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ラジルドはしばらく家に閉じこもって色々な文献を読み漁っていた。香澄を魔界に取り戻すにはどうしたら良いか考えていたのだった。
香澄が天界に連れ去られたのは予想外だった。
予想外だった為取り乱したが 取り乱してる場合ではない。早く香澄を連れ戻さないと天界人になってしまう。香澄が天界人になってしまったら一緒にいられない。
そんな事を考えて文献を読み漁ってもこれと言って何の収穫もなかった。
時計を見ると何時もの時間だ。
ラジルドは窓辺に立って羽を広げる。
今日も天界との境界線付近まで飛んで行く。
天界人は魔界の気に当てられて長生き出来ないが魔界人は魔界の気がなければ生きていけない。
境界線付近から魔界の気が一気に薄まり、そこに長い時間留まって見る。最初は10分もいられなかった。今では1時間位ならなんとかなりそうな所までは慣れてきた。もともとは天界人の血筋の体。慣れれば天界にも行けるんじゃないかと試しているが、境界線付近でこれでは天界に入ったら浄化の光に1発で殺られるだろう...。瞬殺だ。
そこに1人の天界人がやって来た。
「ラジルドちゃ~ん、待った~?」
「待ってない」
「冷たいなぁ~、ねぇ...僕だってちょっとは可哀想な事をしたな~って思ってるんだよ~」
そう。話してる相手はシャルラ。ラジルドはシャルラを睨む。
「.....それで香澄は?」
「それがさ~…ヤバい事態になっちゃって…ラジルドちゃん 怒らないでね~。香澄ちゃん どうやら北に連れて行かれたみたいだ...」
「は?なんでだよ!!」
「全く...ややこしい事になって来たよ。一応復活には反対してるけどね~、強行手段に出そうだね~...なんとか次の手を考えないと」
「お前が天界に連れて行くからこうなったんだろうが!!」
「しょうがなかったんだって言ったじゃ~ん。これが最善だったんだから~、僕に感謝して貰いたいよ~僕が行かなかったら北が香澄ちゃんを攫ってたって」
「情報だけ流してくれれば身を隠した」
「それじゃ間に合わなかったよ~。僕だってタッチの差だったんだから」
「それで北に攫われたんなら一緒じゃねぇか!!とにかく!香澄を!一刻も早く!東に!やってくれ!」
「それがね~香澄ちゃん、ガッチリ北にホールドされちゃってて、手も足も出ないって所かな~...おいおい睨むなって。なんとかするし。でも北が僕の同行に気が付いたらアウトだからね~。僕がもしもの時の代わりの連絡係を考えとくよ。合言葉は『花』それでよろしく~」
「あぁ、そろそろ限界だ...絶対!香澄をなんとかしろっ!」
「言われなくてもするって~なんでそんなに上から目線かなぁ~。人に物を頼む時のーーーって...おーいラジルドちゃ~ん。あ~行っちゃった...。全く~人使いが荒いって~」
ラジルドとシャルラはこんな調子でこの1ヶ月頻繁に合っている。境界線付近には誰も近づかないとは言え賭けだった。
ラジルドが初めて香澄を見た時ラジルドは自分の『番』を見つけた感覚だった。こんな感覚は初めてだった。長く生きていて それなりに女性関係はあった。むしろ言い寄られる事の方が多く不自由はした事が無い。でも何時も満たされない。確かに身体は満たされるが心が虚しくて、香澄と出会うまでの100年位は女性関係は絶っていた。
その時に見つけた香澄...。『この子だ』と思った。
それから香澄をなんとか魔界に取り込む方法を考え始めた。
10歳という事は天界に行く可能性が高い。死因を調べると『交通事故』とある。確実に天界に行って天界人になるのだろう...と当たりを付けて、10歳で死んだ痕跡を無くすには死亡年齢を誤魔化すしかないと考えた。
死んだ人間は門番に導かれて決定の森に入る事に決まっている。それなら森に入らなければ良いと思ったラジルドはあの手この手で香澄を森の中に入っていかない様にした。
