鹿野村

手拭い太郎

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第二部:真実を追う者

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 事件から三年後、鹿野村は深い霧に包まれたまま、時間の流れから取り残されたかのように、静かに廃村となっていた。かつての集落の面影は、蔦に覆われた廃屋や、崩れかけた鳥居に残るのみ。村の入り口に立つコウジは、制服の襟を正し、深く息を吸い込んだ。彼はもう、あの日の少年ではない。警察官となり、この惨劇の真相を追う立場にいた。

「タカシ…お前は、本当にやったのか?」

 彼の脳裏には、いつも優しい笑顔を浮かべていた幼馴染の姿が焼き付いている。温厚で、争いを好まず、ただ村の未来を憂えていた青年。そんな彼が、どうして村人30人を殺害するような凶行に及んだのか。警察はタカシを第一容疑者として捜査を続けていたが、コウジはその結論に納得できなかった。彼の心の中には、事件の夜から消えない、一つの違和感があった。

 それは、ゲンゾウの遺体と、そのそばに落ちていた刃物だ。村人たちがタカシの犯行だと決めつけた直接的な証拠だったが、コウジにはその状況が不自然に思えた。刃物は、タカシが持っていたものではなく、村の古老たちが儀式で使うもので、彼はその刃物を持ち歩くことはなかったはずだ。
コウジは、事件当時の捜査資料を何度も読み返した。被害者のリストには、顔見知りの村人たちの名前が並んでいる。しかし、そのリストを丹念に調べていくうちに、コウジはある共通点に気づいた。殺された村人たちの多くは、タカシの意見に理解を示し、村の風習に疑問を抱いていた人々だった。

「偶然…なのか?」


 そう思いたかったが、胸騒ぎが収まらない。閉鎖的な村の空気に染まらず、都会から持ち込まれた新しい価値観を受け入れようとしていた人々。彼らが、なぜ標的になったのか?
コウジは、事件の夜、タカシを裏切ったもう一人の幼馴染、リョウタの存在を思い出した。リョウタは事件後、行方不明となっていた。彼はタカシに最も近い存在でありながら、村人たちの前でタカシから目をそらし、彼を孤立させた。その行動が、コウジにはどうしても引っかかっていた。

「リョウタ…お前は、一体何を隠している?」
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