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香澄は何がなんだか解らないままベットにとりあえず横になっている。
頭が全く整理されていない...と言うか、考えようと思っても考えられない。ただ、鮮明に思い出すのはキスの感触。
『キスしちゃった.......』
それを思い出すとカーっと体が熱くなって布団を頭までかぶる。
『キスしちゃった......』
柔らかい唇の感触が思い出されて、さっきの怖かった思いなど吹き飛んでしまった。
でも嫌な気は全くしなかった。逆にまたしたいと思っている感情に
『私ってイヤらしい』
そう考えてしまうのだ。そう考えていると寝室のドアがかチャリと開いた。
「香澄、お腹好かない?」
そう言われて慌てて目をつぶる。
「寝ちゃったかな」
そう言って今度はほっぺに柔らかい唇の感触。顔がまた熱くなってきた。
「あーたぬき寝入りだなぁ~」
そう言われて慌てて布団をかぶろうとすると布団を抑えられてしまった。
「可愛いなぁ~、香澄、今日から2人きりだよ。よろしくね」
そう言われて『?』頭の中が急に冷静になった。
『今日から2人きり...』
高速回転で記憶が巻き戻しを始める。
家に来た時寝室のベットが大きくて不思議に思った事。仕事部屋の立派な机。収納スペースが沢山ある衣装部屋。まだ遡る。部屋が3つはないと狭すぎると反対された事。新しい生活が楽しみだねと言ったセリフ......。
「あーーーーーーーーー!!」
香澄がガバリ!と起き上がった。急に大きな声を出すし 起き上がるしでラジルドはビックリしているがそんな事はお構い無しだ。
「ラジルドさん!ココって.......もしかして…2人のお家?」
「どしたの?香澄、急に起き上がって。勿論2人の家に決まってるじゃないか」
香澄の顔がギギギギ...と油切れの機械の様な音を立ててゆっくりと横を向く。そしてラジルドと目が合うとラジルドは満面の笑みを浮かべていた。
「ちょっ....ちょっと待ってラジルドさんっっ」
「本当にどうしたの?香澄」
「ちょっと、ちょっとでいいんです。ちょっと1人にしてくれませんか?」
「.......変な香澄、解った。お茶の用意しとくからベットから出ておいで」
そう言ってラジルドが部屋を出て行った。
『えーーーーーーーーーーーーーー!!』
またもやパニックの香澄。必死に自分で自分に冷静になれ!冷静になれ!って心に呪文をかけている。
『いつから2人で住む事になったんだろう』
最初に思った疑問だった。どう考えても自分が1人で生活する為の家が欲しいと頼んだはずなのに...。でも、今日は居てくれて助かったのも事実だ。そして、今日の夜は1人で居られないだろうなと思うのも事実。明日からの生活...と言っても食料品を買ったり、生活する為のお金もないのも事実だし、お金の使い方も解らないし、稼ぎ方も教えてもらわないといけない。香澄は1人でうんうん頷いた後
『そうだ!そうだよ香澄!!』
話さないといけない事は沢山ある。居てくれて良かったんだ。ラジルドさん流石だ!
.......人の脳って予想不可能な事にぶち当たったり、キャパの容量を超えると「物事はいい方向に考えなさーい」って言う特殊能力が起動する様に出来てるんですね。
そして、香澄も今発動しました。
香澄はベットから起き上がり寝室を出た。
ラジルドが物音を聞いてこちらを見る。そして香澄を見ると
「こっちにおいで」
って優しい声色で、優しい笑顔で言う。
10歳で親元を離れた香澄にとって、その優しい笑顔と声色はいわば最後の殺し文句と一緒だった。いわゆる愛情不足の彼女にその顔はダメ押しだった。
脳内にはもう
『ラジルドさんが居てくれて良かった』
と言う感情だけしか残ってなく、疑問も不安も恐れすらも吹き飛んでいた。
香澄は泣きながらラジルドに走りよって抱きつく。
「香澄は甘えん坊だなぁ~」
そして優しい手つきでよしよしされるとなんとも言えない安心感に包まれて良かったと言う感情が確信に変わった。
「ラジルドさんが居てくれて良かった」
「ん?香澄を一人ぼっちになんかしないよ」
「ラジルドさん大好き」
「僕も大好きだよ。香澄」
そう言って甘い甘いキスをする2人.....。恐怖と恋愛感情って紙一重の所にあるって知ってました?
