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第39話 セイケン
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「へへっ、嬢ちゃんが俺の相手か?参ったなぁ、こりゃあ力加減に気をつけねぇと大怪我させちまいそうだ。」
「はっ。安心しな。てめぇの攻撃なんざ一度
だって当たらねぇからよ。」
「ひゅーう。言うじゃねぇか。じゃあ、ホントに当たらねぇか試してみようかぁ!」
「こいやァ!」
こうして、メイス使いと女の戦いが始まった。
「いくぞ、オラァ!」
まず、仕掛けたのは女の方だ。一気に距離を詰めその拳による一撃をメイス使いに叩き込もうとする。
「甘いぜぇ、嬢ちゃん。」
メイス使いは、女の動きを読んでいたかのようにメイスを振りかぶっていた。
「甘いのはあんたの方だよ!」
女は、読んでいたのだ。メイス使いが自分の攻撃に合わせて攻撃してくることを。つまり、メイス使いに打ち込もうとした拳はフェイントだったのだ。
女は、メイス使いの懐に潜り込み攻撃をかわしつつ、背後に回り込む。
「オラァ!」
そして、がら空きの背中に拳を叩き込む。
「グハァ!」
メイス使いが仰け反る。
「ほぉう、嬢ちゃんなかなかいい拳を持ってるじゃねぇか。」
メイス使いが女の方を振り向きながら言う。
「そうだろ?今からこいつをあんたにこれでもかってぐらい叩き込んでやるから、楽しみにしてな!」
そう言って女は、拳同士を打ち付ける。
「できるもんならやってみやがれ!」
男がメイスを女に振りかぶる。
だが、この攻撃は本命ではない。最初のメイスによる攻撃を躱させた後に、その先に目がけて蹴りによる攻撃をくらわせるのが本命である。このように彼の戦闘スタイルはメイスによる攻撃と、蹴り技による攻撃を組み合わせたスタイルである。
そして、女は彼の予想通り振りかぶられたメイスを避ける。
当然、そこを狙って彼は回し蹴りを放つ。
ATOにおいて武器以外による攻撃で与えるダメージは基本的にほとんど無い。ただし、攻撃された者はダメージはほとんどなくともプレイヤー同士であればノックバックが発生する。
つまり、女は攻撃を受けたところでダメージはほとんどない。が、しかし、ノックバックが発生すれば隙が生まれる。そうなれば女はメイスによる攻撃を受けることになってしまうのだ。
男の蹴りが女へと迫る。これが命中した場合は彼女は危機的状況に追い込まれる。そう、命中した場合にはだ。
「遅せぇよ。」
女は、男の蹴りをバックステップで躱した。そして、回し蹴りの直後に出来た一瞬の隙を狙いすぐさま距離を詰め、男にラッシュを叩き込む。
「ウォラッ!ウォララララララララララララララララッ!!」
凄まじい数の拳が男へと叩き込まれた。
「ヘヘッ。軽い!軽いなァ!そんな軽いパンチいくら喰らっても効かねぇぜ!俺は自分で言うのもなんだが攻撃力に自信がある。だがなぁ、それだけじゃねぇんだよ、攻撃力とおなじくらい俺は耐久力にもかなり自信があんだよ!どうだ!」
「ふーん、あっそ。で?軽い連撃でダメなら、最高に重い1発打ち込みゃあいいだけでしょ?」
「オイオイ、それは最初に俺に喰らわせたあのパンチのこと言ってるのか?それなら諦めなぁ、あれだってそこまで大きなダメージにはなっちゃいねぇ。」
「あー、違う違う。今からあんたに打ち込むのはあんな程度の威力じゃないから。あとそれから、もうあんたの攻撃は避けないよ。いや、避ける必要がない。」
そう言って彼女は構える。
とても美しく、洗練された構えだった。
「はぁ?俺の攻撃を避ける必要がないだと?ふざけてんのか?お前の攻撃なんざどんなのだって受けきってやるよ!」
「いいや、あんたは私のこの一撃で絶対に倒れる。」
「なら!やってみやがれ!」
そう言って彼は女へとメイスを振りかざす。
「だからそれはもう私には届かねぇーよ。」
彼女が繰り出したのは正拳突きだ。だがその一撃は今までで最もはやく、最も重い一撃だった。
