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何度目かになる殿下との夜伽の時間。
何度もお声が掛かっている、ということは、多少は好ましく思われているのだろう。
だけど、
「どうしたんだい、マナカ」
「え?」
「なんだか浮かない顔だね」
「へ、え、あ、いや~…そうですか?」
目の前に座るこの世の至宝の如き美しい男性に様子を窺われ、私は慌ててえへらと適当な笑みを作る。
「珍しくちょっと考え事をしていました。すみません、殿下を前にして上の空で」
「いいや、構わないよ。何か悩み事かい?」
そう尋ねられて、私は逡巡する。
悩みの要因である本人に、その悩み事を打ち明けるのは如何なものだろう。しかも雲の上におわす超絶偉いお方に。
けれど胡座を掻いた脚に肘を突き、首を傾げて私が話し始めるのを待つ、眩しすぎる殿下の様子に、隠し事などできず。
「……あの、殿下はどうして、私だけを呼んでくださるのですか? 私なんかより魅力的な女性は他にも沢山いらっしゃるのに」
い、言ってしまった…!
だって聞くに私が入城してからの、この約1ヶ月の間で、寝所へ呼んだ女性は私だけというじゃないか。
ナターシャ等の、家柄も優秀で知見も教養もあり、美貌まで持ち合わせている令嬢は他にも沢山いるというのに。疑問が湧かない訳がない。
殿下はその整った双眸を瞬かせると、くす、と悪戯っぽく微笑んだ。
「マナカは意外と、自分に自信が無いようだね」
「えっ!? そ、そんなことは」
「確かに、悪い言い方をすると、条件の整った女性は他にも沢山いるよ。それこそ、国交を深めるためにおあつらえられたような、王家の血族である者だって少なくない。よくもまぁ、父上もこれだけの女性を集めたなと思うよ」
うんざりしたように目を細め、殿下はかぶりを振る。
「実はマナカのことを、僕はランバルドの式典で見掛けたことがあったんだ」
「えっ、そうなのですか」
「うん。膨大な参列者の前で、立派に祝詞を詠み上げていたね。異界から強制的に連れて来られて、言語も分からなかった中、よくあそこまで仕上げたなと心底感心したんだよ」
「あ、ありがとうございます……照れますね」
そうだったのか。
どの式典だったのか分からないけれど、まさか殿下がその場にいて、威風堂々と聖女としてのお役目を果たす私に注目していたなんて、こそばゆい心地だ。
「で、その後も興味が湧いたから、君のことを観察していたんだ」
「えぇ~」
「神官長の祝言の間、役目を終えて安心したのか、船を漕ぎ始めていたところ、護衛の騎士に剣の柄で小突かれていたね」
「……」
「そして式典の後の夜会では要人との挨拶に勤しむ神官長や宰相の目を盗み、料理をお皿いっぱいに盛り付けると一気に平らげ、それを見つけた護衛の騎士に首根っこを掴まれ、連れ戻されていた」
「…………」
なんということだ。普段の私を隅から隅まで観察されていた。
穴があったら入りたい気持ちである。
熱くなる顔を隠すように俯く私に、殿下は楽しそうに微笑んだ。
「面白い人だなぁと思ったんだよね。で、何の因果か、妃の候補としてこのフェンデルンへ召喚された」
「まぁ、聖女としてお役御免になったのでね」
「君は理不尽だとは思わなかったの? 聖女として用済みになったら、次は国交のための道具にされて」
至極真面目な面持ちで尋ねられ、今度は私が目を瞬かせる。
「あ、ごめん。道具だなんて、言い方が良くなかった」
「いえ、もっともなご意見だと思います。……そりゃ、いい加減にしやがれとも思いましたよ。私の人生を何だと思ってるんだって」
