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パジャン島 参

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 魔法って便利だな両替して貰った硬貨を見て思った「このお金何か社会の教科書こんなの無かったっけ?」「確かに似てるな」「でも仲月さん両替する理由って何かありましたか?」


「そうだな…そのままシルドルクでの硬貨を使っても大丈夫なのかも知れないが少し迷惑かと思っただけだ」実際はそのまま使うのを警戒しているだけなんだがな


「へぇーそうだったんですねてっきり仲月さんだったら怪しまれたくないからとかだと思ってました」…正解「玲那そっちで合ってると思うよ多分」こっちも正解


「そうだったとしても俺達格好で結局目立つ」「それもそうね」「だから先に服屋に行こうと思っているんだが二人共良いか?」「やったー!着物だー」「玲那絶対似合う」「晴ちゃんも」何か二人で盛り上がり始めてしまった…


 その後住民に聞き服屋に向かった「…ここか」何て言うのだろうか元の世界ではもうあまり見かけないような店だなでもここではこれが普通何だろうな


「いらっしゃいませ」女性の店主が迎えてくれた「すみません着物を三枚買いたいのですが大丈夫ですか?」「お客様申し訳ございません現在素材の在庫が無くて…」


「そうですか…ちなみに素材って何を使うんですか?」「主に正絹…木綿などですが…」「ちょっと待って下さいね」「錦戸」ボソッ「はい?」「綿とかポリエステルがどういう物か分かるか?」


「確か木綿が植物のあれですよね分かりますポリエステルは確か…」「合成繊維って奴だな」「そうそれですどんな感じかも今ちょっと思い出しました」


「あと正絹って何の虫からでしたっけ?」「それはかいこって言う虫だ」「そうでしたありがとうございます」


「じゃあ頼んだ」数分後「すみませんこれで出来たりしますか?」「えぇ!一体何処から出したんですか?」


「もしかして魔法とか使えるんですか?」「すみません自分は知ってるだけで使えないですね」「そうですか」何故か少し残念そうな表情をしていた何か引っかかるな


「もしかして魔力を持ってる事自体がここでは珍しいんですか?」「…そうですね実は…いえ何でもありませんでもここでは魔力では無く皆…気と言う物を持っています」


「では金交所の人が使っていた物は…」「あれも気を使っている物ですね」どうやら俺の勘違いだったようだてっきりこの国でも魔法がある物だと思っていたが違うんだな


「すみません話がそれちゃいましたねこれだけあれば作れますよ」「ありがとうございます…どれくらいかかりそうですか?」「そうですね三枚ですと…」確か着物を一枚作るのに三~四週間かかるんだったけな?


「二日ですね」「は?」「えっ?遅いですか?すみません」「…いや早過ぎて驚いただけですすみません」「そうだったんですね」「これくらいは普通なんですが…」


 普通…か「そのお名前の方を伺ってもよろしいですか?」そうだまだ名乗っても無かったな「仲月喜実紀って言いますあっちの二人は錦戸玲那と綾瀬晴です」「それと私は山梔子さんしんって言います」


「では二日後にまたいらして下さい」「分かりましたそれと」「やあ山梔子」「篝火かがりびどうしたの?」「この人達は?」「お客さんだよ」「素材は?確か在庫無いんじゃ無かったっけ?」


「それがさ…いや、何とかね?なったんだよ」「まあ良く分かんないけど何とかなったんなら良いか」かがりび…と言われたこの男が持っている刀見て分かる良い刀だ


「かがりびさん?良い刀ですね?」「あぁ友人から貰ったんだよ」「…そうですか良い腕してますね」「……ありがとうございますきっとアイツも喜びますよ」


「では僕達は宿を取りに行くのでこれで」「そうですか」「では二日後にまた」「はい作っておきますね」「はい、よろしくお願いします」


「じゃあ宿に向かうか」「で?どのくらいかかるの?」「二日らしい」「はやっ!?」「だよな」その後休み処に着いた「すみません宿って今取れますか?それと今日の門番…」ヤバイ門番の名前聞くの忘れてた


「門番…あ!通行手形を届けに来た門番の事ですか?」「えぇそうですが」「あの堅物の泰樹たいじゅが通すって珍しい事だ」「そうなんですね」


「それと今日は一部屋だけ空いてますね」え?一部屋?その時ポンッと肩に手を置かれた振り返ると綾瀬がにこやかな笑顔で「仲月あんた野宿ね?」そう言った…マジかよ
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