でもね、忘れちゃ行けないんだよ。魔界には無理やり連れてこられたんだからね...香澄ちゃん。
頭が全く整理されていない...と言うか、考えようと思っても考えられない。ただ、鮮明に思い出すのはキスの感触。
『キスしちゃった.......』
それを思い出すとカーっと体が熱くなって布団を頭までかぶる。
『キスしちゃった......』
柔らかい唇の感触が思い出されて、さっきの怖かった思いなど吹き飛んでしまった。
でも嫌な気は全くしなかった。逆にまたしたいと思っている感情に
『私ってイヤらしい』
そう考えてしまうのだ。そう考えていると寝室のドアがかチャリと開いた。
「香澄、お腹好かない?」
そう言われて慌てて目をつぶる。
「寝ちゃったかな」
そう言って今度はほっぺに柔らかい唇の感触。顔がまた熱くなってきた。
「あーたぬき寝入りだなぁ~」
そう言われて慌てて布団をかぶろうとすると布団を抑えられてしまった。
「可愛いなぁ~、香澄、今日から2人きりだよ。よろしくね」
そう言われて『?』頭の中が急に冷静になった。
『今日から2人きり...』
高速回転で記憶が巻き戻しを始める。
家に来た時寝室のベットが大きくて不思議に思った事。仕事部屋の立派な机。収納スペースが沢山ある衣装部屋。まだ遡る。部屋が3つはないと狭すぎると反対された事。新しい生活が楽しみだねと言ったセリフ......。
「あーーーーーーーーー!!」
香澄がガバリ!と起き上がった。急に大きな声を出すし 起き上がるしでラジルドはビックリしているがそんな事はお構い無しだ。
「ラジルドさん!ココって.......もしかして…2人のお家?」
「どしたの?香澄、急に起き上がって。勿論2人の家に決まってるじゃないか」
香澄の顔がギギギギ...と油切れの機械の様な音を立ててゆっくりと横を向く。そしてラジルドと目が合うとラジルドは満面の笑みを浮かべていた。
「ちょっ....ちょっと待ってラジルドさんっっ」
「本当にどうしたの?香澄」
「ちょっと、ちょっとでいいんです。ちょっと1人にしてくれませんか?」
「.......変な香澄、解った。お茶の用意しとくからベットから出ておいで」
そう言ってラジルドが部屋を出て行った。
『えーーーーーーーーーーーーーー!!』
またもやパニックの香澄。必死に自分で自分に冷静になれ!冷静になれ!って心に呪文をかけている。
『いつから2人で住む事になったんだろう』
最初に思った疑問だった。どう考えても自分が1人で生活する為の家が欲しいと頼んだはずなのに...。でも、今日は居てくれて助かったのも事実だ。そして、今日の夜は1人で居られないだろうなと思うのも事実。明日からの生活...と言っても食料品を買ったり、生活する為のお金もないのも事実だし、お金の使い方も解らないし、稼ぎ方も教えてもらわないといけない。香澄は1人でうんうん頷いた後
『そうだ!そうだよ香澄!!』
話さないといけない事は沢山ある。居てくれて良かったんだ。ラジルドさん流石だ!
.......人の脳って予想不可能な事にぶち当たったり、キャパの容量を超えると「物事はいい方向に考えなさーい」って言う特殊能力が起動する様に出来てるんですね。
そして、香澄も今発動しました。
香澄はベットから起き上がり寝室を出た。
ラジルドが物音を聞いてこちらを見る。そして香澄を見ると
「こっちにおいで」
って優しい声色で、優しい笑顔で言う。
10歳で親元を離れた香澄にとって、その優しい笑顔と声色はいわば最後の殺し文句と一緒だった。いわゆる愛情不足の彼女にその顔はダメ押しだった。
脳内にはもう
『ラジルドさんが居てくれて良かった』
と言う感情だけしか残ってなく、疑問も不安も恐れすらも吹き飛んでいた。
香澄は泣きながらラジルドに走りよって抱きつく。
「香澄は甘えん坊だなぁ~」
そして優しい手つきでよしよしされるとなんとも言えない安心感に包まれて良かったと言う感情が確信に変わった。
「ラジルドさんが居てくれて良かった」
「ん?香澄を一人ぼっちになんかしないよ」
「ラジルドさん大好き」
「僕も大好きだよ。香澄」
そう言って甘い甘いキスをする2人.....。恐怖と恋愛感情って紙一重の所にあるって知ってました?
でもね、忘れちゃ行けないんだよ。魔界には無理やり連れてこられたんだからね...香澄ちゃん。
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