点数が悪い俺異世界転移したがロクなスキルがなかったので転生者を手に入れる

eegww 松実

文字の大きさ
64 / 66

ボンカスト編 第9話 善悪の仮面

しおりを挟む
 こういうシチュエーションに会うのは初めてだがこんな上手く行くもんなんだな?目の前で起きた光景を見てどうにも疑問を抱いてしまう。まあ、異世界だしこんなもんか「あ?怒りを納めろ?……何故?」剣を下げ一体何を言っているのか分からないかの様に首を傾げ返答する


「そもそも何が原因で私が刑を下しているかも分かって無いだろ?」「それは……」何とか抜け出す言葉を選んでいるのだろうな~……「出っ…」るならセリフのレパートリーくらい揃えとけよ!っと危ない余りに酷過ぎてつい声に出す所だった


「フッ何も言えないならそれ以上出しゃばるのは」……原因は恐らくあれだと考えられるだとしたらここを乗り越えるには「私が!!私が原因だからです!!」自分が原因となれば良い


「シャマリス……一体何を言っ」「この子は私のためを思ってフィア様に鉄球を投げつけたんです……そうよね?」そう言い子供に優しく微笑んだ「ほぅ~…そうなると話が変わるな」


 再び少年の前にフィア様が行き一つ質問をした「今回の行動原因は本当にシャマリスなのか?」「……」「ヒッ」少年の肩に手を置き耳元に顔を近づけ「おい、聞こえているなら何か反応くらいしろお前の言葉一つで状況が変わるのだから」何かを囁いたが聞こえはしなかった……お願い…ただ、君は何も考えず首を縦に振れば良いの


「で?原因はシャマリスで間違いないんだな??」少年はコクコクと首を縦に振った瞳からは涙がこぼれていた「……そうかならもう用は無いおい、三人と一体を解放してやれ」


 解放された少年は父親と母親の元に走った「ごめん」少年が通り過ぎる際周囲に分からない様にそう言った……大丈夫私が死ぬことは無いから「罰を与える前に一つ聞かせて貰っても?」「何かありましたか?」


「どうして鉄球だと分かったんだ?」「あの少年実は前まで体調不良が続いてたんですよそれで私にスニージアさんに伺って一度診て貰ったらガッカリした様子で鉄球渡して料理する時に使用しろっと言われたので恐らくそれでは無いのかと思っただけですよ」


「そうか、それじゃあ罰を受ける時間だ抵抗するなよ」「……はい」「おい、この者を縛って置け」そうして一人の兵士が縄でシャマリスを固定した「……申し訳ございません」ボソッ


「じゃあ罰はこれで与えるか」懐から鉄球を取り出しシャマリス向かって投げつけたバギッと骨が折れる音がした「うっうぅぅぅ」あ~右の鎖骨逝ったな~ぶつかった鉄球は転がり落ちて行った


「姫様に何て事を!」「一刻も早くサスーティン様があの悪魔を……」何だコイツ等気持ち悪いな「そこの貴方?」キョロキョロと辺りを見渡しまるで自分ではないか確認したあーこれ俺だな「はっはい、何でしょうか?」


「ちょっと付き合ってもらうわよ?」「??」「取り敢えずあれ?取って来て貰ってる?」指を飛ばした方向に指しそう指示して来たあー!そう言う事か「分っかりました~!!」ボールを投げられた犬の様に鉄球を取りに行った


 特に何も言わず下投げで返した「どうも」それから何回か投げ九球目姫様は酷い状態になっていた鼻は折れ片目は潰れ歯は欠け骨は数本折れていた周囲が怯え恐怖している中俺はフィア彼女の制球力に胸躍らせていた一方で綾瀬は見ていられないのか視界を何割か塞ぎ錦戸は特にそういった様子を見せる事無く見ていた「日常で使う物は少し使い方を間違えただけで凶器も同然だな」鉄球はだいぶ血で汚れていた


 そして次の十球目を姫様の額目掛けて投げたその球を一人のメイドが止めた「フィア様この辺でお止めになられてはいかがでしょか?」突如メイドが現れた「……マジか」先程まで確かにこの場に存在していた恐怖が消え去った「チッ……はぁ~興が削がれた事だし帰る」そう言ってフィア様は周りに目をくれる事無くその場から去った