初めは1年の計画だったが より誤魔化す為に3年頑張った。
そして、香澄が何時もの様に門番に導かれて森に入るのを見て魔界に来る様に画策し今に至る。
そして香澄が魔界に来てからの月日は目の前が光輝く様な毎日だった。一時も離れられない感覚...。本当に『番』を見つけた魔獣の気持ちが良く解った。
ただ、誤算だったのが、今まで用心して隠していた黒い羽の事だった。
この黒い羽の事を知っているのは魔界ではごくごく一部の魔人。そしてシャルラ。
シャルラはとっくの昔に気が付いていた様で、
「なんで魔界の人達って気が付かないのかなぁ~?」
なんて言うのを聞いてむかっ腹が立ったのをラジルドは覚えている。
ラジルドにしてみれば シャルラは本当に侮れない存在で、チャラ男振っているが隙がなく頭が切れる。奴が『失敗しちゃった』っていう時は大概わざとだったりする...。そこがまた腹が立つのだった。
シャルラは東派だ。
当然東派の上層部ではラジルドの件はタグ付き。
東派は改革を嫌がる。改革を行えば大量の魔界人と天界人が消滅してしまう事が多い。そうすると、それを埋めるために多くの人間が 魔界と天界に連れて来られる結果になる。
修行がしっかり終わってない人間も穴埋めの為に繰り上げられたり、魔界に行くはずの人間が天界に来たり、最悪、魔界の段階で修行が終了してしまう事態が起こってしまったら大変な結果になるのは目に見えているからだ。
自然の理を無視する事は許さない、断固とした保守派。
そしてそれが、魔界 天界 人間界を守る為の一番の早道だと思って疑わないにが東のエッセの考えだった。
その為に、ラジルドの存在が解った時点でシャルラはラジルドと話を付けていた。
『黒羽族は復活させない』それが東派の意見だった。
そこが食い違えば、とっくに東派が出て来てラジルドは消滅していたかもしれない。だが、ラジルドも同じ意見だった。
だからラジルドはタグ付きのまま今まで自由にやってこれたのだったが...。
ラジルドが普通の魔界人で香澄が普通の天界入りの修行者であれば黙認されるこの件も、ラジルドが黒羽族だと解れば話が変わる。
香澄と一緒に生活するに当たって一目散に駆け付けないといけない事態が多く 羽を広げる機会が増えてしまった事も事実だった。
北にラジルドの存在が見つかってしまった...。
そして北の動きは思ってた以上に早かった。
だから焦った。
人間界に転生させる事に重きを置いて焦った結果、香澄の気持ちを無視して不安にさせてしまった...。
その上 北は本来なら天界に行くはずだった香澄の存在にも気が付いた。しかも修行最終段階者。2人が恋人関係にあると言う こんな北にとっての美味しい話を北が見逃す筈もなく...。北はもちろん正当な理由を付けて香澄奪還に魔界に乗り込んだ。
そんな北の動きにいち早く気が付いて動いてくれたのがシャルラ。
香澄にはシャルラがタグを付けていたお陰で優先順位はシャルラ渡った。またしてもシャルラの機転がココでも役に立ってラジルドとしては腹立たしいのだが...。
香澄にとってはこのまま天界人でいた方が幸せなのかもしれないと思った事もあった。でも心が苦しくてどうしても香澄の事が諦めきれず、天界付近の境目まで飛んで見た時の事だった。
「ラジルドちゃ~ん、やっと現れた~」
そう言いながら近づいてくるシャルラに殺意が出て危うく殺す所だった。
ラジルドが10分もそこに居れなかったのがシャルラには幸いだった。
それから不定期でシャルラに会った。あまり頻繁にシャルラに会うことが出来ないがそれでも香澄の情報が入るだけでも良かった。
シャルラの話だと天界では、近頃 北の不穏な動きに振り回されている...と言う話だった。『新しい時代』を宣言して 改革を推し進めている。
それはつまり黒羽族の復活。
それに真っ向から対立してるのが東のエッセ。
とにかく香澄を色々な理由を付けてでも人間界に転生させて欲しい。
それしか2人にとって(ラジルドにとって)の幸せはへの路はない。
