華ノ道標-華罪捜査官-

山茶花

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やるべき事

悪の支配

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真藤を連れ出すことで、いつ京が動き出すか分からない危険な状況になった。

前田は、真藤を安全な捜査本部まで送るよう、梅乃に指示をした。

その上で銀壱と前田は鹿戸とその周辺を警備することにした。




その頃、京の屋敷では――


いつも龍華会の幹部が京の指示で数時間ごとに店に行き、真藤が逃げ出さないよう監視している。

今日も体格の良い幹部一人が店に見回りに来る。



「真藤、居るか?」



店に呼び掛けるが当然、真藤の姿はない。

京や紫の正体が知られることはあってはならないと言い付けられている幹部は、とても焦り出した。



「おい、真藤!隠れているのなら出てこい!
 母親に言いつけるぞ!」



幹部は必死になり真藤を捜し始めたが、店には商品として売られている盗難品だけが残されている。


街に出て大声で捜すのは目立つ為できない。
それに、この店の品が盗難品だと知られるのも困る。

幹部は暖簾を下げ、店の扉に鍵をかけて閉めた。



すると、そこには銀壱が現れた。



「誰だお前」

「これを見ても分からないのか?」



銀壱は利き手に巻かれた濃紺の桜を掲げた。

それを見た幹部は明らかに動揺しているようだ。



「華捜かよ…何故ここにいる?」

「この店の品、怪しいと思ったんだよ。
 そうしたら龍華会のお前に出くわした」

「バレたのなら仕方ねえな。
 お前を殺すまでだ…!」



幹部は大きな体で拳を振りかざした。


銀壱は弓矢も持っているが、なるべくならこの幹部も生かしておいて捜査に役立てたいところ。

訳華学校で鍛錬したおかげで武器が無くとも闘えるようになった。


銀壱が拳を素早く避けると、幹部もまた向きを変えて突っかかる。


銀壱は幹部に比べて体が小さいため、たくさん動いて相手の体力を消耗させる作戦に出た。



「チッ…すばしっこい奴だな」

「おいおい、どうした?かかってこいよ!」



既に息が切れている相手に対し、銀壱は全く動じない。

むしろ煽るほど闘いに燃えていた。



「うるせぇ…痛い目見るぞ!」



幹部はまた銀壱に勢いよく殴りかかってきた。

銀壱はそれを上手く避け、液体の睡眠薬を塗り込んである矢で相手の皮膚に傷をつける。

これを食らうと傷から睡眠薬が体内に入り、すぐに眠ってしまう。



「もう薬が効いたのか。確保だ」

「銀壱!大丈夫か?」



銀壱が幹部の手足を縛ったところで、前田も合流した。

傷ひとつない銀壱の顔を見て、前田は安心したようだった。


龍華会の幹部はぐうぐう眠ったまま、捜査車両に乗せられて本部へ送られた。

幹部は確保出来たものの、京まで情報が行くのも時間の問題だろう。


前田は本部に別の捜査官を鹿戸によこすよう連絡を入れた。
今、鹿戸は危険だ、と。
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