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第38話 シナイセントウ

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「おいおい、女性1人に、男2人がかりはちょっと卑怯だろ?てことで、加勢させて貰うぜ。」

女性と男2人の間に割り込んだトーシンは男2人に向けて言う。

「はぁ?加勢するだァ?構わねぇが命捨てる覚悟はあんだろうなぁ?」

「俺たちは、ここらじゃ名の知れた最凶コンビのパルディ兄弟だぜ!」

「そんなの知らないな。なにせ、この街に来てまだそれほど長くないからな。」

「そうか」

「なら」

「「今から思い知らせてやるよ!」」

そう2人は声を揃えて、武器を装備し臨戦態勢に入る。

片方は、片手斧。もう片方は、メイスだ。

「おい、あんた。誰だか知らないけど加勢感謝するよ!」

そういい女性も臨戦態勢に入り、指先から肘までを覆うグローブのような武器を装備する。

(あれ?チュートリアルの時にあんなグローブ状の武器なかったよな?いや、今はそれよりも。)

「お気になさらず。」

そう答えながら、トーシンも剣と盾を構え臨戦態勢に入る。

そして、市内での戦闘が始まる。

「メイスの方は私がやるから、あんたは斧のほう頼んでいいかい?」

「わかりました。おまかせください!」

「ありがとよ!」

そうトーシンに礼を言って女性はメイス使いの方に向かっていく。

そして、トーシンは斧使いとの戦闘を始める。

「へっ!てめぇが俺の相手か。てめぇなんか、この俺がソッコーでぶっ潰してやるよ!」

「そう簡単にやられねぇよ!!」

(さてと、片手斧の使い手との対人戦は2回目だな。まぁあの時は、相手とかなりのレベル差があったけど…。)

トーシンは、PKerラオンとの戦いを思い出していた。

あの時は、レベル差がありすぎて少し時間を稼ぐことぐらいしか出来なかった。

だが今回は違う。今回は、トーシンがレベル24でメイス使いがレベル25とレベル差はわずか1。

さらに、キングコボルトやヴェルプスとの戦闘を乗り越えたこともあり、トーシンは負ける気はさらさら無い。

「どぅおらァ!」

まず、先に攻撃を仕掛けたのは片手斧使いの方だ。

男は、トーシンに向けて思いっきり斧を振りかぶる。

(ヴェルプスに比べたら全然遅い!)

トーシンは、盾で斧を受ける。

(しかも、キングコボルトよりも軽い!これなら!)

トーシンは、受けた斧をそのまま盾で弾き返し、相手の体勢を崩す。

「なっ!俺の攻撃を弾くだとぉ!」

斧使いに大きな隙が生まれる。

「これで終わりだ!」

生まれた隙を見逃さず、トーシンは剣での突きを繰り出す。

「ヒィィ!」

トーシンの剣が眼前にまで迫り、斧使いは悲鳴をあげる。

だが、トーシンの剣はいつまで経っても斧使いを貫くことはなかった。

剣は、斧使いの眼前でピタリと止まっていたのだ。

「どうだ?負けを認めるか?」

そう斧使いにトーシンは問いかける。

「みっ…、認める!降参!降参だ!俺の負けだ!だから、頼むからこの剣をどけてくれ!」

「そうか、認めるか。それならよかった。」

トーシンは、剣をしまう。そして、

「じゃあ、とりあえず大人しく眠っててくれ。」

「へ?」

ゴンッ!

トーシンは、盾で斧使いを殴り気絶させる。

(おっ、ゲームだからできるかわからなかったが、流石ATO。ちゃんと気絶してくれたな。)

こうして、トーシンと斧使いの戦闘はソッコーで終わる。
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