北に攫われなければ時間稼ぎが出来るはずだった。
今の頼みの綱はシャルラしかいない。
ラジルドはヤキモキしながら 待つ事しか出来る事がなかった。
香澄が天界に連れ去られたのは予想外だった。
予想外だった為取り乱したが 取り乱してる場合ではない。早く香澄を連れ戻さないと天界人になってしまう。香澄が天界人になってしまったら一緒にいられない。
そんな事を考えて文献を読み漁ってもこれと言って何の収穫もなかった。
時計を見ると何時もの時間だ。
ラジルドは窓辺に立って羽を広げる。
今日も天界との境界線付近まで飛んで行く。
天界人は魔界の気に当てられて長生き出来ないが魔界人は魔界の気がなければ生きていけない。
境界線付近から魔界の気が一気に薄まり、そこに長い時間留まって見る。最初は10分もいられなかった。今では1時間位ならなんとかなりそうな所までは慣れてきた。もともとは天界人の血筋の体。慣れれば天界にも行けるんじゃないかと試しているが、境界線付近でこれでは天界に入ったら浄化の光に1発で殺られるだろう...。瞬殺だ。
そこに1人の天界人がやって来た。
「ラジルドちゃ~ん、待った~?」
「待ってない」
「冷たいなぁ~、ねぇ...僕だってちょっとは可哀想な事をしたな~って思ってるんだよ~」
そう。話してる相手はシャルラ。ラジルドはシャルラを睨む。
「.....それで香澄は?」
「それがさ~…ヤバい事態になっちゃって…ラジルドちゃん 怒らないでね~。香澄ちゃん どうやら北に連れて行かれたみたいだ...」
「は?なんでだよ!!」
「全く...ややこしい事になって来たよ。一応復活には反対してるけどね~、強行手段に出そうだね~...なんとか次の手を考えないと」
「お前が天界に連れて行くからこうなったんだろうが!!」
「しょうがなかったんだって言ったじゃ~ん。これが最善だったんだから~、僕に感謝して貰いたいよ~僕が行かなかったら北が香澄ちゃんを攫ってたって」
「情報だけ流してくれれば身を隠した」
「それじゃ間に合わなかったよ~。僕だってタッチの差だったんだから」
「それで北に攫われたんなら一緒じゃねぇか!!とにかく!香澄を!一刻も早く!東に!やってくれ!」
「それがね~香澄ちゃん、ガッチリ北にホールドされちゃってて、手も足も出ないって所かな~...おいおい睨むなって。なんとかするし。でも北が僕の同行に気が付いたらアウトだからね~。僕がもしもの時の代わりの連絡係を考えとくよ。合言葉は『花』それでよろしく~」
「あぁ、そろそろ限界だ...絶対!香澄をなんとかしろっ!」
「言われなくてもするって~なんでそんなに上から目線かなぁ~。人に物を頼む時のーーーって...おーいラジルドちゃ~ん。あ~行っちゃった...。全く~人使いが荒いって~」
ラジルドとシャルラはこんな調子でこの1ヶ月頻繁に合っている。境界線付近には誰も近づかないとは言え賭けだった。
ラジルドが初めて香澄を見た時ラジルドは自分の『番』を見つけた感覚だった。こんな感覚は初めてだった。長く生きていて それなりに女性関係はあった。むしろ言い寄られる事の方が多く不自由はした事が無い。でも何時も満たされない。確かに身体は満たされるが心が虚しくて、香澄と出会うまでの100年位は女性関係は絶っていた。
その時に見つけた香澄...。『この子だ』と思った。
それから香澄をなんとか魔界に取り込む方法を考え始めた。
10歳という事は天界に行く可能性が高い。死因を調べると『交通事故』とある。確実に天界に行って天界人になるのだろう...と当たりを付けて、10歳で死んだ痕跡を無くすには死亡年齢を誤魔化すしかないと考えた。
死んだ人間は門番に導かれて決定の森に入る事に決まっている。それなら森に入らなければ良いと思ったラジルドはあの手この手で香澄を森の中に入っていかない様にした。
初めは1年の計画だったが より誤魔化す為に3年頑張った。
そして、香澄が何時もの様に門番に導かれて森に入るのを見て魔界に来る様に画策し今に至る。
