【BL】田中くんは私の性癖です【完結】

サラダ菜

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スパダリは存在する

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午前10時45分。
私は来たるその時に備えて机に突っ伏し始めた。

端から見れば、授業終了5分前に寝始める馬鹿かもしれない。
しかし私には別の目的があるのだ。

目を閉じて視覚情報を遮断する。
そして脳を集中させて教室内右上の方に意識を向ける。

チャイムが鳴って一斉に教室内が騒がしくなるが、5分間集中を行った私の敵ではない。



そう!!!!!!!
田中くんの会話傍聴タイムである!!!!!!!!!!!


「…部活で…先輩が…」

「俺も…厳しい…」


このスキルを取得するまでに三ヵ月を要したが、未だに完璧ではない。
もう少し自主練をしような、私。

それにしても田中くんは相変わらず真瀬と仲がいい。
同じ部活でクラスも一緒ということもあり、彼らはよく一緒にいる。
腐女子ワイ大歓喜。

しかも真瀬は非の打ちどころのないイケメンなのだ。
田中くんよりも背が高く、目元は田中くんと真逆のタレ目で、誰にでも明るく接している。
部活でもスタメン入りをはたしているので、試合時には真瀬目当ての女子がわんさかとはびこる。



スススススススススパダリ――――――――――ッ!!!!!!!!!


スパダリかよお前は!!!!!
この完璧超人め!!!!!!
まさに田中くんの『左』にいるべき人物!!!!!!!

ありがとう神様!!!
ありがとう真瀬の両親!!!!
ありがとうクラス配置を考えた先生!!!!!

あぶな。心の声が漏れるところだった。
あまりの興奮から終始体が震えているが、それは問題ない。
当初はクラスメイト達も「大丈夫?」と声をかけてくれていたが、今は全くだ。
そういう置き物だと認識してくれているのだろう。

ところで彼らは部活の会話をしているようだ。
スタメンに入っている親友のことを全く妬もうとせず、純粋に話を楽しんでいる田中くん。
聖人かよ…
聖人君主かよ…




はッ!!!!!!!!!!!!!!!

気配を感じ、バッと顔をあげる。
まぎれもない「腐」の臭いがかすかに漂ってきたのだ。
真瀬と田中くんを凝視しながら息を殺しその時を待つ。

「…頑張ってる…」
「まだまだ…」



グアアアアアアああああアアァァァァァァぁアア!!!!!!!!

真瀬がッ、田中くんをッ、撫でたッ!!!!!!!
なでなでしたッ!!!!!!!!!!

あまりの破壊力に即時昇天待った無し。
私の亡骸は…海に流してくれよな…


あまりの衝撃に私は教室に倒れこんだ。
先生に本気で精神科の受診を勧められた。
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