通告された時文句の一つも垂れなかったが、苛立ちを覚えなかった訳じゃない。誘拐宜しくこの世界へ連れて来たくせして、今度は他所の国の王子の子を産む役目を果たせって。家畜じゃないんだから。
でも、家畜でもいいやと思ったのだ。安寧の生活を手に入れられるのであれば、元の世界ですっかりとすり減った私は、流される人生の方が楽だと思ってしまったのだ。
これは話すべきかと迷ったが、今更殿下に嘘を吐いたって見透かされてしまいそうだなと、正直な気持ちを吐露することにした。
「それ以上に、働きたくなかったんです、私。引き続き衣食住が保証されるなら、それでいいやって思っちゃったんです。……頑張ったって、手に入らないものが殆どなんだから。与えられる恩恵にはあやかりたい性分なんです」
「……ふっ、やっぱり君は面白いね」
いけしゃあしゃあとニート宣言をする私に、殿下はまた美しすぎる微笑みを浮かべた。
「……うん。これだけが理由じゃないけど、でも、マナカを魅力的だと感じたことが、君をこの部屋へ呼んでいる大きな理由だよ」
「魅力的、ですか」
そんなこと初めて言われた。
こんなにも美しい、しかも王子様に賛辞を述べられて、素直に照れて顔が熱くなる。
「うん、その奔放さが魅力的で、憧れるよ。ほんとうに」
澄んだアイスブルーの瞳でじっと見つめられ、ますます心臓の鼓動が早くなるのを感じる。
吸い込まれそうなほどに、宝石のように綺麗な瞳。そこには、頬を赤らめた、まるで恋する乙女のように腑抜けた顔をした私が映っていた。
「あの、殿下……」
「ん?」
不意に、ナターシャの言葉を思い出した。
『今後、殿下とのリアルな情事の詳細を、お聞かせ願えますか?』
情事も何も、私と殿下は全くもってプラトニックな関係なんだけども。
殿下はその気は全く無いのだろうか。
一応私は、夜のお相手をするために馳せ参じた身な訳で。ミーニャに毎度身綺麗にしてもらい、カインに心配そうに見送られている建前、何の戦果も得られぬまま部屋に帰るのは少し虚しい訳で。
「殿下は、夜の営みにご興味はないのですか?」
ぱちくり
目を瞬かせ、きょとんとした表情で私を見返す殿下。
ちょっと単刀直入すぎただろうか。
でもでも、濁して伝わらないのもまどろっこしいし、むず痒い空気は得意じゃ無い。
「私、……その、一応、殿下のお相手をするために、このお部屋に来ているつもりなんですけど……」
「ああ、うん、そうだよね。……そりゃそうだ」
視線を外し、バツが悪そうにポリポリと頬を掻くと、殿下は私に向き直る。
「マナカは、僕とそういうこと、したい?」
「えっ!?」
何だその問いは。恥を忍んで尋ねた問いに問いで返すなんて、殿下じゃなきゃ許されていないところだぞ。
いやしかししたくない、と言われると嘘になる。だって、美しすぎる殿下に抱いてもらえるなんて、嫌がる女はいないでしょうよ。至近距離で見つめられるだけでも、鼻血を噴射する自信があるのに。けど、したいとはっきり言うのもまた、無礼に当たるのでは無いかというか……
内心憤慨しつつも、チョロい私が口籠もりながらブツブツと独りごちていると、殿下はぷっ、と吹き出した。
「はははっ、ごめん、意地の悪い聞き方だったよね」
ひとしきり笑ったのち、殿下は小さく息を吐くと、とびきり艶やかな微笑みを浮かべた。
「僕、暫くは女性とそういうことをする気はないんだ。それでも僕と、こうして会ってくれる?」
詰まるところ、殿下は当面の間子作りする気はないと。だから私を呼んでもあんなことやそんなことはしないと、そう仰ったのだ。
夜が明け、殿下の部屋を後にした私は、さんさんと降り注ぐ朝日を浴びながら渡り廊下を歩き、考える。
なーんか良いように使われてないか?