「うぅ…」「シャマリス様直ぐに手当てを」メイドが担ぎその場を飛び去った「はぇ~」人を抱えた状態であれだけの跳躍…速度やはり異世界のメイドは一味違うな


 無事めでたくは無いのだろうが死者は出る事無くこの騒動は終わり俺達はスニージアの元へ戻った「ただいま~」「お邪魔します」「お邪魔しま~す」


 二人はお花を摘みに行っている間にスニージアの所に足を運んだ「おかえり~」見るからに柔らかそうなソファに横向きでこちらに背中を向け手をひらひらさせていた―


 その夜「右脇腹」ドツッ「ゔぅ」「左太もも」パァァン「痛っ」「…まあこの辺にしといてやるかホラッとっとと自分の部屋に帰れ」「……はい」


 ツバルさん夫妻タクヤ君ごめんなさいあとどれだけ続ければ良いの?私は枕に顔を埋め誰にも聞こえない様息を殺し泣き声を出した……


 一方で扉に耳を当て密かにそれを聞く者がいる「……フィア様」……これは「お仕置きね」手を出してしまった己の手を見てそう言葉を漏らす
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

現実世界にダンジョンが出現したのでフライングして最強に!

おとうふ
ファンタジー
2026年、突如として世界中にダンジョンが出現した。 ダンジョン内は無尽蔵にモンスターが湧き出し、それを倒すことでレベルが上がり、ステータスが上昇するという不思議空間だった。 過去の些細な事件のトラウマを克服できないまま、不登校の引きこもりになっていた中学2年生の橘冬夜は、好奇心から自宅近くに出現したダンジョンに真っ先に足を踏み入れた。 ダンジョンとは何なのか。なぜ出現したのか。その先に何があるのか。 世界が大混乱に陥る中、何もわからないままに、冬夜はこっそりとダンジョン探索にのめり込んでいく。 やがて来る厄災の日、そんな冬夜の好奇心が多くの人の命を救うことになるのだが、それはまだ誰も知らぬことだった。 至らぬところも多いと思いますが、よろしくお願いします!

付きまとう聖女様は、貧乏貴族の僕にだけ甘すぎる〜人生相談がきっかけで日常がカオスに。でも、モテたい願望が強すぎて、つい……〜

咲月ねむと
ファンタジー
この乙女ゲーの世界に転生してからというもの毎日教会に通い詰めている。アランという貧乏貴族の三男に生まれた俺は、何を目指し、何を糧にして生きていけばいいのか分からない。 そんな人生のアドバイスをもらうため教会に通っているのだが……。 「アランくん。今日も来てくれたのね」 そう優しく語り掛けてくれるのは、頼れる聖女リリシア様だ。人々の悩みを静かに聞き入れ、的確なアドバイスをくれる美人聖女様だと人気だ。 そんな彼女だが、なぜか俺が相談するといつも様子が変になる。アドバイスはくれるのだがそのアドバイス自体が問題でどうも自己主張が強すぎるのだ。 「お母様のプレゼントは何を買えばいい?」 と相談すれば、 「ネックレスをプレゼントするのはどう? でもね私は結婚指輪が欲しいの」などという発言が飛び出すのだ。意味が分からない。 そして俺もようやく一人暮らしを始める歳になった。王都にある学園に通い始めたのだが、教会本部にそれはもう美人な聖女が赴任してきたとか。 興味本位で俺は教会本部に人生相談をお願いした。担当になった人物というのが、またもやリリシアさんで…………。 ようやく俺は気づいたんだ。 リリシアさんに付きまとわれていること、この頻繁に相談する関係が実は異常だったということに。

第2の人生は、『男』が希少種の世界で

赤金武蔵
ファンタジー
 日本の高校生、久我一颯(くがいぶき)は、気が付くと見知らぬ土地で、女山賊たちから貞操を奪われる危機に直面していた。  あと一歩で襲われかけた、その時。白銀の鎧を纏った女騎士・ミューレンに救われる。  ミューレンの話から、この世界は地球ではなく、別の世界だということを知る。  しかも──『男』という存在が、超希少な世界だった。

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

40歳のおじさん 旅行に行ったら異世界でした どうやら私はスキル習得が早いようです

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
部長に傷つけられ続けた私 とうとうキレてしまいました なんで旅行ということで大型連休を取ったのですが 飛行機に乗って寝て起きたら異世界でした…… スキルが簡単に得られるようなので頑張っていきます

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。

石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。 だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった 何故なら、彼は『転生者』だから… 今度は違う切り口からのアプローチ。 追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。 こうご期待。

処理中です...