第3次パワフル転生野球大戦ACE

青空顎門

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第1章 雌伏の幼少期編

026 授業開始(歴史と体育)

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 小学1年生の授業が始まって数日が経った。
 正直、児童向けの内容を再び学び直すことに最初は辟易していたが……。
 子供に興味を持たせようと色々工夫がなされているおかげだろう。
 意外と問題なく過ごすことができていた。

 大人の試行錯誤を分析しながらだと教科書も面白い。
 生活、図工、道徳とかは特に、純粋に懐かしくて楽しめる部分もある。
 最悪、柔らかいボールでもニギニギして握力強化に努めていればいいしな。
 書き取りや単純計算も、速さを意識して行えば微量ながら【経験ポイント】を得ることができる。
 そう考えれば、2度目の義務教育もやっていけそうだ。

「さて、皆さんは世界野球大戦WBWがどのようにして始まったのか知っていますか?」

 そして今は生活の授業。
 今日はその中でも大分歴史に寄った内容のようだ。

「分かる人、手を挙げて下さい」

 すなお先生の呼びかけに、何人かの生徒が手を挙げる。

「では、浜中さん」
「はい! せんそうはわるいことでひとがしんじゃうけど、やきゅうならひとがしなないからです!」
「そうですね。よくできました」

 褒められた浜中美海ちゃんは、満足そうな笑顔で席につく。
 ちょっと論が飛躍してる感もある。
 けど、こちらの世界の住人だと割と繋がってる話なのだ。
 その辺り、すなお先生は一呼吸置いてから説明を始めた。

「今から100年程前。世界大戦と呼ばれる大きな戦争がありました。それまでも色々な場所で戦争はありましたが、あれ程数多くの国が参加した戦争は後にも先にも1回だけです」

 野球狂神も軽く触れていたことだが、この世界は途中まで前世の歴史を踏襲しているらしい。野球を存在させるために。
 すなお先生の言う世界大戦というのは、前世で言う第1次世界大戦のことだ。
 しかし、彼女が言った通り。その後は世界の覇権は勿論のこと、ちょっとした国家間のいざこざも野球で決着をつけるように意識を改変された。
 そのため、第2次世界大戦は起きていない。
 だから、第1次世界大戦ではなく、単なる世界大戦と呼ばれている。

「多くの犠牲者が出て、ようやく人々は戦争の愚かさを知り、野球という人類の英知の結晶で争いごとを収めるようになった訳ですね」

 まあ、前世の価値観を残す俺からすると違和感が凄いけど……。
 全ては神の強制力のせいだ。
 コ〇コ〇コミックとかで、玩具が世界に対して意味不明な程の影響力を持ってたりするのと似たようなもんだろう。

 ちなみに第1次世界大戦は前世よりも早い段階で終戦を迎えたのだが、この時に神の強制力によって国境線は21世紀仕様で引き直されたようだ。
 歴史の積み重ねもなく、段階を踏むこともなく突然そうなったことで起こった混乱もあったらしいが、それはまた別の話だ。
 いずれにしても、全て野球で解決したとだけ言っておこう。

 ……おっとチャイムだ。
 生活の時間は終わりだな。
 次は――。

「さて、次の時間は体育です。
 皆さん、体操着に着替えてグラウンドに行きましょう」
「「「はーい!」」」

 着替えは男女別。
 男子は体操着を持って空き教室で着替えてくる。
 まだ授業が始まって数日だが、もう慣れたものだ。
 と言うのも、前世よりも明らかに体育の回数が多いからだ。
 野球の重要性が高過ぎるせいで、教育の指針も前世とは別ものなのだろう。

「今日からはティーボールをするための練習をします。1人1個グローブを取っていって下さい」

 グラウンドに芋っぽいジャージ姿で現れたすなお先生は、グローブが乱雑に入った籠を運んできていた。
 1年生用と書かれたラベルが見える。
 体育用の備品のようで、ちょっとボロい。
 横に置かれた箱の中に収められたボールも何だか汚れている。

「では、キャッチボールをしてみましょう」

 む。まさか2人組を作れとか言い出すのか?
 まあ、今の俺にはあーちゃんがいるけど……。
 このクラスの人数は29人。
 奇数だから、下手をすると誰かが泣くことになりかねないぞ。
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