そして香澄が魔界に来てからの月日は目の前が光輝く様な毎日だった。一時も離れられない感覚...。本当に『番』を見つけた魔獣の気持ちが良く解った。
ただ、誤算だったのが、今まで用心して隠していた黒い羽の事だった。
この黒い羽の事を知っているのは魔界ではごくごく一部の魔人。そしてシャルラ。
シャルラはとっくの昔に気が付いていた様で、
「なんで魔界の人達って気が付かないのかなぁ~?」
なんて言うのを聞いてむかっ腹が立ったのをラジルドは覚えている。
ラジルドにしてみれば シャルラは本当に侮れない存在で、チャラ男振っているが隙がなく頭が切れる。奴が『失敗しちゃった』っていう時は大概わざとだったりする...。そこがまた腹が立つのだった。
シャルラは東派だ。
当然東派の上層部ではラジルドの件はタグ付き。
東派は改革を嫌がる。改革を行えば大量の魔界人と天界人が消滅してしまう事が多い。そうすると、それを埋めるために多くの人間が 魔界と天界に連れて来られる結果になる。
修行がしっかり終わってない人間も穴埋めの為に繰り上げられたり、魔界に行くはずの人間が天界に来たり、最悪、魔界の段階で修行が終了してしまう事態が起こってしまったら大変な結果になるのは目に見えているからだ。
自然の理を無視する事は許さない、断固とした保守派。
そしてそれが、魔界 天界 人間界を守る為の一番の早道だと思って疑わないにが東のエッセの考えだった。
その為に、ラジルドの存在が解った時点でシャルラはラジルドと話を付けていた。
『黒羽族は復活させない』それが東派の意見だった。
そこが食い違えば、とっくに東派が出て来てラジルドは消滅していたかもしれない。だが、ラジルドも同じ意見だった。
だからラジルドはタグ付きのまま今まで自由にやってこれたのだったが...。
ラジルドが普通の魔界人で香澄が普通の天界入りの修行者であれば黙認されるこの件も、ラジルドが黒羽族だと解れば話が変わる。
香澄と一緒に生活するに当たって一目散に駆け付けないといけない事態が多く 羽を広げる機会が増えてしまった事も事実だった。
北にラジルドの存在が見つかってしまった...。
そして北の動きは思ってた以上に早かった。
だから焦った。
人間界に転生させる事に重きを置いて焦った結果、香澄の気持ちを無視して不安にさせてしまった...。
その上 北は本来なら天界に行くはずだった香澄の存在にも気が付いた。しかも修行最終段階者。2人が恋人関係にあると言う こんな北にとっての美味しい話を北が見逃す筈もなく...。北はもちろん正当な理由を付けて香澄奪還に魔界に乗り込んだ。
そんな北の動きにいち早く気が付いて動いてくれたのがシャルラ。
香澄にはシャルラがタグを付けていたお陰で優先順位はシャルラ渡った。またしてもシャルラの機転がココでも役に立ってラジルドとしては腹立たしいのだが...。
香澄にとってはこのまま天界人でいた方が幸せなのかもしれないと思った事もあった。でも心が苦しくてどうしても香澄の事が諦めきれず、天界付近の境目まで飛んで見た時の事だった。
「ラジルドちゃ~ん、やっと現れた~」
そう言いながら近づいてくるシャルラに殺意が出て危うく殺す所だった。
ラジルドが10分もそこに居れなかったのがシャルラには幸いだった。
それから不定期でシャルラに会った。あまり頻繁にシャルラに会うことが出来ないがそれでも香澄の情報が入るだけでも良かった。
シャルラの話だと天界では、近頃 北の不穏な動きに振り回されている...と言う話だった。『新しい時代』を宣言して 改革を推し進めている。
それはつまり黒羽族の復活。
それに真っ向から対立してるのが東のエッセ。
とにかく香澄を色々な理由を付けてでも人間界に転生させて欲しい。
それしか2人にとって(ラジルドにとって)の幸せはへの路はない。
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