クロスオーバー・ラブ

黒崎由希

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目が覚めたら、後輩と…13

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「ぁッ…! や、だぁ…!」

 自分でするのとも違うタッチで優しく握り込まれた上に、顔をずらした知徳の熱い舌でぷっくりと膨らんだ蕾を舐め上げられ、あられもない嬌声が唇から零れ出る。

「可愛い…」

 拒絶する声にも甘い響きがあることを聞き逃さなかった知徳が愛撫の合間に囁くと、全身を朱に染めた快斗は羞恥を耐えるように唇を噛んだ。


 年上の、しかも目上の人間に向かって可愛いとはなんだ、と叫びたい所だが、感じる箇所を同時に攻められている状態で口を開けば、さっきよりもっと恥ずかしい声が出てしまいそうで、できない。


 …かさついた手で擦られ、敏感になっていた場所をぬめる舌で丹念に愛撫されながら擦られるペニスはすっかりとろとろで、すでに一度達しているとは思えない勢いで先走りを溢れさせている。


(このまま食べちゃいたいけど)


 懸命に唇を噛みしめ、声を押し殺している快斗の表情にきゅんきゅんしていた知徳の脳裏に、フェラチオをして泣かせてしまいたいという欲求がもたげる。

 だけど、そんなことをしたら好きになってもらうどころか嫌われるかも、と思い直し、快斗の胸に愛撫の痕を残すように口づけながら、下へ下へと体の位置をずらした。

「んッ!」


 脇腹の薄い肌を吸われた瞬間、堪え切れず息を漏らす。


 脇は止せ、と顔を上げた快斗だったが、その口を塞がせるように知徳の指が会陰を滑り、尻の間で大人しくしていた襞を擦る動きに、涙目になる。

「止めろッ、それ、だけは…!」

 入れないでくれ、と哀願するも、知徳の指は快斗が漏らした体液の滑りを借りて、あっさりと侵入してしまう。

「――…ぁ…っ…」

「どんだけ、課長としてるんですか…」


 人差し指だけだが、快斗の体は知徳の指を易々と飲み込む様子に、思わず嫉妬まがいの声が出る。

「やっ…ぁ…ッ…!」

 弱い所を吸われて体を震わせる快斗の中に指を突き入れ、熱く感じるその中を掻くように指を動かす。

「いっ…てぇ…っ」

 少しでも早く、長く快斗と繋がりたいと焦る指を忙しなく動かすと、強引に開かせようとするその指遣いのせいで快斗の顔に苦悶の色が滲み出る。

 やっぱり女性の性器と違い濡れていないせいか、快斗の靡肉はみちみちと知徳の指に吸いつき、窒息させるかのように締めつけてくる。


(やっぱり、必要か)


 快斗が濡らしたものだけではどうにもならない気配に、知徳は興奮している気持ちを宥めるようなため息を零した。

「く…っ…」

 何度も腔孔を穿たれることに慣らされた体でも、さすがに何の準備もしないままではどうにもならない、と抜け出る指の感触に背筋を戦慄かせた快斗は、顔をしかめてその違和感に耐える。


 …指一本程度なら、斎藤と何度も体を重ねている手前、受け入れられるようにはなっていた。


 けれどもそれ以上はちゃんと濡らすなり緩めるなりしなければ切れるし、血を見ることになるだろう。

 痛いのは嫌だ、こいつになんか任せられねぇ…と身を捩っている間に、何やらごそごそと手を動かしていた知徳が、次の一手を打ちに出た。

「今のラブホって、何でもあるんですね」

「あぁ?」

「ラブジェルくらいはあるかと思ったんですけど、これ、おしり専用のローションみたいですよ。…知らなかったなぁ~」

 そう言いながら、ベットの上に持ち込んでいたローションを手のひらに絞り出した知徳は、自分の身を案じていた快斗の臀部に、それを垂らし込んだ。

「!」


 冷たい、と思ったのは、一瞬だけ。


 今まで感じたことのない粘着質な液体は肌の上を滑り落ちる間に温まり、それを纏わせた指で快斗の襞を知徳が弄り始める頃には、冷たいどころか温かさを感じるようになっていた。



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