9 / 435
第1章 雌伏の幼少期編
009 成長タイプ
しおりを挟む
限られた行動範囲の中で、ひたすらせわしなく動き回る。
そんな日々を過ごす内に月日は流れていき……。
俺が転生してから1年と少しの時間が経った。
最近、ちょっとだけ日常に変化が生じた。
「では、秀治郎。今日もいい子でいて下さいね」
ここは家から少し離れたところにある保育園。
保育士さんに抱かれた俺の頭を優しく撫でてから、母さんが去っていく。
俺が1歳になったので育児休暇の期間が終わり、仕事に復帰したのだ。
両親が働いている間、俺はここに預けられている。
今、俺が割り振られているのは乳児クラス。
他の子供達は生後半年ぐらいから2歳までの15人ぐらい。
新たな出会いに、俺の将来の仲間がいないものかと最初は期待したのだが……。
状態/戦績/関係者/▽プレイヤースコープ
・佐々岡信二(成長タイプ:テクニック) 〇能力詳細 〇戦績
BC:38 SP:15 TAG:29 TAC:38 GT:39
PS:66 TV:41 PA:49
好感度:1/100
・大木孝之(成長タイプ:バランス) 〇能力詳細 〇戦績
BC:29 SP:30 TAG:30 TAC:29 GT:33
PS:69 TV:57 PA:33
好感度:2/100
・倉敷三美(成長タイプ:パワー) 〇能力詳細 〇戦績
BC:15 SP:71 TAG:16 TAC:22 GT:28
PS:70 TV:69 PA:16
好感度:1/100
・
・
・
一通り【プレイヤースコープ】で見た限り、俺がステータスを操作できる【成長タイプ:マニュアル】の子は1人もいなかった。
どうやら比較的レアな存在らしい。
保育士さん達の中にも見当たらない。
【成長タイプ:マニュアル】=致命的な運動音痴。
そう考えると、前世で1クラスに1人か2人いた謎レベルで運動に対して不器用な子、ぐらいの割合しかいないのかもしれない。
もう少し行動範囲が増えないと、中々出会えなさそうだ。
……こうなってくると、保育園でできることも限られてくる。
結局のところ、家にいる時とそう変わらない。
ほとんど場所が変わっただけだ。
1歳になる少し前から歩けるようになったので。
限られた空間を歩いて、歩いて歩いて歩いて。
ひたすら動き回る。
少しでも【経験ポイント】を多く稼ぐために。
「秀治郎ちゃんは本当に元気ねえ……」
「他の子より動くから、一層目を離せなくて大変だわ」
デメリットは保育士さん達に半ば要注意人物扱いされてしまうことだが……。
さすがに前世で成人した身としては、一般的な幼児生活は苦痛極まりない。
日々の【経験ポイント】の増加量に一喜一憂し、徐々に増えていくステータスの数値を眺めてニマニマするぐらいしか楽しみがないのだ。
……幼児だからギリギリ許されるが、大人だったら変態だな。
心の中で苦笑しながら、尚歩く。
「ああ、そっちは――」
む。とめようとしている気配。
よし。方向転換しよう。
「…………ちゃんと危なそうなところは避けるのよねえ」
「他の子よりも何だか色々理解してそうな感じがするけど……」
「だからって目を離していい訳ないものね」
「……理解してくれてるなら、少しは落ち着いて欲しいわ」
いや、本当にごめんなさい。
……けど、悪いのは俺じゃない。
全て野球狂神が悪いのだ。
脅された訳じゃないけれど、相手は身勝手極まりない神。
ある程度は要求通りにしないと天罰がくだる可能性もなくはない。
そうならないためにも、可能な限りステータスを上げて使命に対して積極的な素振りを見せておく必要がある。
まあ、親孝行の最短ルートとして利用しようとしてる部分もあるし、野球ゲームオタクとして超長期的な育成モードを楽しんでる側面もなくはないけども……。
根本的には、この世界の創造主の責任だ。
心の中で言い訳しつつ、尚も全く自重せずに動き回る。
そんなこんなで保育士さん泣かせの腕白幼児を続けること約2年。
この小さな保育所にて。
後の世に多大な影響を与えることになる出会いが生まれようとしていた。
そんな日々を過ごす内に月日は流れていき……。
俺が転生してから1年と少しの時間が経った。
最近、ちょっとだけ日常に変化が生じた。
「では、秀治郎。今日もいい子でいて下さいね」
ここは家から少し離れたところにある保育園。
保育士さんに抱かれた俺の頭を優しく撫でてから、母さんが去っていく。
俺が1歳になったので育児休暇の期間が終わり、仕事に復帰したのだ。
両親が働いている間、俺はここに預けられている。
今、俺が割り振られているのは乳児クラス。
他の子供達は生後半年ぐらいから2歳までの15人ぐらい。
新たな出会いに、俺の将来の仲間がいないものかと最初は期待したのだが……。
状態/戦績/関係者/▽プレイヤースコープ
・佐々岡信二(成長タイプ:テクニック) 〇能力詳細 〇戦績
BC:38 SP:15 TAG:29 TAC:38 GT:39
