スパダリかそれとも悪魔か

まめ太郎

文字の大きさ
301 / 307

234

しおりを挟む
 優と別れた翌日、御剣は真昼を大学近くの公園に呼び出し、告白を受け入れると返事をした。

「本当?私と付き合ってくれるの?」
 両手を口に当てそう言う真昼に、御剣は笑いかけた。
「ああ。真昼、俺と付き合おう。」

 御剣の言葉に真昼はぴょんとジャンプすると御剣の首に両手で掴った。
「嬉しい。ありがとう、怜雄ッ。」
 御剣は華奢な真昼の体を片手で抱きしめた。

 真昼の体が離れると、御剣は後ろ手に隠し持っていた白バラの小さな花束を真昼に差し出した。
「これ、記念に。お前が喜ぶと思って。」
「あっ、ありがとう怜雄。」
 渡された真昼はどこか浮かない表情をしていた。

「バラ嫌いか?」
 御剣の問いに慌てて真昼が首を振る。
「そうじゃないの。ただバラって赤のイメージがあったから、白いバラって何だか地味に思えちゃって、あっ、ごめん。」
「いや、いい。今度からは赤いバラにする。」
「ううん。これも綺麗だよ。嬉しい。」
 そういう真昼が無理をしているのは明白で、御剣はこれ以上真昼に気を遣わせたくなくて、言葉を封じるようにその体を抱きしめた。

 白いバラは母さんが一番好きな花だったのに。

 自分の頭に浮かんだ言葉を打ち消すように御剣はぎゅっと目を閉じ、奥歯を噛みしめた。
 違う。真昼は母さんとは別人なんだ。

「ちょっと痛い。怜雄。」
 抱きしめる腕に、力を入れ過ぎたようで真昼が悲鳴みたいに言う。
 御剣はその体を慌てて離すと、笑顔を浮かべて言った。

「ごめん。真昼と付き合えたのが本当に嬉しくて。ああ、今からお前が行ってみたいって言ってたレストランに食事をしにいかないか?」
「ええっ、いいの?あそこけっこう高いよ。」
「気にするな。俺も食べたかったんだ。」

 そう言うと御剣は予約のためスマホを取り出し電話をかけ始めた。

 いつまでも繋がらないコール音はまるで不吉なことを予感させるようで、御剣は自然と何度も舌打ちをしていた。
しおりを挟む
感想 242

あなたにおすすめの小説

【完結済】俺のモノだと言わない彼氏

竹柏凪紗
BL
「俺と付き合ってみねぇ?…まぁ、俺、彼氏いるけど」彼女に罵倒されフラれるのを寮部屋が隣のイケメン&遊び人・水島大和に目撃されてしまう。それだけでもショックなのに壁ドン状態で付き合ってみないかと迫られてしまった東山和馬。「ははは。いいねぇ。お前と付き合ったら、教室中の女子に刺されそう」と軽く受け流した。…つもりだったのに、翌日からグイグイと迫られるうえ束縛まではじまってしまい──?! ■青春BLに限定した「第1回青春×BL小説カップ」最終21位まで残ることができ感謝しかありません。応援してくださった皆様、本当にありがとうございました。

どうせ全部、知ってるくせに。

楽川楽
BL
【腹黒美形×単純平凡】 親友と、飲み会の悪ふざけでキスをした。単なる罰ゲームだったのに、どうしてもあのキスが忘れられない…。 飲み会のノリでしたキスで、親友を意識し始めてしまった単純な受けが、まんまと腹黒攻めに捕まるお話。 ※fujossyさんの属性コンテスト『ノンケ受け』部門にて優秀賞をいただいた作品です。

私の庇護欲を掻き立てるのです

まめ
BL
ぼんやりとした受けが、よく分からないうちに攻めに囲われていく話。

お荷物な俺、独り立ちしようとしたら押し倒されていた

やまくる実
BL
異世界ファンタジー、ゲーム内の様な世界観。 俺は幼なじみのロイの事が好きだった。だけど俺は能力が低く、アイツのお荷物にしかなっていない。 独り立ちしようとして執着激しい攻めにガッツリ押し倒されてしまう話。 好きな相手に冷たくしてしまう拗らせ執着攻め✖️自己肯定感の低い鈍感受け ムーンライトノベルズにも掲載しています。 挿絵をchat gptに作成してもらいました(*'▽'*)

ただ愛されたいと願う

藤雪たすく
BL
自分の居場所を求めながら、劣等感に苛まれているオメガの清末 海里。 やっと側にいたいと思える人を見つけたけれど、その人は……

伝説のS級おじさん、俺の「匂い」がないと発狂して国を滅ぼすらしいい

マンスーン
BL
ギルドの事務職員・三上薫は、ある日、ギルドロビーで発作を起こしかけていた英雄ガルド・ベルンシュタインから抱きしめられ、首筋を猛烈に吸引。「見つけた……俺の酸素……!」と叫び、離れなくなってしまう。 最強おじさん(変態)×ギルドの事務職員(平凡) 世界観が現代日本、異世界ごちゃ混ぜ設定になっております。

怒られるのが怖くて体調不良を言えない大人

こじらせた処女
BL
 幼少期、風邪を引いて学校を休むと母親に怒られていた経験から、体調不良を誰かに伝えることが苦手になってしまった佐倉憂(さくらうい)。 しんどいことを訴えると仕事に行けないとヒステリックを起こされ怒られていたため、次第に我慢して学校に行くようになった。 「風邪をひくことは悪いこと」 社会人になって1人暮らしを始めてもその認識は治らないまま。多少の熱や頭痛があっても怒られることを危惧して出勤している。 とある日、いつものように会社に行って業務をこなしていた時。午前では無視できていただるけが無視できないものになっていた。 それでも、自己管理がなっていない、日頃ちゃんと体調管理が出来てない、そう怒られるのが怖くて、言えずにいると…?

俺の親友がモテ過ぎて困る

くるむ
BL
☆完結済みです☆ 番外編として短い話を追加しました。 男子校なのに、当たり前のように毎日誰かに「好きだ」とか「付き合ってくれ」とか言われている俺の親友、結城陽翔(ゆうきはるひ) 中学の時も全く同じ状況で、女子からも男子からも追い掛け回されていたらしい。 一時は断るのも面倒くさくて、誰とも付き合っていなければそのままOKしていたらしいのだけど、それはそれでまた面倒くさくて仕方がなかったのだそうだ(ソリャソウダロ) ……と言う訳で、何を考えたのか陽翔の奴、俺に恋人のフリをしてくれと言う。 て、お前何考えてんの? 何しようとしてんの? ……てなわけで、俺は今日もこいつに振り回されています……。 美形策士×純情平凡♪

処理中です...