女性とそういった行為をするつもりはないけれど、私とは会いたい。言い換えれば、私と会っている間は、えっち行為をしなくて済むということだ。
殿下の立場上、そんな我儘が通る筈がないが、今の状況であれば、一見すると懇意にしている私と、頻繁に情交を交わしているように見える。他の令嬢達よりも、後ろ盾があやふやで、聖女を解雇された今、実質地位も権力も無い、そんな私と、だ。良い隠れ蓑じゃないか。
その場に立ち止まり、うーんと首を捻る。
……ま、いいか!
今後の人生で拝めるかも分からない絶世の美男子と、枕トークができるのだ。お釣りしか返ってこない役得な状況じゃないか。
それに、私を魅力的で、憧れると言ってくれた殿下の瞳に偽りは無いように見えた。他に何か思惑があるとは言え、全てが嘘という訳でも無いのだろう。
フェンデルンのお偉いさんがしびれを切らすまで、我儘に付き合ってやろうじゃないの。
「あれ、」
「おつかれ」
そんなことを考えながら歩いていると、渡り廊下の途中にカインが佇んでいた。
廊下の柱に背を預け、私を待っていたような居住まいだ。
「どしたの、こんなところで。もしかして待っててくれたの?」
「……まぁね。寝ぼけ眼まなこのお前が、またどこかの令嬢の奇襲を受けないように、守りに来てやったの」
早朝だというのにランバルドの騎士の制服に身を包み、寝癖一つない完璧な姿のカインは、私の跳ね放題の髪を撫でた。
「部屋でミーニャが湯浴みの準備してるぞ」
「えぇ~いいのに別に」
「そういう訳にもいかないだろ」
「なんで?」
お風呂は昨日の夜に入ったのに。
もしかして寝汗がひどくて臭うのだろうか。
くんくん、と自らを匂っていると、カインは呆れたように深い溜息を吐いた。
「いいから入っておけ。寝癖もひどいしな」
「はーい」
渋々承諾すると、カインは満足げに微笑んだ。
カインは綺麗好きなのだなぁと、毎日の風呂も億劫な干物喪女極まれし私は、精悍な彼の横顔を殿下とはまた違う意味で眩しく感じた。
何度もお声が掛かっている、ということは、多少は好ましく思われているのだろう。
だけど、
「どうしたんだい、マナカ」
「え?」
「なんだか浮かない顔だね」
「へ、え、あ、いや~…そうですか?」
目の前に座るこの世の至宝の如き美しい男性に様子を窺われ、私は慌ててえへらと適当な笑みを作る。
「珍しくちょっと考え事をしていました。すみません、殿下を前にして上の空で」
「いいや、構わないよ。何か悩み事かい?」
そう尋ねられて、私は逡巡する。
悩みの要因である本人に、その悩み事を打ち明けるのは如何なものだろう。しかも雲の上におわす超絶偉いお方に。
けれど胡座を掻いた脚に肘を突き、首を傾げて私が話し始めるのを待つ、眩しすぎる殿下の様子に、隠し事などできず。
「……あの、殿下はどうして、私だけを呼んでくださるのですか? 私なんかより魅力的な女性は他にも沢山いらっしゃるのに」
い、言ってしまった…!