PS:66 TV:41 PA:49
好感度:1/100
・大木孝之(成長タイプ:バランス) 〇能力詳細 〇戦績
BC:29 SP:30 TAG:30 TAC:29 GT:33
PS:69 TV:57 PA:33
好感度:2/100
・倉敷三美(成長タイプ:パワー) 〇能力詳細 〇戦績
BC:15 SP:71 TAG:16 TAC:22 GT:28
PS:70 TV:69 PA:16
好感度:1/100
・
・
・
一通り【プレイヤースコープ】で見た限り、俺がステータスを操作できる【成長タイプ:マニュアル】の子は1人もいなかった。
どうやら比較的レアな存在らしい。
保育士さん達の中にも見当たらない。
【成長タイプ:マニュアル】=致命的な運動音痴。
そう考えると、前世で1クラスに1人か2人いた謎レベルで運動に対して不器用な子、ぐらいの割合しかいないのかもしれない。
もう少し行動範囲が増えないと、中々出会えなさそうだ。
……こうなってくると、保育園でできることも限られてくる。
結局のところ、家にいる時とそう変わらない。
ほとんど場所が変わっただけだ。
1歳になる少し前から歩けるようになったので。
限られた空間を歩いて、歩いて歩いて歩いて。
ひたすら動き回る。
少しでも【経験ポイント】を多く稼ぐために。
「秀治郎ちゃんは本当に元気ねえ……」
「他の子より動くから、一層目を離せなくて大変だわ」
デメリットは保育士さん達に半ば要注意人物扱いされてしまうことだが……。
さすがに前世で成人した身としては、一般的な幼児生活は苦痛極まりない。
日々の【経験ポイント】の増加量に一喜一憂し、徐々に増えていくステータスの数値を眺めてニマニマするぐらいしか楽しみがないのだ。
……幼児だからギリギリ許されるが、大人だったら変態だな。
心の中で苦笑しながら、尚歩く。
「ああ、そっちは――」
む。とめようとしている気配。
よし。方向転換しよう。
「…………ちゃんと危なそうなところは避けるのよねえ」
「他の子よりも何だか色々理解してそうな感じがするけど……」
「だからって目を離していい訳ないものね」
「……理解してくれてるなら、少しは落ち着いて欲しいわ」
いや、本当にごめんなさい。
……けど、悪いのは俺じゃない。
全て野球狂神が悪いのだ。
脅された訳じゃないけれど、相手は身勝手極まりない神。
ある程度は要求通りにしないと天罰がくだる可能性もなくはない。
そうならないためにも、可能な限りステータスを上げて使命に対して積極的な素振りを見せておく必要がある。
まあ、親孝行の最短ルートとして利用しようとしてる部分もあるし、野球ゲームオタクとして超長期的な育成モードを楽しんでる側面もなくはないけども……。
根本的には、この世界の創造主の責任だ。
心の中で言い訳しつつ、尚も全く自重せずに動き回る。
そんなこんなで保育士さん泣かせの腕白幼児を続けること約2年。
この小さな保育所にて。
後の世に多大な影響を与えることになる出会いが生まれようとしていた。
10
あなたにおすすめの小説
追放料理人とJKの異世界グルメ無双珍道中〜ネットスーパーは最強です〜
音無響一
ファンタジー
わーい、異世界来ちゃった!
スキルスキル〜何かな何かな〜
ネットスーパー……?
これチートでしょ!?
当たりだよね!?
なになに……
注文できるのは、食材と調味料だけ?
完成品は?
カップ麺は?
え、私料理できないんだけど。
──詰みじゃん。
と思ったら、追放された料理人に拾われました。
素材しか買えない転移JK
追放された料理人
完成品ゼロ
便利アイテムなし
あるのは、調味料。
焼くだけなのに泣く。
塩で革命。
ソースで敗北。
そしてなぜかペンギンもいる。
今日も異世界で、
調味料無双しちゃいます!
異世界での異生活 ~騎士団長の憂鬱~
なにがし
ファンタジー
成人年齢15歳、結婚適齢期40~60歳、平均寿命200歳の異世界。その世界での小さな国の小さな街の話。
40歳で父の跡を継いで騎士団長に就任した女性、マチルダ・ダ・クロムウェル。若くして団長になった彼女に、部下達はその実力を疑っていた。彼女は団長としての任務をこなそうと、頑張るがなかなか思うようにいかず、憂鬱な日々を送る羽目に。
そんな彼女の憂鬱な日々のお話です。
セーブポイント転生 ~寿命が無い石なので千年修行したらレベル上限突破してしまった~
空色蜻蛉
ファンタジー
枢は目覚めるとクリスタルの中で魂だけの状態になっていた。どうやらダンジョンのセーブポイントに転生してしまったらしい。身動きできない状態に悲嘆に暮れた枢だが、やがて開き直ってレベルアップ作業に明け暮れることにした。百年経ち、二百年経ち……やがて国の礎である「聖なるクリスタル」として崇められるまでになる。
もう元の世界に戻れないと腹をくくって自分の国を見守る枢だが、千年経った時、衝撃のどんでん返しが待ち受けていて……。
【お知らせ】6/22 完結しました!