「かハッ!」
男はゆっくりと地面へと倒れて行く。
勝者は女の方であった。
「はっ。安心しな。てめぇの攻撃なんざ一度
だって当たらねぇからよ。」
「ひゅーう。言うじゃねぇか。じゃあ、ホントに当たらねぇか試してみようかぁ!」
「こいやァ!」
こうして、メイス使いと女の戦いが始まった。
「いくぞ、オラァ!」
まず、仕掛けたのは女の方だ。一気に距離を詰めその拳による一撃をメイス使いに叩き込もうとする。
「甘いぜぇ、嬢ちゃん。」
メイス使いは、女の動きを読んでいたかのようにメイスを振りかぶっていた。
「甘いのはあんたの方だよ!」
女は、読んでいたのだ。メイス使いが自分の攻撃に合わせて攻撃してくることを。つまり、メイス使いに打ち込もうとした拳はフェイントだったのだ。
女は、メイス使いの懐に潜り込み攻撃をかわしつつ、背後に回り込む。
「オラァ!」
そして、がら空きの背中に拳を叩き込む。
「グハァ!」
メイス使いが仰け反る。
「ほぉう、嬢ちゃんなかなかいい拳を持ってるじゃねぇか。」
メイス使いが女の方を振り向きながら言う。
「そうだろ?今からこいつをあんたにこれでもかってぐらい叩き込んでやるから、楽しみにしてな!」
そう言って女は、拳同士を打ち付ける。
「できるもんならやってみやがれ!」
男がメイスを女に振りかぶる。
だが、この攻撃は本命ではない。最初のメイスによる攻撃を躱させた後に、その先に目がけて蹴りによる攻撃をくらわせるのが本命である。このように彼の戦闘スタイルはメイスによる攻撃と、蹴り技による攻撃を組み合わせたスタイルである。
そして、女は彼の予想通り振りかぶられたメイスを避ける。
当然、そこを狙って彼は回し蹴りを放つ。
ATOにおいて武器以外による攻撃で与えるダメージは基本的にほとんど無い。ただし、攻撃された者はダメージはほとんどなくともプレイヤー同士であればノックバックが発生する。
つまり、女は攻撃を受けたところでダメージはほとんどない。が、しかし、ノックバックが発生すれば隙が生まれる。そうなれば女はメイスによる攻撃を受けることになってしまうのだ。
男の蹴りが女へと迫る。これが命中した場合は彼女は危機的状況に追い込まれる。そう、命中した場合にはだ。
「遅せぇよ。」
女は、男の蹴りをバックステップで躱した。そして、回し蹴りの直後に出来た一瞬の隙を狙いすぐさま距離を詰め、男にラッシュを叩き込む。
「ウォラッ!ウォララララララララララララララララッ!!」
凄まじい数の拳が男へと叩き込まれた。
「ヘヘッ。軽い!軽いなァ!そんな軽いパンチいくら喰らっても効かねぇぜ!俺は自分で言うのもなんだが攻撃力に自信がある。だがなぁ、それだけじゃねぇんだよ、攻撃力とおなじくらい俺は耐久力にもかなり自信があんだよ!どうだ!」
「ふーん、あっそ。で?軽い連撃でダメなら、最高に重い1発打ち込みゃあいいだけでしょ?」
「オイオイ、それは最初に俺に喰らわせたあのパンチのこと言ってるのか?それなら諦めなぁ、あれだってそこまで大きなダメージにはなっちゃいねぇ。」
「あー、違う違う。今からあんたに打ち込むのはあんな程度の威力じゃないから。あとそれから、もうあんたの攻撃は避けないよ。いや、避ける必要がない。」
そう言って彼女は構える。
とても美しく、洗練された構えだった。
「はぁ?俺の攻撃を避ける必要がないだと?ふざけてんのか?お前の攻撃なんざどんなのだって受けきってやるよ!」
「いいや、あんたは私のこの一撃で絶対に倒れる。」
「なら!やってみやがれ!」
そう言って彼は女へとメイスを振りかざす。
「だからそれはもう私には届かねぇーよ。」
彼女が繰り出したのは正拳突きだ。だがその一撃は今までで最もはやく、最も重い一撃だった。
「かハッ!」
男はゆっくりと地面へと倒れて行く。
勝者は女の方であった。
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