子どもって

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職員室

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結果、朝から職員室に呼ばれるハメになった。
「この短時間で、よくもまぁ…」
「すいませんでした」
羽賀先生の言葉に、6年生が頭を下げる。羽賀先生は中と6年生を交互に見、後ろの静と元に目線を送る。
「ま、君は優しさでそうしたんだもんね。でも、次からは必ず大人の人を呼ぶこと。分かった?」
巻き込まれた優しい6年生は、先に教室に返された。
「結果、君たちか…」
溜め息を吐き、羽賀先生は3人に視線を送る。

「枝を折って、ごめんなさい」
中がきちんと反省していることが分かったからか、羽賀先生はそれ以上の注意は行わなかった。
「はい、分かりました。それと、校長先生にも謝りに行かないといけないわ」
「うん」
「うん、じゃなくて返事は『はい』ね」
「はい」
素直な中に、羽賀先生は苦笑を浮かべる。

「だって、羽賀セン!中だって、優しさでやったのに、おかしくない?」
静が不満そうに、羽賀先生に抗議する。横にいた元も大きく頷く。
「あの、羽賀先生。けいちゃんが、泣きそうで…。あの、友達から借りたなわとびだから、困っていたんです。頑張ってジャンプしても、全然取れなくて、だから…中が…」
2人の必死さにも、羽賀先生は困ったように笑う。
「先生だって、中くんがわざと折ったとは思っていません。6年生にも言いましたが、そういう時はまず先生たちに教えてほしかったという話です」
大事な話をする時、羽賀は敬語を使う。中は、ぼんやりとそんなことを思っていた。

羽賀先生は、一度言葉を区切り、「自分でできると思って、そのまま落ちていたら中くんが怪我をしていたかもしれないの」と付け加える。怪我という言葉に静と元は口を閉ざす。
「先生たちを呼んでくれていたら、枝も折れずに済んだかもしれないのに…」
「うん、でも不審者騒ぎで、忙しいかと思って」
中の言葉に、羽賀先生は目を丸くする。
「…何で、そのことを?」
「さっき、聞いた。6年生から。2人も一緒に」
羽賀は呆れたように、「やれやれ」と溜め息をついた。

学校に、誰かが侵入したことは保護者に配信しているので、生徒が知っていてもおかしくはない。ましてや6年生などは大人に混ざって話をするのが好きだから、納得できる。
それに、朝から警察が来ていたり、セキュリティ会社から連絡があったり、確かに職員室は忙しなかった。
「そうか。なら、仕方ない…なんて言えないんだけど、そうね…」
羽賀先生は、1人で呟き、再度中に視線を合わせる。中は羽賀先生から、視線を逸らしていなかった。

「気を遣わせてごめんね、中くん」
「ううん。それは仕方ないんだけど、そっちの方が大事だし」
「どっちが大事、の問題じゃないのよ?」
「うん、…じゃなくて『はい』。でも、枝を折ったのは、勝手にやった自分が悪いから」
中の言葉に、羽賀先生は目尻を和らげた。
「そうね、今度から気を付けよう?中くんたちが、怪我をしないように、困らないように先生も気を付けるから。じゃあ、朝の会で、不審者のことも話そうかしら?」
「ありがとう」
中の言葉に、羽賀先生は椅子から立ち上がった。
「さ、いらっしゃい」
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