落ちこぼれの貴族、現地の人達を味方に付けて頑張ります!
ユーリ
ファンタジー
気がつくと、見知らぬ部屋のベッドの上で、状況が理解できず混乱していた僕は、鏡の前に立って、あることを思い出した。
ここはリュカとして生きてきた異世界で、僕は“落ちこぼれ貴族の息子”だった。しかも最悪なことに、さっき行われた絶対失敗出来ない召喚の儀で、僕だけが失敗した。
そのせいで、貴族としての評価は確実に地に落ちる。けれど、両親は超が付くほど過保護だから、家から追い出される心配は……たぶん無い。
問題は一つ。
兄様との関係が、どうしようもなく悪い。
僕は両親に甘やかされ、勉強もサボり放題。その積み重ねのせいで、兄様との距離は遠く、話しかけるだけで気まずい空気に。
このまま兄様が家督を継いだら、屋敷から追い出されるかもしれない!
追い出されないように兄様との関係を改善し、いざ追い出されても生きていけるように勉強して強くなる!……のはずが、勉強をサボっていたせいで、一般常識すら分からないところからのスタートだった。
それでも、兄様との距離を縮めようと努力しているのに、なかなか縮まらない! むしろ避けられてる気さえする!!
それでもめげずに、今日も兄様との関係修復、頑張ります!
5/9から小説になろうでも掲載中
『三度目の滅びを阻止せよ ―サラリーマン係長の異世界再建記―』
KAORUwithAI
ファンタジー
45歳、胃薬が手放せない大手総合商社営業部係長・佐藤悠真。
ある日、横断歩道で子供を助け、トラックに轢かれて死んでしまう。
目を覚ますと、目の前に現れたのは“おじさんっぽい神”。
「この世界を何とかしてほしい」と頼まれるが、悠真は「ただのサラリーマンに何ができる」と拒否。
しかし神は、「ならこの世界は三度目の滅びで終わりだな」と冷徹に突き放す。
結局、悠真は渋々承諾。
与えられたのは“現実知識”と“ワールドサーチ”――地球の知識すら検索できる探索魔法。
さらに肉体は20歳に若返り、滅びかけの異世界に送り込まれた。
衛生観念もなく、食糧も乏しく、二度の滅びで人々は絶望の淵にある。
だが、係長として培った経験と知識を武器に、悠真は人々をまとめ、再び世界を立て直そうと奮闘する。
――これは、“三度目の滅び”を阻止するために挑む、ひとりの中年係長の異世界再建記である。
異世界スローライフ希望なのに、女神の過保護が止まらない
葉泪秋
ファンタジー
HOTランキング1位感謝です!(2/3)
「小説家になろう」日間ランキング最高11位!(ハイファンタジー)
ブラック企業で過労死した俺、佐久間遼。
神様に願ったのは、ただ「異世界で、畑でも耕しながらのんびり暮らしたい」ということだけ。
そうして手に入れた、辺境の村での穏やかな日々。現状に満足し、今度こそは平穏なスローライフを……と思っていたのだが、俺の妙なスキルと前世の社畜根性が、そうはさせない。
ふとした善意で枯れた井戸を直したことから、堅物の騎士団長やら、過保護な女神やらに目をつけられることになる。
早く穏やかに暮らしたい。
俺は今日も、規格外に育った野菜を手に、皆の姿を眺めている。
【毎日18:00更新】
※表紙画像はAIを使用しています
勇者召喚の余り物ですが、メイド型アンドロイド軍団で冒険者始めます
水江タカシ
ファンタジー
28歳独身、一般事務の会社員である俺は、勇者召喚に巻き込まれて異世界へと転移した。
勇者、聖女、剣聖――
華やかな肩書きを持つ者たちがもてはやされる中、俺に与えられたのは聞いたこともないスキルだった。
【戦術構築サポートAI】
【アンドロイド工廠】
【兵器保管庫】
【兵站生成モジュール】
【拠点構築システム】
【個体強化カスタマイズ】
王は落胆し、貴族は嘲笑い、俺は“役立たず”として王都から追放される。
だが――
この世界には存在しないはずの“機械兵器”を、俺は召喚できた。
最初に召喚したのは、クールな軍人タイプのメイド型戦闘アンドロイド。
識別番号で呼ばれる彼女に、俺は名前を与えた。
「今日からお前はレイナだ」
これは、勇者ではない男が、
メイド型アンドロイド軍団と共に冒険者として成り上がっていく物語。
屋敷を手に入れ、土地を拠点化し、戦力を増強しながら、
趣味全開で異世界を生きていく。
魔王とはいずれ戦うことになるだろう。
だが今は――
まずは冒険者登録からだ。
木を叩いただけでレベルアップ⁉︎生まれついての豪運さんの豪快無敵な冒険譚!
神崎あら
ファンタジー
運動も勉強も特に秀でていないがめっちゃ運が良い、ただそれだけのオルクスは15歳になり冒険者としてクエストに挑む。
そこで彼は予想だにしない出来事に遭遇する。
これは初期ステータスを運だけに全振りしたオルクスの豪運冒険譚である。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる