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お持ち帰りです
①
***
「あー重かった」
勝負の結果は言うまでもない。
俺の家のソファに副部長が横たわっているのがすべてだ。
けど、副部長も女にしては中々健闘してた。
俺が知り合った中ではダントツで副部長が一番強いかな。
俺には敵わなかったけど。
にしても、ここまで連れ込むのには苦労した。
副部長が酔いつぶれて机の上に突っ伏してしまってから、はじめはみんな物珍しそうに見ていたけれど次第に誰が送っていくかという話になった。
飲み会で副部長が酔いつぶれたことも無ければ副部長の自宅を知っている人もいない。
女子社員が自宅を調べるため副部長のかばんを漁ろうとしたとき「副部長のかばんを無断で漁って大丈夫ですか?」という一言で彼女は凍り付いた。
もちろん発言者は俺だ。
誰がここまで頑張って副部長を酔いつぶしたと思ってるんだ。
このままノコノコと自宅に帰してしまっては俺のすべての努力が水の泡じゃないか。
「俺と副部長、帰りの方向一緒なんで送っていきます」
俺が酔いつぶした手前流石にそれはまずいとか、女子社員になんとかしてもらうべきとか、とにかく非難轟々だったけど「じゃあ他に副部長抱えて帰れる人いるんですか?」と言ってにこっと笑ってやると一斉に視線を逸らされた。
そして今に至る。
「どうしよっかなー」
本当は俺の家で思いっきり介護してやって、罪悪感を抱かせて今後良いように使ってもいいかなと思ったけど、そもそもこの人に罪悪感なんて感情はあるだろうか。
この人のことだから感情はほとんど欠如しているだろう。
感情に訴えかける行為は得策ではないかもしれない。
「…にしても」
俺は目の前にいる上司の前髪をかき上げた。
少しつり目だけど、全体的に見るとやっぱり整った顔つきをしていると思う。
可愛いというよりはきれいという言葉が似合う。
酔っぱらっているせいか頬は赤く、唇は真っ赤になっててらてらと光っている。
「んぅ」
好奇心から唇に手を当ててみると副部長が小さくうなる。
いつもの感情のない声とは違う、あどけない感じの声。
しばらく大人しくしていた嗜虐心がここにきてむくむくとせりあがってくる。
この人はセックスのときどんな顔をするだろう。
どんな嬌声を聞かせてくれるだろう。
俺に無理矢理犯されたら、どんな顔を見せてくれるだろう。
シラフだったらこんなこと絶対にしない。
下手したら解雇される。
博打なんて打つもんじゃない。
だけど、終始無表情のこの人がベットの上でどう乱れるのかどうしても見たかった。
「っしょ」
副部長をお姫様抱っこする形で持ち上げる。
ベッドに向かう間かなり振動したはずだが、当のお姫様はすうすうと穏やかな寝息を立てて一向に起きる気配がない。
それはむしろ好都合だった。
「あれどこにやったかねえ」
ベッドヘッドの引き出しから散らかっているものを取り出して、ついに目当ての手錠を見つけた。
取り付ける側はピンクのファーで覆われているので、手首が傷つく心配はない。
「中古品ですみませんね」
自分も少し酔いが回っているのか独り言が多い。
ぶつぶつ言いながらも副部長の腕に手錠をかけ、ベッドヘッドの隙間に通すようにして固定する。
あの副部長が俺の下で拘束されている、というこの状況だけで俺はかなり興奮していた。
「あー重かった」
勝負の結果は言うまでもない。
俺の家のソファに副部長が横たわっているのがすべてだ。
けど、副部長も女にしては中々健闘してた。
俺が知り合った中ではダントツで副部長が一番強いかな。
俺には敵わなかったけど。
にしても、ここまで連れ込むのには苦労した。
副部長が酔いつぶれて机の上に突っ伏してしまってから、はじめはみんな物珍しそうに見ていたけれど次第に誰が送っていくかという話になった。
飲み会で副部長が酔いつぶれたことも無ければ副部長の自宅を知っている人もいない。
女子社員が自宅を調べるため副部長のかばんを漁ろうとしたとき「副部長のかばんを無断で漁って大丈夫ですか?」という一言で彼女は凍り付いた。
もちろん発言者は俺だ。
誰がここまで頑張って副部長を酔いつぶしたと思ってるんだ。
このままノコノコと自宅に帰してしまっては俺のすべての努力が水の泡じゃないか。
「俺と副部長、帰りの方向一緒なんで送っていきます」
俺が酔いつぶした手前流石にそれはまずいとか、女子社員になんとかしてもらうべきとか、とにかく非難轟々だったけど「じゃあ他に副部長抱えて帰れる人いるんですか?」と言ってにこっと笑ってやると一斉に視線を逸らされた。
そして今に至る。
「どうしよっかなー」
本当は俺の家で思いっきり介護してやって、罪悪感を抱かせて今後良いように使ってもいいかなと思ったけど、そもそもこの人に罪悪感なんて感情はあるだろうか。
この人のことだから感情はほとんど欠如しているだろう。
感情に訴えかける行為は得策ではないかもしれない。
「…にしても」
俺は目の前にいる上司の前髪をかき上げた。
少しつり目だけど、全体的に見るとやっぱり整った顔つきをしていると思う。
可愛いというよりはきれいという言葉が似合う。
酔っぱらっているせいか頬は赤く、唇は真っ赤になっててらてらと光っている。
「んぅ」
好奇心から唇に手を当ててみると副部長が小さくうなる。
いつもの感情のない声とは違う、あどけない感じの声。
しばらく大人しくしていた嗜虐心がここにきてむくむくとせりあがってくる。
この人はセックスのときどんな顔をするだろう。
どんな嬌声を聞かせてくれるだろう。
俺に無理矢理犯されたら、どんな顔を見せてくれるだろう。
シラフだったらこんなこと絶対にしない。
下手したら解雇される。
博打なんて打つもんじゃない。
だけど、終始無表情のこの人がベットの上でどう乱れるのかどうしても見たかった。
「っしょ」
副部長をお姫様抱っこする形で持ち上げる。
ベッドに向かう間かなり振動したはずだが、当のお姫様はすうすうと穏やかな寝息を立てて一向に起きる気配がない。
それはむしろ好都合だった。
「あれどこにやったかねえ」
ベッドヘッドの引き出しから散らかっているものを取り出して、ついに目当ての手錠を見つけた。
取り付ける側はピンクのファーで覆われているので、手首が傷つく心配はない。
「中古品ですみませんね」
自分も少し酔いが回っているのか独り言が多い。
ぶつぶつ言いながらも副部長の腕に手錠をかけ、ベッドヘッドの隙間に通すようにして固定する。
あの副部長が俺の下で拘束されている、というこの状況だけで俺はかなり興奮していた。
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