子どもって

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小さなであい

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中が、校長室の机に近付く。
「この銅像じゃない?」
中が手を伸ばしたのは、20㎝ほどの人物像だった。誰かを表しているようだが、小さくて顔の判別まではできなかった。表情もどこかぼんやりとしている。
「ね?君じゃないの?」
中は問いかけ、自分の目線まで銅像を持ち上げる。
中の行動に、2人は戸惑う。
「やめとけって、中。勝手にやると、また怒られんぞ?」
「喋ったの?本当に?どこかにスピーカーとかあるのかな?」
馬鹿にしたような静とは違い、元は興味津々に中に近付いた。
「だとしたら、どこかにスピーカーになる部分があると思う。だけど、これ見てみ?全部固い」
中の淡々とした言葉にも、元は楽しそうだ。
「声を振動させて出すタイプなら、小さな穴でも大丈夫だよ」
「そっか、やるね、元。で?あの桜は何が特別なの?教えて」
「ぼくも知りたい」
中が変わらず、銅像に話しかけ元も問いかける。静のみ疑いの目で2人と銅像を眺めていた。
「お前ら、小学生にもなって、恥ずかしいとか思わないのか?そんなちっちぇ人形が話すかよ」
そう言いながらも、静も銅像から視線は動かさなかった。
「ね?教えて?何か桜に秘密があるの?特別って何で?」
中の問いかけに、真剣みが足りなかったのは今更だが、それでも銅像から小さな溜め息のような音が響いた。

『ふー、あの桜を折っておいて…。何て子どもらだ』
「ほらね、やっぱりこれだった」
もう1度聞こえた声に、中は側に来た2人に微笑む。
「すごーい中!何で分かったの?」
「カン」
「ぼくにも教えて?どこと繋がっているの?ぼくたちのことをどこで見ているの?」

『どこにも繋がっとらんわ!わしを何だと思っとるのか?』
元の弾む声にも、銅像から声が響く。そこでようやく静が2人に近付いた。
「やっべ!面白!おもちゃじゃねーの?」
急に仲間に加わった静に、2人が顔を見合わせて笑う。
笑われたことで静がやや気まずそうに口を尖らせる。
「何だよ?お前らと違って、こちとら現実しか受け入れねータチなもんで」
「言い訳?」
中の言葉に、静は顔を赤くさせるが、知らんふりをして中の両手に支えられた銅像を覗き込む。
「ウチも知りたい。どうやって喋ってるんだって?」
中の手でおとなしくしていた銅像は、ゆっくりと手を動かした。
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