だって聞くに私が入城してからの、この約1ヶ月の間で、寝所へ呼んだ女性は私だけというじゃないか。
ナターシャ等の、家柄も優秀で知見も教養もあり、美貌まで持ち合わせている令嬢は他にも沢山いるというのに。疑問が湧かない訳がない。
殿下はその整った双眸を瞬かせると、くす、と悪戯っぽく微笑んだ。
「マナカは意外と、自分に自信が無いようだね」
「えっ!? そ、そんなことは」
「確かに、悪い言い方をすると、条件の整った女性は他にも沢山いるよ。それこそ、国交を深めるためにおあつらえられたような、王家の血族である者だって少なくない。よくもまぁ、父上もこれだけの女性を集めたなと思うよ」
うんざりしたように目を細め、殿下はかぶりを振る。
「実はマナカのことを、僕はランバルドの式典で見掛けたことがあったんだ」
「えっ、そうなのですか」
「うん。膨大な参列者の前で、立派に祝詞を詠み上げていたね。異界から強制的に連れて来られて、言語も分からなかった中、よくあそこまで仕上げたなと心底感心したんだよ」
「あ、ありがとうございます……照れますね」
そうだったのか。
どの式典だったのか分からないけれど、まさか殿下がその場にいて、威風堂々と聖女としてのお役目を果たす私に注目していたなんて、こそばゆい心地だ。
「で、その後も興味が湧いたから、君のことを観察していたんだ」
「えぇ~」
「神官長の祝言の間、役目を終えて安心したのか、船を漕ぎ始めていたところ、護衛の騎士に剣の柄で小突かれていたね」
「……」
「そして式典の後の夜会では要人との挨拶に勤しむ神官長や宰相の目を盗み、料理をお皿いっぱいに盛り付けると一気に平らげ、それを見つけた護衛の騎士に首根っこを掴まれ、連れ戻されていた」
「…………」
なんということだ。普段の私を隅から隅まで観察されていた。
穴があったら入りたい気持ちである。
熱くなる顔を隠すように俯く私に、殿下は楽しそうに微笑んだ。
「面白い人だなぁと思ったんだよね。で、何の因果か、妃の候補としてこのフェンデルンへ召喚された」
「まぁ、聖女としてお役御免になったのでね」
「君は理不尽だとは思わなかったの? 聖女として用済みになったら、次は国交のための道具にされて」
至極真面目な面持ちで尋ねられ、今度は私が目を瞬かせる。
「あ、ごめん。道具だなんて、言い方が良くなかった」
「いえ、もっともなご意見だと思います。……そりゃ、いい加減にしやがれとも思いましたよ。私の人生を何だと思ってるんだって」
通告された時文句の一つも垂れなかったが、苛立ちを覚えなかった訳じゃない。誘拐宜しくこの世界へ連れて来たくせして、今度は他所の国の王子の子を産む役目を果たせって。家畜じゃないんだから。
でも、家畜でもいいやと思ったのだ。安寧の生活を手に入れられるのであれば、元の世界ですっかりとすり減った私は、流される人生の方が楽だと思ってしまったのだ。
これは話すべきかと迷ったが、今更殿下に嘘を吐いたって見透かされてしまいそうだなと、正直な気持ちを吐露することにした。
「それ以上に、働きたくなかったんです、私。引き続き衣食住が保証されるなら、それでいいやって思っちゃったんです。……頑張ったって、手に入らないものが殆どなんだから。与えられる恩恵にはあやかりたい性分なんです」
「……ふっ、やっぱり君は面白いね」
いけしゃあしゃあとニート宣言をする私に、殿下はまた美しすぎる微笑みを浮かべた。
「……うん。これだけが理由じゃないけど、でも、マナカを魅力的だと感じたことが、君をこの部屋へ呼んでいる大きな理由だよ」
「魅力的、ですか」
そんなこと初めて言われた。
こんなにも美しい、しかも王子様に賛辞を述べられて、素直に照れて顔が熱くなる。
「うん、その奔放さが魅力的で、憧れるよ。ほんとうに」
澄んだアイスブルーの瞳でじっと見つめられ、ますます心臓の鼓動が早くなるのを感じる。
吸い込まれそうなほどに、宝石のように綺麗な瞳。そこには、頬を赤らめた、まるで恋する乙女のように腑抜けた顔をした私が映っていた。
「あの、殿下……」
「ん?」
不意に、ナターシャの言葉を思い出した。
『今後、殿下とのリアルな情事の詳細を、お聞かせ願えますか?』
