ロリコン村の転生英雄~少女化した魔物達の最強ハーレムで世界救済~

青空顎門

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第5章 治癒の少女化魔物と破滅欲求の根源

231 水着のお披露目

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「イサク、どう? 似合ってる?」

 そう真っ先に問いかけてきたのは、ログハウスで着替えた女性陣ではなく影の中で水着になって飛び出してきたサユキ。
 まだスノーフェアリーの魔物だった頃、俺と一緒に作り上げた着物に並々ならぬ愛着を持つ彼女は別の服を余り好まないのだが、今は水着を着て御機嫌な様子だ。
 店では軽く一悶着あったのだが、完全オーダーメイドで雪の結晶があしらわれた柄も形状も普段の着物に似せたものを作って貰ったおかげだ。

「ああ、似合ってる。サユキらしくて可愛い」

 裾がミニ丈の着物のようなシルエットになっているワンピースタイプの水着で、肩は露出しているが、腕の辺りには小さめの振袖がついている。
 泳ぎにくいことこの上なさそうだが、海を楽しむ気持ちになることが最重要だ。
 その点において、この水着は十分役目を果たしていると言えるだろう。

「えへへー、ありがと。イサク」

 それでも肌面積は普段より確実に広いので、お礼と共に嬉しそうに抱き着かれると雪女の少女化魔物ロリータらしいヒンヤリとした柔らかい彼女の肌が感じられた。
 ……しかし、初っ端から色物な水着が来てしまったな。
 これでは正統派の水着の影が薄くなってしまいそうだ。

「サユキ、はしたないですよ」

 と、続いて影から出てきたイリュファが窘めるように言う。
 その彼女もまた色物寄りの水着だ。
 ビキニタイプながらメイド服っぽい配色の装飾が各所に散見され、特にミニスカートつきのボトムにはエプロン風の前かけが縫いつけられている。
 これもまた実に彼女らしい拘りのオーダーメイド品だ。
 チラッと問うようにこちらを見るイリュファに応えて微笑むと、彼女は安堵したように微かに表情を和らげてからサユキに顔を向けた。

「後がつかえていますから、戻りましょう」
「はーい」

 その言葉にサユキは素直に応じると再び影の中に入り、イリュファも後に続く。
 二人は雪女とゴーストの少女化魔物だからなのか、夏の昼間の浜辺で遊ぶつもりはないらしい。あるいは、テアへの配慮もあるかもしれないが。
 ともかく、次いで二人の代わりにリクルとフェリト、そしてアスカが出てくる。

「ご主人様、どうでしょうか、です」

 少し恥ずかしげなリクルは何故かスクール水着。
 さすがに胸元に平仮名で名前が書いてあったりはしないが、前の色物水着二人組のせいで色物枠に入り込んでしまっている感がある。
 まあ、それは俺の主観だけれども。
 とは言え、だ。

「いいと思うぞ。リクルらしい」

 似合っているのは間違いない。
 ノーマルな人の道を誤らせることもできそうなぐらいだ。
 そんな俺の感想を受け、リクルは両手を前で組んでモジモジしながらも嬉しそうに「ありがとうございます、です」と呟いた。
 正直、人外ロリコンには毒だ。
 その姿に口元が緩みそうになるのを表情筋を使って隠しながら、その一環として隣に視線を移して首を傾げる。

「…………フェリトは、どういう反応なんだ? それ」

 俺の視界には、顔を真っ赤にして明後日の方向を向いている彼女の姿。
 しかし、フェリトの水着は上がキャミソールっぽい形状、下はホットパンツタイプというセパレートタイプで、見た目普段と全く変わらない感じだった。
 別に露出が増えている訳でもない。

「環境が違えば気分も違うでしょ!」

 対してフェリトはそう不機嫌そうに言うと、そのまま口を噤んでしまった。
 まあ、彼女の場合は普段の恰好が普段の恰好だけに、いつもと違う感じを出すのに露出を増やす方向では難しい。不可能ではないが、効果が少し乏しくなる。
 弟達の手前、過激な格好をされても困るしな。
 かと言って、魔物だった頃の感覚が彼女は特に嗜好に反映されているからか、余り腕や足を布で覆いたくないらしいから、露出を減らすとストレスがあるだろう。
 色々と慮った結果、普段通りな感じに落ち着いてしまったに違いない。
 あるいは、フェリトの言動はそれを恥じているが故なのか。

「まあ……けど、安心感があって悪くないと思うぞ。特別特別ばかりじゃ疲れるからな。フェリトがいつも通りだとホッと落ち着ける」
「そ、そう」

 自分で言っていてフォローになっているかどうか今一分からなかったが、とりあえずフェリトは安心したような反応を示してくれた。
 そんな彼女の様子に胸を撫で下ろし、次にアスカに目を向ける。

「主様、ワタシはどうでございまするか?」

 待ち構えていたように尋ねた彼女は、俺のせいで普段着が改造巫女服となって割と色物枠になってしまっている感もあったが、服には特に拘りがないらしい。
 彼女はその系統を踏襲せず、割とスタンダードなビキニを選んでいた。
 水着自体に特筆すべきところは余りない。
 ただ、俺と真性少女契約を結んでいる中では実は胸部装甲が最も厚く、首のところで吊る形になっているトップスがそれを激しく強調させている。
 空の覇者の貫禄とでも言うべきものがある。

