スパダリかそれとも悪魔か

まめ太郎

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 大学生活もあっという間に一年が過ぎ、俺は大学二年に無事進級した。
 怜雄もあんなに大学をさぼっていたくせに、ちゃっかり単位は取れていて、留年することはなかった。
 要領の良い奴は得だよなあと思う今日この頃。

 俺は学食で西とその友人の楓と昼飯を食べていた。
 ふいに机の上に置いたスマホが震え、俺は片手でメッセージを確認した。
 ため息をつきながら、スマホを置き、皿に残ったカレーをぐちゃぐちゃと混ぜる。

「なに、そんな暗い気持ちになるような内容だったんか?」
 西が俺の浮かない顔を見ながら言った。
 西の言葉に楓も顔を上げて俺を見る。

 楓とは西つながりで仲良くなったが、長谷部とも幼馴染らしい。楓は身長のわりに顔や手など、体のパーツが全て小さいため、同い年というより俺は年下の弟を見る様な気持ちで接してしまう。

「いや、今日俺の誕生日なんだけど・・・。」
 そう言う俺に西と楓は声を揃えて「おめでとう」と言った。
「ありがとう。で、怜雄が誕生日のお祝いしてくれるって言うんだけどさ。」
 さっき届いたスマホのメッセージを二人に見せる。

「横浜キングスホテルのラウンジに18時。」
 西がメッセージを読み上げる。

「キングスホテルって日本初上陸の外資系高級ホテルだよね。この前テレビで観たよ。一泊5万以下の部屋は用意してないのに、大人気で予約もなかなか取れないって言ってた。」
 楓がスプーンを唇に当てながらそう言った。

 楓は食べるのが異様に遅く、まだカレーがほとんどそっくり皿に残ったままだった。授業が始まるまでに、食べ終われるんだろうか。
 俺は楓の口の端にについたカレーを取ってやりたいと思う母性本能と戦いながら言った。
「そっか。そんな高級ホテルならスーツでいく方が無難かな。」
「そうだな。それにしてもさすが御剣。恋人の誕生日にそんな高級ホテル予約できる大学生なんて、めったにいないぜ。愛されてるねえ、優は。」 

 楓には俺と怜雄のことを話していたが、そんなことを大声で言いだす西を睨み、辺りを見回す。 幸いこちらの会話が聞こえていた様子はなかった。
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