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訳華、のちに
桜舞う学舎
しおりを挟む「荷物を置いたら下りてきてね。
案内するわ」
桜塾の校舎の二階には塾生たちに貸し出す部屋が用意されている。
銀壱はすでに入門当初からその部屋を借りて下宿している。
梅乃も同じように部屋を借り、荷物を置いて階段を駆け下りた。
「海藤先生!お待たせしました」
「さて、まずは生徒たちを紹介するわね」
海藤はそう言って、一階の校舎に梅乃を招き入れた。
その横で銀壱も一緒に話を聞いている。
「あっその前に改めて自己紹介。
私は海藤 美桜子。5年前にここを開いたの」
「僕は桜塾が出来てすぐに桜木へ来ました」
銀壱はこの桜塾で十数名いる塾生の中で一番年上だが、一番の苦労人だ。
「銀壱の紹介はいらないわね?
とても仲良さそうだったものね」
「はい、沢山お話させてもらいました」
「じゃあ次は女の子の教室ね」
海藤と梅乃、銀壱は女子塾生の教室へ。
基本的には男女別で勉強することになる為、銀壱も初めて女子の教室へ入る。
梅乃は年上ばかりの空間、初めて来る土地に緊張したままだった。
「美桜子先生!」
「あら、ちょうどいいわ。
新入生よ、自己紹介してね」
「私は早河 梅乃です。よろしくお願いします」
「初めまして!
鷲ヶ峰 寿々といいます。
よろしくね!」
寿々は明るく笑った。
寿々は元々捨て子だったが、海藤に拾われてこの桜木で育った。
親の顔も覚えていない、孤独だった寿々がこんなに明るくなったのは海藤が必死に育てたからだ。
「梅乃ちゃんは、どこから来たの?」
「遠くの…田舎のほうです」
「そうなのね。
今日からは皆家族みたいなものよ!」
梅乃はその明るすぎる振る舞いに戸惑いながらも、歓迎してくれた事をとても喜んでいた。
そして、窓から覗く桜の花びらも共に喜ぶようにひらひらと舞っていた。
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