情事も何も、私と殿下は全くもってプラトニックな関係なんだけども。
殿下はその気は全く無いのだろうか。
一応私は、夜のお相手をするために馳せ参じた身な訳で。ミーニャに毎度身綺麗にしてもらい、カインに心配そうに見送られている建前、何の戦果も得られぬまま部屋に帰るのは少し虚しい訳で。
「殿下は、夜の営みにご興味はないのですか?」
ぱちくり
目を瞬かせ、きょとんとした表情で私を見返す殿下。
ちょっと単刀直入すぎただろうか。
でもでも、濁して伝わらないのもまどろっこしいし、むず痒い空気は得意じゃ無い。
「私、……その、一応、殿下のお相手をするために、このお部屋に来ているつもりなんですけど……」
「ああ、うん、そうだよね。……そりゃそうだ」
視線を外し、バツが悪そうにポリポリと頬を掻くと、殿下は私に向き直る。
「マナカは、僕とそういうこと、したい?」
「えっ!?」
何だその問いは。恥を忍んで尋ねた問いに問いで返すなんて、殿下じゃなきゃ許されていないところだぞ。
いやしかししたくない、と言われると嘘になる。だって、美しすぎる殿下に抱いてもらえるなんて、嫌がる女はいないでしょうよ。至近距離で見つめられるだけでも、鼻血を噴射する自信があるのに。けど、したいとはっきり言うのもまた、無礼に当たるのでは無いかというか……
内心憤慨しつつも、チョロい私が口籠もりながらブツブツと独りごちていると、殿下はぷっ、と吹き出した。
「はははっ、ごめん、意地の悪い聞き方だったよね」
ひとしきり笑ったのち、殿下は小さく息を吐くと、とびきり艶やかな微笑みを浮かべた。
「僕、暫くは女性とそういうことをする気はないんだ。それでも僕と、こうして会ってくれる?」
詰まるところ、殿下は当面の間子作りする気はないと。だから私を呼んでもあんなことやそんなことはしないと、そう仰ったのだ。
夜が明け、殿下の部屋を後にした私は、さんさんと降り注ぐ朝日を浴びながら渡り廊下を歩き、考える。
なーんか良いように使われてないか?
女性とそういった行為をするつもりはないけれど、私とは会いたい。言い換えれば、私と会っている間は、えっち行為をしなくて済むということだ。
殿下の立場上、そんな我儘が通る筈がないが、今の状況であれば、一見すると懇意にしている私と、頻繁に情交を交わしているように見える。他の令嬢達よりも、後ろ盾があやふやで、聖女を解雇された今、実質地位も権力も無い、そんな私と、だ。良い隠れ蓑じゃないか。
その場に立ち止まり、うーんと首を捻る。
……ま、いいか!
今後の人生で拝めるかも分からない絶世の美男子と、枕トークができるのだ。お釣りしか返ってこない役得な状況じゃないか。
それに、私を魅力的で、憧れると言ってくれた殿下の瞳に偽りは無いように見えた。他に何か思惑があるとは言え、全てが嘘という訳でも無いのだろう。
フェンデルンのお偉いさんがしびれを切らすまで、我儘に付き合ってやろうじゃないの。
「あれ、」
「おつかれ」
そんなことを考えながら歩いていると、渡り廊下の途中にカインが佇んでいた。
廊下の柱に背を預け、私を待っていたような居住まいだ。
「どしたの、こんなところで。もしかして待っててくれたの?」
「……まぁね。寝ぼけ眼まなこのお前が、またどこかの令嬢の奇襲を受けないように、守りに来てやったの」
早朝だというのにランバルドの騎士の制服に身を包み、寝癖一つない完璧な姿のカインは、私の跳ね放題の髪を撫でた。
「部屋でミーニャが湯浴みの準備してるぞ」
「えぇ~いいのに別に」
「そういう訳にもいかないだろ」
「なんで?」
お風呂は昨日の夜に入ったのに。
もしかして寝汗がひどくて臭うのだろうか。
くんくん、と自らを匂っていると、カインは呆れたように深い溜息を吐いた。
「いいから入っておけ。寝癖もひどいしな」
「はーい」
渋々承諾すると、カインは満足げに微笑んだ。
カインは綺麗好きなのだなぁと、毎日の風呂も億劫な干物喪女極まれし私は、精悍な彼の横顔を殿下とはまた違う意味で眩しく感じた。
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