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古いさくら
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『あの桜は、とうに三百年以上生きている木での。命あるものが長く生きていると、時々不思議な力を持つことがある』
「うんうん、そんで?」
「静、ちゃんと聞いて?ぼく、しっかり聞きたいんだから」
元が静を諫めるが、当の本人は全く気にしていない。
「はいはい。で?」
『あの木も、その1つだという話じゃ。木を大切にすると必ず良いことが起こり、わざとではなくても、木を傷付けると、良くないことが起きるという。この町で育ったもの、特に年寄りなら皆信じていることだ』
「学校だけの決まりじゃなかったんだ。昔からの決まりごとってこと?」
中の小さな問いかけに、オツさんは小さな頭を微かに動かした。
『いかにも。だが、子どもにそんな迷信ごとを説いても、信じないことがほとんどじゃ。昔からある有名な木を守るため、花をきちんと咲かせるため大事にしていると。この木を枯らさないために、そう教えているはずじゃ。幸い、国でも登録されとる木じゃからの』
オツさんの言葉に、元と静は「そういえば」という顔をする。中は途中で引っ越してきたためか、覚えはなく首を傾げる。
「じゃ、今回枝を折っちゃったから、良くないことが起こるってこと?」
中の問いに、オツさんは『そうでもないんじゃ』と否定した。
『枝や気を大事にすることは、もうここ何十年もされとる。ただ、大事にされすぎて、桜が少し寂しいと感じているようでな』
「つまり?」
『その寂しい気に引かれて、気持ちが不安定になる者がここ最近増えているという』
「折っても、折らなくても、今、良くないことが起きているってこと?」
『正確には、進行中だがの』
オツさんの言葉に、3人は顔を見合わせる。起きていると言われても、具体的に何が起こっているのか、分からないからだ。
「そうなんだ、教えてくれてありがとう」
中は銅像にお礼を言う。
「ね?また会える?」
『会いたいのか?』
「うん」
『なら、今日の放課後、この窓の下に来ると良い』
オツさんの言葉に、3人で顔を見合わせて笑う。
「うん、また来る」
「ぼくも!」
「約束守れよな!」
静の言葉に反応がなく、3人が不思議がっていると、ノックもなくガチャっと扉が開き校長先生が顔を覗かせる。
「ごめんごめん、電話が長くなってしまって。ずいぶん待たせてしまったね」
大きな机の上で、3人が固まって銅像を覗き込んでいる光景に、校長先生は「何かあったのかい?」と不思議そうに首を傾げた。
3人が校長先生に驚き、再びオツさんに視線を戻しても何事もなかったように像はそこにいた。ゆっくりと、元が銅像を持ち上げる。
「校長先生、この像って、何で出来ていますか?」
遠慮がちに問いかける。
「これは、青銅と言う物で出来ているんだよ」
「青銅…。はい、ありがとうございます」
元の質問に不思議そうに答えた校長先生は、自分が退室する前にした質問を思い出したようでゆっくりと椅子に座った。
「それで?桜の木を大事にするわけ、3人で相談できたかな?」
「はい、桜の木は枯れている所もあって、大事にしないと花が咲かなくなるから?」
中の言葉に、校長先生は満足そうに頷いた。
「そうだね、木が枯れないようにしているんだ。これからも、花が咲くように大事にするんだよ?じゃあ、教室に戻ろう」
「うんうん、そんで?」
「静、ちゃんと聞いて?ぼく、しっかり聞きたいんだから」
元が静を諫めるが、当の本人は全く気にしていない。
「はいはい。で?」
『あの木も、その1つだという話じゃ。木を大切にすると必ず良いことが起こり、わざとではなくても、木を傷付けると、良くないことが起きるという。この町で育ったもの、特に年寄りなら皆信じていることだ』
「学校だけの決まりじゃなかったんだ。昔からの決まりごとってこと?」
中の小さな問いかけに、オツさんは小さな頭を微かに動かした。
『いかにも。だが、子どもにそんな迷信ごとを説いても、信じないことがほとんどじゃ。昔からある有名な木を守るため、花をきちんと咲かせるため大事にしていると。この木を枯らさないために、そう教えているはずじゃ。幸い、国でも登録されとる木じゃからの』
オツさんの言葉に、元と静は「そういえば」という顔をする。中は途中で引っ越してきたためか、覚えはなく首を傾げる。
「じゃ、今回枝を折っちゃったから、良くないことが起こるってこと?」
中の問いに、オツさんは『そうでもないんじゃ』と否定した。
『枝や気を大事にすることは、もうここ何十年もされとる。ただ、大事にされすぎて、桜が少し寂しいと感じているようでな』
「つまり?」
『その寂しい気に引かれて、気持ちが不安定になる者がここ最近増えているという』
「折っても、折らなくても、今、良くないことが起きているってこと?」
『正確には、進行中だがの』
オツさんの言葉に、3人は顔を見合わせる。起きていると言われても、具体的に何が起こっているのか、分からないからだ。
「そうなんだ、教えてくれてありがとう」
中は銅像にお礼を言う。
「ね?また会える?」
『会いたいのか?』
「うん」
『なら、今日の放課後、この窓の下に来ると良い』
オツさんの言葉に、3人で顔を見合わせて笑う。
「うん、また来る」
「ぼくも!」
「約束守れよな!」
静の言葉に反応がなく、3人が不思議がっていると、ノックもなくガチャっと扉が開き校長先生が顔を覗かせる。
「ごめんごめん、電話が長くなってしまって。ずいぶん待たせてしまったね」
大きな机の上で、3人が固まって銅像を覗き込んでいる光景に、校長先生は「何かあったのかい?」と不思議そうに首を傾げた。
3人が校長先生に驚き、再びオツさんに視線を戻しても何事もなかったように像はそこにいた。ゆっくりと、元が銅像を持ち上げる。
「校長先生、この像って、何で出来ていますか?」
遠慮がちに問いかける。
「これは、青銅と言う物で出来ているんだよ」
「青銅…。はい、ありがとうございます」
元の質問に不思議そうに答えた校長先生は、自分が退室する前にした質問を思い出したようでゆっくりと椅子に座った。
「それで?桜の木を大事にするわけ、3人で相談できたかな?」
「はい、桜の木は枯れている所もあって、大事にしないと花が咲かなくなるから?」
中の言葉に、校長先生は満足そうに頷いた。
「そうだね、木が枯れないようにしているんだ。これからも、花が咲くように大事にするんだよ?じゃあ、教室に戻ろう」
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