「アスカは、無自覚に自分の武器を理解してるみたいだな」

 まだ社会に馴染んでいる訳ではないはずだが、末恐ろしいとでも言うべきか。
 アスカは俺の言葉の意味をちゃんと理解できている訳ではないようだったが、一先ず褒められたと受け取ったのか「ありがとうございます」と応じた。
 それで三人共満足したようで、パラソルやシートなどの設置に加わり始める。

「旦那様、お待たせしました」

 丁度そのタイミングでログハウスで着替えていた女性陣が浜辺に到着し、レンリが俺の目の前で披露するように一度立ち止まってから隣に来て腕を取った。
 彼女の水着はフリッフリのフリル満載なセパレートタイプ。
 黄金色の髪とエメラルドの瞳、そして西洋的な顔立ちによって見た目は間違いなく美少女である彼女は、むしろ色物でない方が魅力を引き立たせることができる。
 合法ロリであることを無視し、外見との相性だけを考えるなら相応に幼い感じの水着の方がいいだろうと選んだのがこれだった。
 実際に着用しているところを見ても、正解だったと思う。
 そんな俺の内心を見抜いたように、レンリは隣で得意げな笑顔を浮かべていた。

「あ、あの、イサク君。おかしくないでしょうか」

 続いて、出遅れた、という感じに若干落ち込みながらルトアさんが前に来る。
 彼女の水着は何の変哲もない、特に際どくもない普通のビキニだったが、その上にガーリーな長袖のパーカーを羽織っているその一点で何とも可愛らしく感じる。
 普通と普通の組み合わせでグッとくる感じを出してくるのは、ルトアさんのセンスが非常に優れている証拠だろう。
 それでも素朴の領域を出ないところが、俺としては特に好感が持てる。

「おかしくなんてありません。とても可愛いですよ」
「かっ……あ、ありがとうございます、イサク君。嬉しいです!」

 俺の評価に彼女ははにかみながら言い、小走りでレンリの逆側に収まった。
 その姿に若干苦笑してから。
 俺は視界の中にいる大分反応に困る一人に向け、少々躊躇いながら口を開く。

「…………あの、ラハさん。何ですか、それは」

 彼女はいわゆるスリングショット。それも布面積が狭い過激なものを着ていた。
 ラハさんは少女の範疇ながら背が非常に高いため、妙な妖艶さが醸し出されている。アスカに負けず劣らず胸も大きいから尚のことだ。露出はその比ではないが。
 しかし、特異思念集積体コンプレックスユニークは皆、胸部装甲が厚いのだろうか。
 いや、それは一先ずどうでもいいとして、年端も行かない子供達の前で余り過激な格好をして欲しくないのだが……。

「あの、ラハさん……」
「海の覇者、リヴァイアサンの少女化魔物たるこのワタクシが、海でどのような格好をしていようと文句を言われる筋合いはありません。本当なら水着など無用ですので、感謝して欲しいぐらいです」

 彼女はキッパリと言い放つ。
 これもまた残存する魔物としての感覚の問題か。
 それがどこに強く反映されるかは少女化魔物によって異なるが、社会に適応させるために我慢させるのは程々にしてあげたいとは俺も思わなくもない。
 今回のラハさんのケースはもう少し何とかして欲しいところだけれども……。
 もはやマイクロビキニとかを着てきたり、一人ヌーディストビーチとかをされるよりは幾分かマシだと考えるしかないか。
 三大特異思念集積体は力で鼻っ柱を折らない限り、基本的に唯我独尊らしいし。
 露出の少ない水着を着せるため、なんて酷い理由で旅先で戦闘などしたくない。
 なので諦めの気持ちと共に嘆息し、祈念魔法か何かで前世のアニメのように謎の光でも発生させればいいかな、と思いながらセト達の様子を見る。

「これは、潜水できるようになる帽子を複製改良して作った水着ッス。後でトバル君の分も複製して一緒に潜水してみるッス」
「う、うん」

 グイグイ行くヘスさんに、若干視線を彷徨わせながら頷くトバル。
 オフショルダーで肩は出ているものの、それ以外は比較的大人しめの水着に、しかし、彼はドギマギしているようだ。
 近くにいるセトの視線は、全く冒険していない年相応のワンピースタイプの水着を着たラクラちゃんに釘づけ。
 やはり、何を着ているかよりも誰が着ているかの方が大事、とでも言うべきか。
 ダンは、まだまだ遊ぶことの方が色気よりも優先順位が遥かに高いらしく、昨日買ってきた遊び道具の準備を率先して行っている。
 ライムさんは思わず視線が向いてしまい、競泳水着のルシネさんと何故かウェットスーツをチョイスしたパレットさんに睨まれているが……。
 それは男のさがというものだと擁護しておきたい。
 何にせよ、子供達があの調子なら、ラハさんの状態も気にしなくていいだろう。
 ちなみに俺達はブーメランなライムさんを除き、皆トランクスタイプ。以上だ。

「あんちゃん、早く遊ぼっ!」
「そうだな。何して遊ぶ?」
「えっとね――」
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