第3次パワフル転生野球大戦ACE

青空顎門

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第1章 雌伏の幼少期編

003 誕生前のステ振り

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 …………俺は、野球という競技そのものは好きだ。
 けど、いつからかプロ野球の試合を観戦したりすることはほぼなくなった。
 特定の球団や選手個人のファンでもなくなった。
 精々、野球速報で全体の動向を眺めるぐらいだ。
 プロ野球は野球ゲームの元ネタという程度の認識。それ以上でも以下でもない。

 そんな歪な形の野球好きになってしまった原因は、幼少期の出来事にある。
 好きになった野球選手がことごとく怪我に苦しみ、衰え、野球人生を潰されて悲嘆にくれる姿や全盛期の力を失ってもがき苦しむ姿を目にしてきたからだ。
 勿論、スポーツに怪我はつきものだ。
 それは何も野球に限った話じゃない。
 怪我との戦い、怪我からの復帰は1つのドラマの如く扱われることもある。
 しかし、人々感動を呼び起こす美談として完成するのは一握り。
 苦痛の中で散っていった者の方が遥かに多いだろう。
 俺はそんな苦しみはなければない方がいいと思うし、個人的には見たくもない。
 だから野球ゲームをする中でも試合やペナントレースモードでは怪我しない設定にしているし、育成モードでも怪我率0%の練習しかしてこなかった。

 ……再び意識を取り戻した時、何故か俺はそんなことを思い出していた。

 って、いやいや。
 ここはどこだ?
 目は何だか開かないし、体の動きも鈍い。鈍過ぎる。
 どういう状況なの、これ。

 心の中で首を傾げながら、現状を把握しようとしていると――。
 突然、ウインドウのようなものが瞼の裏に表示された。

『現在、貴方は生まれる前の状態です。【成長タイプ:マニュアル】が設定されていますが、能力ポイントの自動割り振りを行いますか? YES/NO』
『1時間経っても選択されない場合、能力ポイントが自動で割り振られます』
『これは出生時の例外的な処置です』

 ゲームのようなフォントでそんなことが書かれている。
 ……これがあの野球狂神が言っていた特別な力なのか?
 よく分からないけど、文章を読んだ限りNO一択だろう。
 そう考えると俺の意思に反応したようにNOが選択されて、文章が変化する。

『マニュアルでの能力ポイント割り振りが選択されました。能力の割り振りを開始して下さい。制限時間は1時間です』

 制限時間、ね。

 多分、俺は後1時間で生まれるのだと思う。
 それまでに色々操作しなければならないようだ。

 続けて新しいウインドウが開く。
 今度は俺がやっていた野球ゲームに似たステータス画面。
 そして能力割り振りのUIだった。

☆成長タイプ:マニュアル
残り経験ポイント500
【Bat Control】▼△
   1(G)
【Swing Power】▼△
   1(G)
【Total Agility】▼△
   1(G)
【Throwing Accurate】▼△
   1(G)
【Grabbing Technique】▼△
   1(G)
【Pitching Speed】▼△
   10     
【Total Vitality】▼△
   1(G)
【Pitching Accurate】▼△
   1(G)
ポジション適性へ⇒
変化球取得画面へ⇒
スキル取得画面へ⇒

 ……とりあえず、ゲームと同じだと仮定しよう。
 上から説明すると、
【Bat Control】はミート力に関わり、数値が高ければペナントモードでは打率が上がる。
【Swing Power】は打球速度に関わり、ホームランが増えて長打率も上がる。
【Total Agility】は敏捷性に関わり、走塁や打球を追いかける時の速さが上がる。
【Throwing Accurate】は送球の正確さに関わり、球が逸れにくくなる。
【Grabbing Technique】は捕球技術に関わり、エラーしにくくなって送球動作が速くなる。
【Pitching Speed】は球速。送球のスピードにも関わる。
【Total Vitality】はスタミナ。投球数が増えても能力が低下しにくくなる。
【Pitching Accurate】は投球時のコントロール。四球や失投が減る。
 数値の横にあるアルファベットは現在のランクで、軽くポイントを割り振ってみた感じ、ゲームと同じくG、G+、F、F+、E、E+、D、D+、C、C+、B、B+、A、A+、S、S+、SS、SS+の18段階評価と思われる。
 0~100がG、101~200がG+で後は50ずつランクが上がっていく。
 カンストは1000……のはずだ。

 完全に野球用のステータスだな。
 学力とか別のところに割り振ることはできないらしい。
 ともあれ、一先ずステータスとポジション適性、変化球は後にしてスキルを見てみることにする。

生得スキル(ここでのみ取得可能) 必要経験ポイント200P
・マニュアル操作 取得済み
・離見の見    取得済み
・早熟
・超早熟
・晩成
・超晩成
・以心伝心
・衰え知らず
・直感
・怪我しない
   ・
   ・
   ・

通常スキル 必要経験ポイント50P
・長距離打者
・鋭い打球
・精神集中
・得点圏〇
・華麗な守備
・幸運の置物
・元気印
・観察
・全力プレイ
・体は覚えている
   ・
   ・
   ・

極みスキル 必要経験ポイント100P
・月に向かって打て       現在取得不可
・逆方向に引っ張る       現在取得不可
・無我の境地          現在取得不可
・星の巡り合わせ        現在取得不可
・俺がヒーロー         現在取得不可
・聖域             現在取得不可
・勝利の大黒様         現在取得不可
・お散歩            現在取得不可
・身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ 現在取得不可
・昔取った杵柄         現在取得不可
   ・
   ・
   ・

 ここはゲームと違う部分もあるな。
 まず【通常スキル】、これはゲームと同じ。
 スキルが発動すると能力が変動する。発動条件はスキルによって異なる。
 次に【極みスキル】、これもゲームにあった。
 一定の条件を満たすと取得できる【通常スキル】の上位互換だ。
【通常スキル】より能力の変動割合が大きくなる。
 最後に【生得スキル】、これはゲームになかった。
 どうやら生まれながらに持つ能力のようだ。
 補足にある通り、ここでしか取得できないらしい。

 どうも、この【生得スキル】で既に取得済みの二つが特別な力に該当するようだ。
【マニュアル操作】と【離見の見】というスキル。
 詳細を見ると前者は【成長タイプ:マニュアル】の時に能力割り振りができるようになるらしい。
 後者は三人称視点で体を操作することができるそうだ。
 野球ゲームの視点みたいな感じだろうか。

 まあ、ともかく。
 制限時間があるのだから【経験ポイント】を割り振るとしよう。

 ただ、能力の傾向にしても、変化球にしてもトレンドというものがある。
 とりあえず、生まれる世界の野球のレベルを確認してからの方がよさそうだ。
 今選ぶべきは、ここでしか取得できないという【生得スキル】だろう。
【残り経験ポイント】的に2つ選んで、後は生まれてから割り振ればいい。

 では、何を選ぶのか。
 俺は迷わなかった。
 ある種のトラウマを思い出していたからかもしれない。
 忌むべき怪我、そして衰え。
 それを避けることができる力が、何と【生得スキル】にあった。

▽取得スキル一覧
  名称    分類
・怪我しない 生得スキル
・衰え知らず 生得スキル

 残りポイントは100だが、これは全残し。
 …………1時間もいらなかったな。
 残りの時間は他のスキルの詳細でも眺めて過ごそうか。
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