喫しようとするのだが、そんなぶっ壊れチートを持ったなろう系オリ主が平穏無事な"普通の異世界転生"など出来るはずもなく……?
道行く美少女ヒロイン達をスパルタ特訓で徹底的に鍛え上げ、邪魔する奴はただのパンチで滅殺抹殺一撃必殺、それも全ては"普通の異世界転生"をするために!
気が付けばヒロインが増え、気が付けば厄介事に巻き込まれる、テメーの頭はハッピーセットな、なろう系最強チーレム無双オリ主の明日はどっちだ!?
※小説家になろう、エブリスタ、ノベルアップ+にも掲載しております。
痩せる為に不人気のゴブリン狩りを始めたら人生が変わりすぎた件~痩せたらお金もハーレムも色々手に入りました~
ぐうのすけ
ファンタジー
主人公(太田太志)は高校デビューと同時に体重130キロに到達した。
食事制限とハザマ(ダンジョン)ダイエットを勧めれるが、太志は食事制限を後回しにし、ハザマダイエットを開始する。
最初は甘えていた大志だったが、人とのかかわりによって徐々に考えや行動を変えていく。
それによりスキルや人間関係が変化していき、ヒロインとの関係も変わっていくのだった。
※最初は成長メインで描かれますが、徐々にヒロインの展開が多めになっていく……予定です。
カクヨムで先行投稿中!
【完結】転生したら最強の魔法使いでした~元ブラック企業OLの異世界無双~
きゅちゃん
ファンタジー
過労死寸前のブラック企業OL・田中美咲(28歳)が、残業中に倒れて異世界に転生。転生先では「セリア・アルクライト」という名前で、なんと世界最強クラスの魔法使いとして生まれ変わる。
前世で我慢し続けた鬱憤を晴らすかのように、理不尽な権力者たちを魔法でバッサバッサと成敗し、困っている人々を助けていく。持ち前の社会人経験と常識、そして圧倒的な魔法力で、この世界の様々な問題を解決していく痛快ストーリー。
異世界転移からふざけた事情により転生へ。日本の常識は意外と非常識。
久遠 れんり
ファンタジー
普段の、何気ない日常。
事故は、予想外に起こる。
そして、異世界転移? 転生も。
気がつけば、見たことのない森。
「おーい」
と呼べば、「グギャ」とゴブリンが答える。
その時どう行動するのか。
また、その先は……。
初期は、サバイバル。
その後人里発見と、自身の立ち位置。生活基盤を確保。
有名になって、王都へ。
日本人の常識で突き進む。
そんな感じで、進みます。
ただ主人公は、ちょっと凝り性で、行きすぎる感じの日本人。そんな傾向が少しある。
異世界側では、少し非常識かもしれない。
面白がってつけた能力、超振動が意外と無敵だったりする。
元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる