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1章 魔荒国家シルバーホース
11.二つの転生者
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「アレス君。私はあなたを断罪しません」
「へ?」
しかしリーベット先生は驚くような事を言って俺は思わず変な声を出す。
俺は全く理解できずこんがらがってしまう。
「貴方と同じ、転生者はいます」
「エエ!?」
俺と同じ転生者がいる事に驚いてしまう。
どういう事だ!? ノアは俺だけ転生したのに他がいるのか?
「しかし転生者には二種類に分かれています」
「二種類に分かれている?」
俺が首を傾げると、リーベット先生はそのままこの世界について詳しく言う。
どうやらこの世界には俺みたいに転生者がいる。だが転生者には二つに分かれている。
片方は弱者を助け強者を挫く者は神聖者、逆に己のために他人を犠牲にする者は邪悪者と呼ばれている。
「貴方は怪しい事をしているのでこの国の兵士は怪しんでいますが、私とルイさんが誤魔化して今まで平穏に過ごしています。だけど……」
リーベット先生は言いづらく顔を背ける。
爆発のせいで俺が変な事をしたら絶対に補導されてしまう事になるだろう。
俺が結論付けると、リーベット先生は自分の過去を言う。
「実はですね、私には最愛の人がいました」
「そうだったのですか?」
俺は首を傾げながら少しだけ驚く。
いずれ夫とかできそうだな~って思っていたけどまさか愛する人がいると思ったのは内緒にしよう。
「その人……バロックさんは私と同じ獣人でしたが、転生者は悪くないと信じて、国のために不浄人形を倒していましたが……」
「もしかして、邪悪者に殺されてしまったのですか?」
俺は少し迷ったが結論をリーベット先生に言う。
すると本人は苦笑いで答える。
「本当に君は察するのは良い方ですね。アレス君の言う通り、バロックさんはMrジャスティスという邪悪者に殺されてしまいました」
リーベット先生は昔の話を思い出すと、拳を強く握って震えていた。よほどMrジャスティスを恨んでいるだろう。
にしてもMrジャスティスって、確か屑吉が良くMMORPGで使っていたアバターネームだったよな? 仕事サボって迷惑行為していたな。
もしかしてアイツ、この世界に転生しているのか? いや、そうでない方が好ましい。だってアイツがこの世界に来たら、再び胃潰瘍になる恐れがある。
とにかく今はやめておこう、なんか無性にいら立ってきたし。
そう思いながらリーベット先生の方に向くと悲観した瞳で言う。
「だけどバロックさんは、あの人を恨まないどころか更生するのを望んでいました……」
「リーベット先生……」
そう呟くリーベット先生は、どこか悲しさが混じっていて、一粒の涙が頬を伝う。
「それに、アレス君を見ると懐かしくなるんですよ」
「俺を?」
なぜ俺の名前が出るのか、首を傾げる。それはどういう事だろうと思っていると理由を言う。
「君を見ると、危なっかしくて優しく勇気があるバロックさんと重なるの。だけど冒険者にさせたくないと私の我儘でそうはさせない様にしました」
だからヴィンセントたちを見張らせ、ルイさんが待つ小屋に行かせないように子供達の遊び相手にさせたんだろう。
そう結論付けるとリーベット先生は、俺の手を掴んで言う。
「あなたのために思って言いますが、この世界は欺きや洗脳が横行しています。これ以上夢物語を見ると痛い目に合うどころか、命の危険があります。ですのでもう諦めるしかありません」
リーベット先生はそう言うと話が終わり自室に戻る。
自室に戻るとベッドに倒れ込み、リーベット先生が言った事を思い出す。
本当に諦めるしかないのか? 簡単に諦めて良いのか? など迷いが渦巻いていて中々寝付けられなかった時に、ヴィンセントが部屋に入ると質問してくる。
「さっき聞こえたけど、お前転生者なのか?」
「さっきって、盗み聞きしたの?」
「いや偶然だけど、どうなんだ?」
「……ヴィンセントが聞いた通り、俺は転生者だ」
俺はそう言うと、ヴィンセントが複雑そうな顔で言う。
「驚きだけど俺はお前が良い奴だと信じているからな」
「そうか……」
ヴィンセントがそう言うと部屋から去り、俺は明日のためにまぶたを閉じる
「へ?」
しかしリーベット先生は驚くような事を言って俺は思わず変な声を出す。
俺は全く理解できずこんがらがってしまう。
「貴方と同じ、転生者はいます」
「エエ!?」
俺と同じ転生者がいる事に驚いてしまう。
どういう事だ!? ノアは俺だけ転生したのに他がいるのか?
「しかし転生者には二種類に分かれています」
「二種類に分かれている?」
俺が首を傾げると、リーベット先生はそのままこの世界について詳しく言う。
どうやらこの世界には俺みたいに転生者がいる。だが転生者には二つに分かれている。
片方は弱者を助け強者を挫く者は神聖者、逆に己のために他人を犠牲にする者は邪悪者と呼ばれている。
「貴方は怪しい事をしているのでこの国の兵士は怪しんでいますが、私とルイさんが誤魔化して今まで平穏に過ごしています。だけど……」
リーベット先生は言いづらく顔を背ける。
爆発のせいで俺が変な事をしたら絶対に補導されてしまう事になるだろう。
俺が結論付けると、リーベット先生は自分の過去を言う。
「実はですね、私には最愛の人がいました」
「そうだったのですか?」
俺は首を傾げながら少しだけ驚く。
いずれ夫とかできそうだな~って思っていたけどまさか愛する人がいると思ったのは内緒にしよう。
「その人……バロックさんは私と同じ獣人でしたが、転生者は悪くないと信じて、国のために不浄人形を倒していましたが……」
「もしかして、邪悪者に殺されてしまったのですか?」
俺は少し迷ったが結論をリーベット先生に言う。
すると本人は苦笑いで答える。
「本当に君は察するのは良い方ですね。アレス君の言う通り、バロックさんはMrジャスティスという邪悪者に殺されてしまいました」
リーベット先生は昔の話を思い出すと、拳を強く握って震えていた。よほどMrジャスティスを恨んでいるだろう。
にしてもMrジャスティスって、確か屑吉が良くMMORPGで使っていたアバターネームだったよな? 仕事サボって迷惑行為していたな。
もしかしてアイツ、この世界に転生しているのか? いや、そうでない方が好ましい。だってアイツがこの世界に来たら、再び胃潰瘍になる恐れがある。
とにかく今はやめておこう、なんか無性にいら立ってきたし。
そう思いながらリーベット先生の方に向くと悲観した瞳で言う。
「だけどバロックさんは、あの人を恨まないどころか更生するのを望んでいました……」
「リーベット先生……」
そう呟くリーベット先生は、どこか悲しさが混じっていて、一粒の涙が頬を伝う。
「それに、アレス君を見ると懐かしくなるんですよ」
「俺を?」
なぜ俺の名前が出るのか、首を傾げる。それはどういう事だろうと思っていると理由を言う。
「君を見ると、危なっかしくて優しく勇気があるバロックさんと重なるの。だけど冒険者にさせたくないと私の我儘でそうはさせない様にしました」
だからヴィンセントたちを見張らせ、ルイさんが待つ小屋に行かせないように子供達の遊び相手にさせたんだろう。
そう結論付けるとリーベット先生は、俺の手を掴んで言う。
「あなたのために思って言いますが、この世界は欺きや洗脳が横行しています。これ以上夢物語を見ると痛い目に合うどころか、命の危険があります。ですのでもう諦めるしかありません」
リーベット先生はそう言うと話が終わり自室に戻る。
自室に戻るとベッドに倒れ込み、リーベット先生が言った事を思い出す。
本当に諦めるしかないのか? 簡単に諦めて良いのか? など迷いが渦巻いていて中々寝付けられなかった時に、ヴィンセントが部屋に入ると質問してくる。
「さっき聞こえたけど、お前転生者なのか?」
「さっきって、盗み聞きしたの?」
「いや偶然だけど、どうなんだ?」
「……ヴィンセントが聞いた通り、俺は転生者だ」
俺はそう言うと、ヴィンセントが複雑そうな顔で言う。
「驚きだけど俺はお前が良い奴だと信じているからな」
「そうか……」
ヴィンセントがそう言うと部屋から去り、俺は明日のためにまぶたを閉じる
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